北京に行ってきました

先日、中国の政府系イベントにスピーカーとして招かれ、観光がてら行ってきました。旅費全部出してくれるというので・・・。

シンガポールの時と同様、数日しか滞在していないので、今回も断片的な情報をもとに、独断と偏見に基づく意見を書きますので、ごめんなさい。

天安門ね

さて、実は本土に行ったのは初めてだったのだが、すごい国だわ。中国。

まず驚いたのは、大気汚染が半端じゃない。まず天安門に行ってみたのだが、あまりに暗くて晴れてるのか曇っているのかもわからないし、まわりの建物は全部白く曇っている。

日にもよるみたいですが。僕がいたときはひどかったのかも。

昼間の太陽が、肉眼でオレンジ色に見えます。慣れてわかったが、太陽の輪郭がきれいに見えるときが「晴れ」ぼんやりしているときが「曇り」と見た。どっちでも暗さは変わりませんが。

注)昼間です

で、週末に、万里の頂上に人間観察に行ってきました。

万里の頂上も白いなオイ。

まず、万里の頂上行きのバスが見つからない。政府が運用しているバスと同じ番号を書いた偽のバスがあるし。で、なんとかバスを見つけて列に並んでみたものの、バスのドアが開くとみんながみんな割り込もうとする。列に並ぶ意味がないな・・・とにかく、このままではバスに乗れないことに気づき、中国人を押しのけて割り込んでみました。この国ではいい人を気取っていたら、個体として弱すぎて生きていけないと思う。郷に入っては郷に従えだ、どけどけーい。

思うんだけど、相手を信頼せず、押しのける、というのは、善悪の問題ではなく、そうしないと生きていけない環境の問題だと思うんだよね。だってバスにすら乗れないならば、あなたは「いい人」つーか「弱者」になってしまう。あなたの前に割り込んだ人は、あなたに感謝なんてしてないと思うし。

さて。

万里の長城についたら、途中で「非合理的な大渋滞」が見受けられます。これを抜けるのはとても時間がかった。何もないところに、突然、全然進まない人間の渋滞があるのだ!

何が非合理的かって?

おじさんが説明しよう!

まず前提知識として、「人がいっぱいいたら、他人を押しのけて自分が最初に抜けられるように割り込むのが当たり前である」という文化を理解してください。

それを踏まえて、ではこの渋滞、どんな構造になってるのでしょうか?

こうです。↓

一般的な中国人の気持ちになってみましょう。人ごみを見たら、あなたはまず最初に、他人を押しのけて割り込むことに集中するのです。ちなみに、一番割り込みやすいのは、いちばん端っこの、反対方向の人がこっちに向かって歩いてる、ギリギリのところです。

では、あなたはこの図でいうところの下から上に上がっているとして、写真を見てみましょう。

左の壁際に、こっち向きに歩いてくる人たちがいますね。そして、僕の進行方向の人(青いストライプの人)の体の向きを見て下さい。このポイントでは、「われこそ人を押しのけよう」と反対方向と進行方向の間にどんどん割り込みが発生しています。こうやって、大人数に押しのけられた結果、反対方向の人は一人分の幅しか確保できなくなっています

で、30分ぐらいノロノロと歩きます。

するといつの間にか、反対側から来る人の波に、今度は僕たちの方向が右の壁に押しのけられています。

流れの間にいるおじさん、およびその後ろの皆様は人にぶつかりながら無理やり割りこもうと努力中。イテテ

一人分の幅になると、早く歩けるようになるので、ひと段落。

はー、これで抜けられた・・・

しかしこの渋滞、そもそも意味ないですよね。

もしも、人々が割り込むのを遠慮していれば渋滞なんて起こらないわけです。たぶん、日本では決して起こらない問題。

ただし、個人で思慮深く遠慮してもこういった問題は全く解決しないわけで、集団が「割り込むのが非合理的だ」と思わない限りはこの渋滞は回避できない。中国人のみなさんはこういった非合理と日々直面し続けなければならないのだろうか・・・。これは文化の問題なので、変えるのはとても難しいだろうし、大変だ。

あとは、ゴミもすごかったねえ~

ごみの捨て方がすごい。みんな万里の長城からポイポイごみ捨ててる。

こういう、ごみが置けそうなところには、とにかく置きます。

ゴミ箱もありますが・・・見づらいですが、煙出てますね。そのうち発火すると思いますが、それも含めて小さな問題なのだろう・・・

というわけで、万里の長城に行っただけで、すごい勉強になってしまった。中国のスケールはすごいぞ、色々な意味で。

あと、他のところで思ったことは、何ですかね。例えば、

おみやげ物やさんには、Angry Birds (iPhone等のゲーム) のキャラクターのパクリ製品がものすごくあちこちにあるのだがぜんっぜん似てない。僕が作ったほうが100倍似てると思うんだけど・・・似せるのはそんなに難しくないと思うのだが、ちゃんと似てることに価値はないのかもしれない。ちゃんと似てたら訴えられるって?いやいやふつうにタグにAngry Birdsのロゴ入れてるし、訴えられるのなんて全然気にしてないと思うぞ。

繁華街の看板の英語は、単語が完結していない。書いている途中でスペースが足りなくなったのね・・・ちなみに、最後の一文字がEってのが意味不明だ。It’s incredibleと書きたかったなら I だと思うのだが、きっとそれも大した問題ではないのだろう。

子供はパンツもオムツもはいていない。

ズボンに穴が開いてます。コスト削減。

あと、トイレ=タバコ部屋と化している節がありまして、トイレは煙が充満しまくりです。

もはやトイレットペーパーホルダーと灰皿が融合してしまいました。

電車のプラットフォームから地下に降りる階段の前にはブロックがあります。なんだこれ。

想像するに、こういうのをおいて強制的に人の歩くスピードを落とさないと、階段で前の人を押し倒して怪我させたり殺したりしてしまうのでしょうな。

あと、屋台をよく見かけます。

ヒトデって食えるの?

うーむ、よくわからないものがとても多い。

あと、市街地を歩いていて気になったのは、

ネット企業の広告が多いのと、

日本のサービス業やブランドはすごく進出しているということ。がんばれニッポン。

あ、ちなみに仕事もしましたよ・・・一応。

なんかプレゼンして、新聞とかテレビとかの取材とかされましたが、結果は知らんです。

あと、なんども政府の要人と何度も食事します。中国でビジネスする人は、こうやって市長さんとかに気に入られないと、大事なことが何も進まないッス。中国とのビジネスに関しては色々思うところがあるが、まあ、一言で言うと、政治家はいろんなものの「許可」(=拒否)をする権利を持っているので、その交渉力を生かしていろんなことを上手にやっているなーと思います。

食事はとにかく中華料理でした。おいしい。

さて、話をちょっと戻してもいいですか?

例の「謎のS字渋滞」は、中国のいろんな問題を浮き彫りにしていると思った。他人に譲ればバカをみる。しかし譲らなければ、自分も含めてみんなが困るという非合理に直面しなければならない。政府が真ん中にロープを置くとかすれば解決するのかもしれないが、政府もいちいちそんなの相手にしてらんないので、たぶんこういう問題は基本的に放置です。だから、個人レベルではどうにもできない!

ただ悪いことばかりでもなく、「他人は信用できないという前提で、自分がいいように交渉しなければ、生きていけない」という中国人は、交渉能力がとても長けていると思う。これは、ビジネス的には強いわけですな。少なくとも、長期的な信用が大事でないビジネスならば。

中国人がみんな他人を信用してないわけじゃないと思いますが、「ここからここまでは信用するゾーン、あとは全部信用しない」というのが日本人より明確、かつ信用するゾーンはとても狭く、家族・親しい友人以外は、会社も政府も、ほとんど信頼していない気がします。

(まあ、政府も国民信頼してないかもしれないけど。電車乗るのも、手荷物のX線チェックだったし、国民も信用されていないんだなーとしみじみ感じます。)

信頼というのは幸せとかかわりが強いので、日常的に他人を信じられないというのは、あんまりハッピーではないかもしれないとも思う。ただ、数日の滞在で中国人の気持ちがわかるわけではないので、そのへんは正直よくわかりません。

そんなわけで、中国人をモラルが低いと批判するのは簡単だけれども、中国に住んで、中から中国を見てみたら、日本人的にモラルが低いということをするのが合理的というか、唯一の「普通に生きるための選択肢」だったりもするわけです。だから、中国に引っ越したら、自分の価値観もある程度変えなければ生きていけないかもしれない。そういうのも含めて、中国は中から見てみると、ぜんぜん違うものに見えるのかもしれない、と思ったのでした。

とにかく、すごい国だなあと思いました。

ちなみに最近、韓国にも別途行ってきました。ホテルに「オンドル(韓国式の床暖房)部屋」ってオプションがあって、インターコンチネンタルなのに床に布団で寝たのは面白かったです。ベッドよりすごい落ち着いたわ・・・・

愛の新年会 2012

【申し訳ありませんが、申し込み者多数につき、受付は終了しました】

去年に引き続き、ボストン在住のみなさんでテキトーに新年会やろうと思ってます。今年も新年会のくせに2月です。

参加者は、ボストン周辺のさまざまな大学・大学院や医療関係者が多かった気がします。お子様連れも歓迎です。

ちなみに、COO(僕の相談相手)、CFO(会計)、CCO(Chief 調達 Officer/車必須)、CSO(Chief 掃除 Officer+掃除アシスタント数名)を引き受けてくれる人募集中。イベントや、食べ物・料理のサポートに関する提案も大歓迎です。

去年の新年会

原発というお化け

「原発は安全」「原発は危険」といった議論が続いている。双方もっともな意見だけど、いくら議論しても、平行線になると思う。

原発って、僕を含めて、多くの人にとっては怖いんだよね。これは客観的な危険度に基づく恐怖じゃなくて、「何だかよくわからないから怖い」という主観的な恐怖だと思う。そしてそれは、生物として、とても自然な、自己防衛のために備わっている本能的な反応なんだと思う。ちなみに僕は、人間は本能レベルの恐怖に最終的に逆らうことはできないと思う。

子供のころ、暗闇ってお化けが出るから怖いって思ってた。暗闇を恐れなくなるためには、自分が自分自身で電気を何度もつけることで、「あ、お化けは出ないんだ」と自分の肌感覚を通じて理解するしかなかった。大人が「お化けは出ない」と論理的に説明したところで、「そうか、だったら安全」とは子供は思わないし、「怖いものは怖い!」と逆に不安になるかもしれない。

こういうことって、世の中には多くあることだと思う。例えば日本の移民受け入れの話。「日本は人口が減るんだから、移民をつれて来い」という議論は、きっと論理的に正しいんだけど実行できないと思う。多くの日本人にとって、外国人というのは「暗闇の中のお化け」だから。外国人と多くの時間を過ごして、「実は外国人は怖くない」と多くの日本人が肌感覚を通じて理解するまで無理だと思う。海外に住んでた「大人」が、論理によって無理に推し進めようとしても、怖いものは怖い。

話を戻して、原子力とか放射能って、何回説明聞いても、どういう仕組みで危険なのか、よくわからないんだよね。まさに暗闇の中。原子力発電より車を運転するほうが危ないと言われても、たぶんそういう問題じゃない。車にはねられたら死ぬのはどういう仕組みなのか理解できるけど、放射能で死んだり子供が奇形児になったりする仕組みはがよくわからない。だから、やっぱり、どんなに「大人」である原発識者が論理的に説明しても、怖いものは怖い。

もし、原子力とか放射能というものが肌感覚で理解できるようになれば、ある程度怖くなくなると思う。核反応が、氷が水になるみたいに見てなんとなくわかるとか、放射能が色や匂いでわかるとか。原子力発電が「お化け」じゃなくなったら、きっと原子力発電の時代になるかもしれない。でも、無理だとしたら、きっと人類は長期的には原発の何だかよくわからない怖さに耐えられないと思う。そして、人類はきっとより新しくて、優れたエネルギーの源を探し続けると思う。まあ、今ある原子力は、長い人類の歴史の中でたった数十年しか使われていないし、「今あるベスト」に過ぎないし、きっとまだ「正解」じゃないよね。

結局何が言いたいのかというと、

  • 暗闇に対する恐怖の反応がなければ、人類は早く絶滅することになるから、「一般人」にとって、よくわからないものが恐ろしいというのは本能的に避けられないし、生物として自然な防御反応だと思う。
  • 一方で、そういう恐怖を克服し、科学的根拠や、論理的正当性によって行動できる「識者」がいなければ、人類は進歩しないと思う。
  • ただ、「お化けなどいないから大丈夫」「お化けがいたらどうする」といった、相手の立場を尊重しない議論をしても、お互いの考えを変化させることはできないと思う。きっと、原発を感覚的に理解できるものに変化させるか、原発以外の何かを見つけることが、僕たちにとって大事なんだと思う。

そんなわけで、原発に限らず、本能的な人や科学的な人が、相手の立場の違う人を不用意に批判したり見下すようなことがもっと減るといいなあと思っています。

明治大学 「留学のすすめ」 講演動画

去年やった明治大学の授業「留学のすすめ」で行った講演の動画がアップされているのに気づいたので、共有しておきます。

大学1年生ぐらいをターゲットに、留学についての考えを説明しているものです。留学に興味がある若いみなさんのご参考までに。ところどころ、明治大学しかわからないようなネタもありますが、それはお許しを。

ちなみにボストンで夜中の3時ぐらいからビデオ会議でやってたので、他の動画に比べると画質も悪いし音声も聞きにくいしテンション低いかもしれませんが、夜中の3時から講義させる明治大学が悪いと思います。

リンクはこちら!

新年のご挨拶

今年は喪中につき、寒中お見舞い申し上げます。

もう2012年ですね。アメリカに来たのが2006年ですから、アメリカ生活ももうすぐ6年です。そろそろ、日本の詳しい事がわからなくなりつつある気もしますが(笑)、今後も見捨てずにいて下さいね。

さてさて、ボストンの今年の冬は比較的あたたかくて、雪も積もっていないので、すごしやすいです。このまま暖かいことを祈るばかりです。

年明けは、暖かい南に逃亡することも考えましたが、結局娘が小さいということもあってあまり外出しませんでした。で、何をしたかというと、家族でずっと一緒に過ごしながら、大掃除ということでアメリカ生活でたまりきったモノを捨てまくり、ついでに「冬のソナタ」をついに全部見てしまいました!地味ですけど、楽しかったです~。

去年は結局ブログをほとんど更新できませんでしたが、今年はもうちょっと書いていきたいと思ってます、いまんところ。

今後とも、愛の日記をよろしくおねがいしまーす。

2012年1月3日

先日、ボストン・コモン公園にて

若者たち、ボストン来訪

最近、世界一周中という若者がよくGlobespanのオフィスを訪ねに来る。ボストンで働いている日本人は数が少ないので、必然的に僕のところに来ているのだろう・・・あるいは、僕はボストンの観光名所になってきてるのか?(笑)

てなわけで、ちょっと彼らをご紹介。(会った順)

一人目は、太田 英基(おおた ひでき)君。

彼に受けた僕のインタビューはこちら

インタビュー中ほとんどメモしてなかったくせに、お前よく書けたな・・・。

1985年生まれ。サムライ・バックパッカー・プロジェクトという、海外で働く日本人にインタビューしまくるというプロジェクトを立ち上げて、ウェブサイトツイッターで情報発信中。ユウニ湖訪問の写真・動画はすばらしい。

二人目は、三好大助(みよし だいすけ)君。

1988年生まれ。僕が立ち上げた飲茶会に来てくれたという感じなので、インタビューは受けてません。今は世界一周を終えて、バングラデシュで現地大学生と共に教育ベンチャー立ち上げに挑戦しているらしい。気合入りまくりのまっすぐな男。ウェブサイトツイッターで情報発信中。

三人目は、成瀬勇輝(なるせ ゆうき)君。

彼に受けた僕のインタビューはこちら

早稲田大学5年? 彼はボストンにあるバブソン大学(アントレプレナーシップで有名)に一年通って、現在は「世界一周ノマド起業家の旅」を行っている。お辞儀するときに、角度と腕の位置が体育会系。ノマド、アントレプレナーシップの切り口から世界を旅する。ウェブサイトツイッターで情報発信中。

四人目は、渡辺祥太郎(わたなべ しょうたろう)君。

1994年生まれ。世界一周ではないのだが、高校生iPhoneプログラマーだ。高校1年で「借金時計」というiPhoneアプリを作成。「借金時計を高校生が作る」というところがグッジョブすぎる。高校生で、一人でボストンに来て、うちのオフィスまで到達しただけでかなり凄い・・・。彼も、ウェブサイトツイッターで情報発信中。大学はMITに入りたいということなので、このタイミングでボストン視察にやってきた。

てなわけで、思うところ。

僕の感覚からすると、大学生など若い時は時間があるのだから世界一周するのが普通だし、高校生がMITを目指すのも普通だ。僕のまわりは、実際そういう人たちばかりなので、日本の若い人が内向きだとか言われてもさっぱりわからんのですが、僕のまわりがおかしいのでしょうか?(笑)

しかし、ソーシャルメディアは、世界を小さくしたね。僕が20代の時は、世界のどこかにいっても、現地にいる人から直接何かを学ぶなんてできなかった。

でも、今は違う。ボストンにいると、ブログ、Twitter、Facebookなどを通じて、いろんな人からどんどん会いたいという連絡がくる。人脈なんて、すごく偉い親戚なんていなくても、自分で簡単に誰でも作れるようになったのだ。あとは、主体性、勇気と、「情報発信力」さえあればいい。

今の彼らの情報発信力はすごい。ウェブサイトも良く出来てるし、ツイッターも面白い。ちゃんと自分自身の中身で勝負して情報発信し、「面白い」とさえ思ってもらえれば、どこの馬の骨とも分からない若者よりよっぽど人と出会いやすくなるのだ。ちなみに僕の学生世代では、「情報発信力」なんて概念はほぼ存在すらしなかった(アグレッシプなタイプでも、せいぜい変な名刺作って自己アピールしてた程度)。これが、「進化」だなと思うよ。

というわけで、みなさんも、新しい時代を切り開く若きリーダーたちを応援してあげて下さい!

自分が一生やりたい仕事

先日、学生さんに「これが自分のやりたい仕事なのかわからない」という話をされた。でも、学生時代は、そういうものじゃない?全然、心配ないと思うなあ。

考えようによっちゃあ、たとえ新卒の大学生が「自分が一生やりたい仕事が見つかった」と言ったとしても、それは離乳食が終わったばかりの2歳児が「カレーの王子様は世界で一番おいしい食べ物である」というのと同じぐらいかわいい話かもしれないよ。それぐらい、普通は、「知っている選択肢の幅が極めて狭い時点でベストな選択肢を見つける」のはとても難しいものだと思う。

というのも、僕が新卒の時を思い出すと、そもそも世の中にどんな仕事があるのかも全然知らなかった。とりあえずいろんな事をやりながら、たまたま学生時代に働いてたベンチャー界隈が戦略コンサルティングやってた人ばっかりだったから、他に何があるのか知らなかっただけだった。まあ面接では知ったような事を言ったが、カレーの王子様レベルだったと思う。

その後社会に出て数年後、多くの人と交流するようになって初めて、世の中にどんな仕事があるのかが「実感として」わかるようになってきたし、学生時点の圧倒的な見識不足と世間知らずっぷりの中では、フィットした仕事を見つけるなんて、どう考えても無理だったことがわかってきた。

そもそも、ふつーに学力に合わせて高校や大学を選んできただけの学生時代の僕は、「無限の選択肢の中で、自分の人生に関して意思決定をする」という経験がなかった。こんな難しいことを、経験も必要な教育もない状態で、トツゼンやれって言われても普通は厳しいでしょう。

社会人だって難しいというのに、大学生や高校生の時点で、ずっとやりたい仕事が見つけるなんて、よほどの天才か何かじゃない限り、ほとんどの人には無理だと思うんだよね。そもそも、やりたい事がいきなり出来る才能があり、かつ実際にやってみても「やりたい」と思い続ける事ができるとしたら、相当ラッキーだと思う。ま、ぶっちゃけ普通は、気の迷いか、親に言われて適当に決めたとか、当時わかる範囲で決めちゃったとか、常人に関してはその程度の話が普通だと思う。

そもそも、一生やりたい仕事なんて、僕は今もわからない。成長するまで価値が見えてこない新しい世界というものがあるのだから、成長し続ける限りはどんどん可能性が広がり続け、新しい魅力的な選択肢について学んでしまう。そして、知っている仕事の種類も、世界が広がるにつれて、今後とも増えていく。そして、世界は想像以上に広い。

だから、僕の場合は、新しい発見の中で、死ぬまで自分の「その時点で知っている限りでの」ベストを探し続けていくしかないと思ってる。「今やっている仕事だけが全て」って思うと、新しいチャンスを見逃してしまうし、概してチャンスというものは、成長してからじゃないとやってこないし見えてこない事が多い。

だから、それなりにやりたい仕事をやるということ自体はできたとしても、そこで立ち止まらず、「もっとやりたい仕事は無いのか?」、という問いに、これからも、ゆっくりと、いつも悩んでいたい。

それから、人というのは、色々な人に出会ったり、色んな新しい事をやってみることで、自分のことがわかるようになる。「自己分析」なんて、内部を考えてわかるものだけじゃなくて、社会人として歩み続ける中で、外部からの刺激で少しずつ深まっていくものなんだと思う。新卒時の浅い自己分析が面接にどう役に立つかなど、まあ細かい話なんじゃないかな。

それに、目の前のことをがんばって、オープンな気持ちで学び続け、それで新しい挑戦に常に興味を持ち続けていれば、自然に次のドアが目の前に現れるものじゃないかな。現れなければ、それまでかもしれないし、それはそれでいいんじゃない?やりたいことがないなら、それはそれで重要な発見だと思うし。しょせん仕事だし。

だから、まだわからないなら、あせらず、ゆっくり時間をかけていけばいいよ。そもそも、「やりたいことがみつからない」なんて、大した悩みじゃないし。「プレステ買ったんだけど、やりたいゲームがない」って、相談されても、別に困ってないじゃん、って思う。それと一緒。困っているって言うのは、「やりたいことがあるのに、できない」って時じゃないかなあ。

ただね、「足るを知れ」なんて言葉と共に、よりよい人生を模索する努力をやめて、「今やっていることで幸せなんだ」と自己洗脳してしまえば、そこで終わりなんだ。新しいドアが現れても、自分で目を背けてしまう。だから、ぼくはそこはちゃんと考えて生きていきたい。大人ぶって、楽しい人生を諦めるなんて、僕は嫌だなー。

まあ、人それぞれ考えはあるだろうけど、僕個人はそういう風に考えている。人生、そんなに一発勝負じゃないよ。まして、まだスタートラインに立ったぐらいの時点でそんなに焦る必要はないんじゃない?

(しかし、ナメちゃいけないけどね。スタートラインは決めりゃすむが、社会人生活ってのは、始まってからの成長と実績との長期的な戦いなんだ。いうなれば、就職活動は、「受験」ではなく、「予備校の選択」にすぎない。「気に入った予備校に入ったからTOEIC満点確実!」なんて話はないわけで、どんな環境にいようと、入った後の成長と実績だけが自分らしい道を作っていくということを忘れないでいたい。)

てなわけで、まずはやってみて、ゆっくり自然体で悩み続けていけば、それでいいと思ってます。

お茶の出ないお茶会 雑感

photo by Niels Linneberg

先日行った、お茶の出ないお茶会の感想です。

2006年に日本を離れてちょうど5年ほど経ちました。

日本に帰ると実家の近所の様子が変わっていたり、新しい地下鉄の駅があったりして、驚くことが多いです。なんだかすっかり日本との距離ができてしまった気がして、さびしい気分になりますし、「もう日本の皆さんには忘れられちゃったんじゃないか」と思ってしまいます。

そんな中、日本に待っていてくれる人が1人でもいるというのは、とても幸せな事です。というか、講演もあわせると、500名ほどの方に会いたいというご連絡を頂きました(抽選だったので、実際には半分もお会いできませんでしたが・・・)。ちょっと、「今夜だれかご飯たべますか」と声をかけると30人ぐらいがあっという間に申し込んでくれたり、突然の召集に、抽選が当たるかもわからないまま、単に「お茶する」ために北海道から飛行機に乗って来てくれたり。

それと同時に、一人で家路につくとき、みなさんに来て良かったと思って頂けたのか、いつも心配です。わざわざ会いに来て頂いたのに、人数も多くて直接話せるのは良くて数分。がっかりした人も多いのではないかと思い、なんだか申し訳ない気もしています。

ただ、僕はさておき、参加者の多様性が半端ではなく、そのへんの異業種交流会よりもはるかに多様で、ユニークな人ばかり。前向きで、未来にあふれていて・・・。だから、もし僕がつまんなかったとしても、他の参加者の皆さん同士でのつながりを大切にしてもらえればと思います(笑)。

少なくとも僕は、笑顔でアツく夢を語る皆さんや、将来性にあふれる大学生・社会人の皆さんのすごいエネルギーを貰って、元気になって帰っています。

日本にいない僕が、こうしてみなさんに集まってもらえることが、僕にとってどれだけ支えになっているか、みなさんには知る由もないでしょう。でも、僕はこうしてみなさんに支えられて立っているのだな~と実感しています。とっても特別なこと。これだけで、大変なことがあっても勇気がわいてきて乗り越えられそうだ!

そんなわけで、みなさん、ありがとうございます。今後とも、よろしくお願いします。

お茶の出ないお茶会 2011 開催しました!

今更の更新となりますが、7月の日本出張時、お茶の出ないお茶会 2011(僕が世界のどこかに出かけた時やってる、単なるオフ会)を行いました!今回の運営ボランティアは、佐藤あかねちゃん北川くん渡慶次(とけし)くん。どうもありがとう!

今年は、募集から締め切りがかなり短期間でしたが、講演とお茶会6回で200名以上の皆様にお会いさせて頂きました。できるだけ多くの人にお会いできるようとしましたが、あまりに申し込みが多くて、どうしても時間や会場の制約上抽選となってしまいまい、お会いできなかった方のほうが多く、申し訳ない限りです。

とまあそんなわけで、とっても楽しいお茶会でした!

当日の様子は、Twitterで実況されたり、ブログで紹介されたりとしています(内容は重複)

飲み会で個別に話した内容もアップされています。

まとめていただいた皆さん、ありがとうございました!

参考:昔のお茶会

お茶の出ないお茶会 2010年9月 (そのときのお話 by Togetter)

お茶の出ないお茶会 2010年4月 (そのときのお話 by 石倉さん)

*告知ページは非公開にしたので、そちらに頂いたコメントはこちらに移動してあります。

奥さんと不思議な豆

久々のブログ更新なわけだが、久々に更新する時にはなぜか奥さんネタを書きたくなる。そう、すし太郎の時のように。

今回は、世にも不思議な豆のお話です。事情があり、クソ忙しいのに、挿絵も描いてみました。

8月の後半、家族みんなでロンドンに行ってきた。

僕たちは今回、「世界級ライフスタイルのつくり方」で有名な、くろーでん葉子さんの家に泊めてもらいました。それに関するブログも書いていただきました。ちなみに、彼女とは、ツイッターで話しているものの、直接会ったことはないです。今回ようやくお会いできるかな?と思ったら、ちょうどクロアチアに行っているというので、「んじゃ泊めて」と言ったら本当に泊めてもらえたと言う、何その神展開。本当にありがとう。

そんなこんなで、出発当日。行きの空港で、奥さんが「売店で前から欲しかった靴下を見つけた!買いに行きたい」と言い出した。

「急いでいるから早く行ってきてね」

奥さんは走って売店に行き、息を切らせてギリギリに戻ってきた。

奥さんはなぜか靴下を買ったつもりで「ひざあて」を買ってきた。奥さんは間違え方のスケールがいつもでかい。ちなみに、人間としては相当小さい。

しかし奥さんは転んでもただでは転ばない。ついでに何か買ってきた。目をキラキラとさせて。

「すっごく面白いものを見つけたの!」もったいぶりながら、嬉しそうに茶色の紙袋を開くと、そこには透明のプラスチックケースに収められた豆っぽいモノが入っていた。

「・・・ナニコレ?」

「Jumping Beans(飛ぶマメ)だって!そこの売店で売ってたの!すごいんだよ!動くんだよ!」と興奮する奥さん。

見てみると・・・確かにカタカタと動いている!!!ナンダコレ!

↓動画はこちらをどうぞ

なんか不思議な形の豆が、透明のプラスチックケースの中で動き回り、ケースに当たっては、カチャカチャと音を立てている。

すげー。これ、どうやって動いてるの?」僕が聞くと、

「知らないの。Jumping Beansって何?って売店の人に聞いたら、Jumping BeansはJumping Beansだって言われた。これ、すごくない?不思議じゃない?」

この不思議な存在によって、奥さんの中の「メルヘンスイッチ(仮称)」がオンになったらしく、奥さんはこのビーンズ君たちを異常にかわいがり始めた。

僕が、「こいつが何で動いているのか調べようよ」というと、「あなたはすぐそういう夢の無いことをしようとするのよね。わかんないのが楽しいんじゃない。静電気かな~磁石の力かもな~不思議~♪」と、取り合おうとしない。

そして、古賀家とビーンズ君たちのロンドンでの共同生活が始まったのだった。

朝を迎えるたびに、ビーンズ君たちはカチャカチャと音を立てて僕たちを迎えてくれた。奥さんは家を出るたびビーンズ君たちに挨拶し、観光から帰って家に着くと、カチャカチャと出迎えるビーンズ君たちに喜んでいた。「新しい家族だ」そう言って、奥さんはビーンズ君たちを日に日に愛でるようになっていた。

・・・だが。

僕は知りたかった。こいつは一体、何なわけ?大体、永遠に動くはずがないし、一家の主として、奥さんが家族とまで言って愛している彼らの正体を知らずにはおれん。

すまん、妻よ・・・僕はこっそりと調べるッ!

ウィキペディア先生・・・・カモン!

そして、奥さんの知らないところで・・・彼らの正体が判明してしまった・・・

Wikipedia より:

メキシコトビマメとは、蛾の幼虫に寄生された種子が生きているように動き回るメキシコ原産の植物である。

これは、ヤバイ。

生き物が入っていた。それはいいとしよう。なんとなく予想通りだし。それが幼虫だった。まあ、それもいいとしよう。

問題は、このヒトである。

なんでかっつーと、世の中に奥さんが死ぬほど嫌いなものが二種類あり、それは、

だからである。

まあ、ゴキブリが嫌いな女性というのは多いだろうが、それと同じレベルで嫌いであるということは、まあ多くの女性にとってゴキブリが中に入っていたのと同じと考えて頂きたい。ちなみに今回、写真ではなく挿絵なのは、本物の写真を入れたら奥さんが倒れるからである。

僕は秘密を知ってしまったわけだが・・・奥さんは相変わらずビーンズ君に愛情を惜しみなく注ぎ続けている。

「おはよう♪ビーンズくぅん」

お前それ、だぞ。

「家族が増えた!」

お前それ、だぞ。

おでこに乗せている。

お前それ、なんだぞ。

かくして、僕は奥さんの「正体を調べるな」と望みもあって真実を言うこともできないまま、アメリカに帰国する前日を迎えた。

僕は聞いた。「君、それアメリカに持って帰るつもりなわけ?」

奥さんは、「当然じゃない。」と気にも留めない。

「君、それ、いつまでも動き続けているわけじゃないぞ。どうするつもりなんだ。」

「何、その言い方。あなた調べちゃったのね!なんでそんなつまんないことするの!あなたってほんと、そうよね~」

「本当に正体を知らなくていいんだな?本当に持って帰るんだな?」

「うん。家族だもん。」

・・・待てと。・・・ここで持って帰るということは、このヒト、そのうち、豆から出てくるわけですよ。マジで。そうなったらたぶん地球は崩壊する。

僕は、渾身の力を込めて言った。

「知らんぞ。」

知らんぞ・・・知らんぞ・・・知らんぞ・・・

僕がそういった瞬間、奥さんの中で何かが一気につながったらしい。

→知らんぞ

→いつも面白がるだけの夫が異常に警戒中

→何かがおかしい

→危険

→地球上で危険といえばゴキブリか蛾の二つ

→ゴキブリが入っているはずはない

→蛾が入っている

その瞬間、奥さんは

・・・投げた。

何の罪も無いビーンズ君は、壁に打ち付けられ、部屋の床に落ちて、さびしそうにカタカタ言っていた。

それを見た奥さんは、

「そんなの、家族じゃない・・・」

と、震えながらつぶやいた。

お前が一方的に家族って言ってたくせに何と言う勝手な・・・

「どうするんだよ、これ。逃がそうか」と僕は尋ねた。

「外のゴミ箱に捨ててきて。外来種をイギリスに蔓延させるのはイギリスにとって良くないから。じゃ、あなたお願いね。」


・・・こうして、何の罪も無いJumping Beans君たちは、家族ばりのステータスを手に入れた後、哀れな末路を辿ったのでした・・・

くろーでん葉子様。今まで言っていませんでしたが、捨ててもらったであろう家の外のゴミの中には、大西洋を渡ってまでやってきた、ビーンズ君たちが入っていました。後になって考えてみると、その処理、何にも関係無い君にしてもらいました。アイ・アム・ソー・ソーリー・・・

敬具