ゲーム業界あれこれ

■ カプコン訪問

僕が軽いゲーマーであるせいか、ゲーム関係で人と話をすることが多い。

先日は、アクセンチュアのサンフランシスコオフィスの方に、ゲーム業界の人を紹介して欲しいと言われてまたカプコンUSAのお友達のところにお邪魔してきた。受付でStreet Fighter 4をやってから、ゲーム業界の動向についてディスカッション。

日本のゲーム会社の調子はよく、不況にも関わらず、去年のクリスマス商戦は過去最高の成績であったようだ。一方で、アメリカのゲーム会社はかなり調子が悪く、軒並み赤字。一般論として、なんでか、という話になった。

  • ゲームは映画と一緒で、事前のマーケティングにかなり売上が影響される一方、大ヒットと大失敗に分かれやすく、コストを管理が難しい。しかし、日本のゲーム会社は工程別の細かい指標管理などを徹底するのが得意。また、ゲームデザイナーを社内に抱えているので管理しやすい。
  • 一方、アメリカの会社はプロセス管理作業がゆるくコスト高な体質である。外部のゲームデザイナーを使っているので、面倒な指標分析などを導入するのは嫌がられるのかも。
  • アメリカのゲームは、ライセンスフィーを払って有名コンテンツを外部調達するケースが多いため、需要予測をはずすと赤字になりやすい。例えば、ハリーポッターやメジャーリーグのような超有料コンテンツホルダーに対し、かなりのフィーを頭金(+売上ベース)として払っているので、不況で需要が売上計画を外すと赤字になりやすい。
  • 一方、日本のゲームは、コンテンツが自前なのでむしろおもちゃメーカーなどからライセンスフィーをもらう側(もちろんファイナルファンタジーのように、自社で製作までしちゃう場合はライセンスフィーは入らないだろうが)。外部コンテンツ頼りのゲームではなく、ゲームの質がコンテンツ資産を作っているという構造なので、安定感がある。

僕の印象としては、アメリカのゲームメーカーは、コンテンツを購入して、外部に開発させ、失敗リスクを分散させることで利益を生み出すファイナンス企業という印象。一方、日本のゲームメーカーは職人によるものづくり企業という印象です。いざとなると強い。

話していて思ったのだが、今後興味深いのがWiiの動向だ。ゲーム開発には数年かかるので、今ではなく数年後に、ゲーム本体が市場でいいポジションを確保している事が重要。Wiiはどちらかというとメインストリームのゲーム機というより、「おもちゃ」というポジショニングである気がする。おもちゃは短期的に飽きられる可能性があるため、今後Wiiがどのように成功できるかは、ゲーム会社にとっても重要となるだろう。Nintendoが、Wiiを低コストだけど大抵のゲームではGood Enough、というポジショニングでこのまま飽きられるまで引き伸ばすのか、Wii 2を出してPlaystationとXBOX 360を追い詰めていくのか、興味深いところだ。

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■ NeuroSky

先週、友達がサンフランシスコのGame Developer Conferenceのチケットをくれたので、遊びに行ってきた。ブースが大盛況のNeuroSkyのCEOのStanley Yangさんにもご挨拶してきました。彼は僕の好きな「便器精神論」の提唱者である。便器精神論についてはまたいつか・・・。

NeuroSkyはね~、以前も書きましたが結構注目してますよ。NeuroSkyは低価格の脳波測定のヘッドセットを作っているメーカー。医療用の脳波測定機器はかなり高額なのだが、NeuroSkyは安価なスピーカーホンみたいなのをつけるだけである程度の脳波が測定でき、普通は必要となる肌につけるジェルも不要だ。どちらかというと、測定技術が得意というより、ノイズリダクション技術が優れているので結果として測定が出来ているという印象。医療業界に直接勝負できるような品質ではないが、ビジネスとして適用可能な領域を模索しながら、「集中」とか「リラックス(無心?)」みないな脳の動きは拾えている模様。今後、性能を向上させながら、より大きな市場へと階段を上っていく「新市場型破壊」(By クリステンセン先生)の典型パターンだ。将来的には、数百万円必要だった脳波測定機器の大部分の用途が、10ドルのヘッドセットで賄えるようになるとしたら、脳を研究する障壁が大幅に下がるので、新しい研究成果に結びつく可能性もある。そういう意味で、将来に期待している。

現時点では、NeuroSkyはハードを提供するだけで、アプリケーションの開発はしていない(SDKを提供しているだけ)。これは、「どういった分野で実用化されるかは、お金を使いたい人に任せる」というアプローチであり、どの分野が有望であるのかNeuroSkyにもわからない時点で利益を出す戦略としては賢い選択肢だ。これもクリステンセン先生の「創発的戦略」ってやつですね。

まずはゲーム・おもちゃ業界が興味を示している模様。Square-Enixがゲームのデモを作っていて、長蛇の列が出来ていた(1時間待ちとかになっていたらしい)。あと、スターウォーズの「フォースでボールを浮かせる」おもちゃとかも展示されていた。

これからの成長が楽しみなベンチャーだ。

あ~そろそろXBOX 360買わないといかん。MicrosoftのXBOXに先日エグゼクティブとして転職したscanRの友達に「アメリカでエグゼクティブとして転職するレジュメの書き方」について教えてもらった時「お礼にXBOX買え」と言われた。だから、仕事上の付き合いで買わなきゃいけないのですよ。いやー残念。なんかGold会員とやらにしてくれるらしいけど、残念。

落ちこぼれの学歴論(3):猫にえさをあげる不良となれ

有名大学を出なかった人には、ものすごいアドバンテージがあるということを、忘れてはいけない。僕の「中学生の不条理理論」をよう聞いてほしい、われらがアホ同士よ。

優等生のA君:成績優秀、学級委員長、先生にはいつも褒められる。

  • A君が、もしタバコを吸うと、女子は「あの子、あんなに優等生ヅラしてるのに、裏でタバコすってたんだよ。きもちわるーい!」となる。

不良のB君:成績オール1、スポーツは喧嘩のみ、停学上等、タバコを平然と廊下で吸う。

  • B君が、もし誰にも見られていないような街角で、猫にえさをあげていたら、女子は「B君・・・いつもは乱暴なのに、実はとてもやさしい心の持ち主だったのね。ぽっ。」となる。そして、不良は、「良くない」のになぜかモテる。

うーむ、不条理だ。A君が猫にえさをあげていても、周りの評価は上がらないのに、B君があげると、あたかもヒーローのように扱われる。一方、B君はタバコをすって当たり前なのに、A君が吸うとなぜか悪者扱いだ。この不条理は、相手の期待値コントロールの重要性を物語っている。

しかし、これは仕事でも通用する。

  • 東大生のA君がもし仕事でもたつくと、「なにA君ったら、東大なのにあれぐらいしかできないじゃない。意外と大した事ないのね。」となる。
  • ところが、われらが仕事で結果を出すと、「B君、X大学なのに(≒バカなのに)、司法試験に合格したんだって!かっこいい!」となる。

そう・・・われらは、できなくても怒られないが、できると褒められるという、不条理にすばらしいポジションにいるのだ!

だから・・・

勇気を持て!

剣を持て!

立ち上がれ!

戦え!

負けても「バカですから」で済ませろ!(ヒント: 済む。)

そして、勝つまで戦え!

あとは、ひとつでもできることがあったら、他のこともできるような顔して突き進むんだ!

  • ちなみに、僕は半端ではなくスケールの小さいことを言っているので純粋な人は僕がイタい事を言っているという事実をそれなりに認識しましょう。

キャリアパスを振り返る(第一話): ココイチバイト

学歴の話をしたら、昔のことを色々考えるって面白いと思ったので、ついでに書き進めてみよう。

大学に入ってからは、することもないので、家から近くて時給の高いバイトを探してみた。そしたら、新宿駅で時給1500円の深夜のバイトを発見。カレー屋のCoCo一番屋というチェーン店が新宿駅前に24時間営業の新規店をオープンするということで、新しいモノ好きの僕は新規スタッフとして参加することにした。

新宿。深夜。その時点で、面白そうだ。

カレーの味が差分でわかるようになる

さて、深夜シフトは長時間労働になるので、連日バイトしたりすると、一日三食カレーになる。毎日、同じようなカレーばかり食べていると、本当に飽きてくる。それで、こっそりカツカレーのカツと、生卵を電子レンジにかけて、カツどんを作って食べたりしてしまうのである。

飽きるというレベルを過ぎると、不思議なもので、味がしなくなってくる。その際に気づいたのが、別のカレーを食べると、「差分」だけの味がわかるのだ。例えば、「あ、これ、トマトの味がする」みたいに、ルーの中の素材の微妙な違いがわかるようになった。ちなみにこのスキルが人生で役に立ったことはない。

ヤクザが多い

夜の新宿にはあぶない人もやってくるのが面白い!一度、ヤクザがやってきて、「卵」を注文してきた。というわけで生卵を出したら、ヤクザのおじさんは「なぜゆで卵ではないんだ、ゆで卵を出せ」と、ものすごいキレてきた。

社員さん「すみません、うちでは生卵を出しているんですよ・・・」

ヤクザ「知るか!カレーに卵といったらゆで卵に決まっているだろう!うちではそうだったんだコラァ!」

僕「(プッ・・・、おまえのお母さんのカレーなんて知るか!)」

ちなみに、別の日にもなんか僕が入る前にヤクザがナイフをもって暴れたみたいで、ナイフをカウンターにさした為にカウンターに傷がついていた。理由は忘れたけど。すごいなーヤクザさんは。

パトカーが多い

よくピーポーいってます。

酔っ払いやホームレスが多い

たまに夜に仕事をあがると、新宿あたりには酔っ払いがウヨウヨいる。ある日、終電前の新宿駅前で、酔っ払いがからんできた。まあ喧嘩になったら勝てば良いわけで、びびらずちゃんと話を聞いてあげた。しばらくすると、酔っ払いのおっちゃんがホームレスの集団のところに僕をつれていって、彼らを罵倒し始めた。そのホームレスの人は明らかにプロのホームレスで、髪も長く、言葉もしゃべらないが、こちらの話は理解しているようだ。なんとなく、家族に持って帰ろうと手に持っていたお土産のカレー(まだあつあつ!)を、「おっちゃん、いる?」とホームレスの方に差し出したら、黙ってうんうんとうなずいて、食べ始めた。横でダンボールにくるまっていた別のホームレスの人が、「にいちゃん・・・ありがとうな・・・」とつぶやいた。

へんなバイトが多い

休み時間中に寝ていると、ライターであぶられて起こされたりする。

ナンパしている人が多い

休み時間は深夜2時から深夜4時の2時間取らなければならなかったので、必然的に暇つぶしに外に出ることになる。

なぜか、終電が終わったのに、靖国通り沿いの信号には若者たちがまだあふれかえっていた。様子を見ていると、信号が変わると、女のこのところに男が寄っていって、がんばってナンパしている。さらに様子を見ていると、「バカだなお前!今の子は絶対行けたんだよ。一瞬立ち止まっただろ、あれは気が弱い証拠なんだよ。あそこで押さなきゃ駄目なんだよ。」と、プチ反省会をしていたりする。すごいプロフェッショナルだなあんたら。

へんなお姉さんが多い

そんなナンパしている彼らを観察して横断歩道の前でたたずんでいると、お姉さんがこっちを見ている。ヘビメタやっている人みたいな格好で、黒のレザージャケットに金属がジャラジャラついていて、なんか怪しげな長い毛のマフラーが垂れ下がっている。化粧がすごすぎて何歳なのかもわからない。こっちをまだ見ている。やばい、なにあの人。あれ、こっちに向かって歩いてきた。ひぇ~、と思いながらも、冷静を装う。

お姉さんは僕の横で立ち止まる。タバコを口からはずし、顔を上に向け、ぷぁ~っと煙を吐き、僕のほうを見下したような目線で、一言。

「ヒマなの?」

ちなみに、YESというと、どんな世界に連れて行かれるのか全く予想がつかないので、「いや、仕事だから」と返事しておいた。今でも、あそこで「ヒマだ」と答えたら何が起こったのかわからない。きっと闇の組織に売られたんだと思う。

おばさんが街角に立っている

歌舞伎町の裏を歩いていると、ハンドバックだけを持ったおばさんが路地に立っている。少なくとも当時19歳の僕の年齢の2倍はある。

おばさんがこっちを見ている。

すごく見ている。

まだ、見ている。

そして、僕が横切る瞬間、一言。

女?」

とりあえず、お金を頂けてもそれだけは許して欲しいと思った。

まあ、そんなのが、東京っ子である僕らしいビジネス・キャリア第一歩である。

※ ちなみに、第二話があるかどうかは、わかりません(笑)。今の仕事までの道のりが遠いので・・・気が向いたら書こうかな。

奥さんの悲鳴

午前中はネットワーキングのメールなど送ったり、明日のカプコンの方とアクセンチュアの方とのネットワーキングを仲介したりしてすごす。

午後は、Rakuten USAのシニアヴァイスプレジデントのMさんが出張で西海岸にいらしていて、だべりましょうというメールが来たのでカフェで会話。特にこれといって話すことがあるというより、単なる挨拶なので、軽い感じで楽天の最近のパフォーマンスや国際戦略について、またシリコンバレーのトレンドなどについて一通り語り、一緒にビジネスやりたいっすねーみたいな話をぼちぼちする。

そのあと、オフィスが近所のJAFCO AMERICAのS社長とお茶しましょうということになって、日米のベンチャー投資の違い、ベンチャーキャピタルのアセットクラスとしての存在意義などを話してから、アメリカのベンチャーの日本向けビジネスデベロップメントにおける商社的スキルの重要性、キャリアアドバイスをしてもらう。シリコンバレーの日本人ベンチャーキャピタリストは大体お友達またはお師匠様なのだが、中でもSさんのアドバイスは本当にキレがあるので、すっごく尊敬している。

で、家に一旦帰り、庭のレモンをとって、皮をくりぬいて、奥さんの大好きなオカレモン(岡村隆志さんがバラエティ番組でやるキャラクター)を作って奥さんにプレゼントしたら、見せた瞬間「キャー!!!」と悲鳴を上げた。

我が家のキッチンテーブルにたたずむオカレモン

それを確認してから、荷物をまとめ、今度はハーバードの起業家仲間がディナーに行こうと言ってきたので、パロアルトのダウンタウンへ。彼が立ち上げたベンチャーの状況などについて話をして、夜の9時にようやく家に帰る。これから、まだまだ仕事だ。

ちなみに、忙しいからくだらないことをしない、というのは妥協であり、許されない。

落ちこぼれの学歴論(2):偏差値30台からのハーバード

前回の続き、ということで、明治大学に入れた奇跡について思い出してみた。

僕が大学受験していたころ、「偏差値40からの予備校」、というテレビコマーシャルがさかんに流されていた。高校3年生の僕はそのCMを見て、自分には関係ないな、と思っていた。なんでかというと、総合の偏差値が40なかったからである。もちろん「偏差値40からの予備校」という表現は、偏差値が最低クラスの40の人ですら入れます、と言っているわけで、僕はそれ以下であった。高3で受けた模擬試験の偏差値は、英語が40台、国語が30台、社会が30台で、総合が30台であった。たぶん、類を見ないバカである。

無計画な高校生活

高校時代は、スポーツとかものを作るのは大好きで、体育も美術もほとんど5段階で5しか取ったことがないが、「勉強」科目となると全部3以下だった。勉強がつまらない。だから、やってもできない。高校の通信簿には「このままでは卒業できません」と書いてあった。やってもできないのでより興味を失い、朝バスケして、高校で寝て、またバスケに行って、家に帰る生活を繰り返していたら浪人した。

無計画な科目選択

5科目も勉強できないので3科目の私立を受験することにした。文系にしようか理系にしようか迷った時は、家に兄が勉強した政治経済の参考書があったのでこれでいいやと思い文系にした。で、社会の選択科目にどうせ政治経済を選ぶなら、政治経済学部だけ受験しようと思った。

(社会を政治経済で受験できる大学が少ないことを知らなかった。この時点で慶応や上智といった選択肢は消滅)

無計画な勉強プラン

浪人時代もバスケばかりで勉強は進まなかったが、冬が近づいた10月の末に、「そろそろ勉強しないとどこの大学にもいけない」というゆるぎない事実に気づいた。それで、学習計画なるものを立ててみた。すると、今からどうがんばって勉強しても全く間に合わないことがわかった。そこで、全く面白くない英語は科目ごと捨て、国語と政治経済の勉強を始めた。

(英語の配点が高いという事実を受験するまで知らなかった。この時点で総合点が大きく低下)

ただ、面白いことだけはアタマに入ることを発見

予備校の単科授業をようやく受けてみたが、落ちこぼれの僕にはさっぱりだった。お金がもったいないので、授業が終わってから先生にくらいつき、片っ端から質問していった。毎回先生としつこく話をしているうちに、そのうちにけっこう国語と政治経済って面白いじゃんという事実に気が付いた。そこから、変化が起こった。なんと、面白いとけっこう頭に入るではないか。あとは、とにかく寝る間も惜しんで勉強した。焦りでがんばったところもあったが、面白いと思うと集中力が続いた。やはり政治経済は教科書の最後まで行かなかったが、出題頻度が低いところなので捨てた。最後に受けた模試では、英語は偏差値40台のままで、国語と政治経済は80台だった。結果、政治経済の試験でやってないところばかりが出た早稲田以外は、ほとんど合格した。

そんなわけで、授業で先生に当てられて「わかりません」ばかりの僕が明治大学に受かったのだから、高校のクラスメイトも驚きの奇跡だったのである。

落ちこぼれの学歴論

結局何がいいたいかというと、「どうして古賀さんは明治大学なんですか?」と聞いてくるような人にはわからない世界がある、ということである。

  1. そんなに記憶力や応用力もあるすごい人ばかりだったらみんな東大生である。
  2. 全般的に記憶力や応用力がなくても「楽しいことだけは意外とできる」という脳の構造の人もいる。東大に入れる学力がなくても、好きなことができる人になれば、力を発揮するチャンスは残されているのだ!
  3. バランスが悪い弱みだらけの人は、強みにフォーカスして総合力で突破する以外に戦略がない(英語ができなくても他でカバーするとか)。この方法で、バランスよく全部できる人に勝つのはきついが、自分に厳しくできる忍耐力があればある程度まではいける!
  4. 「偏差値40からの予備校」に入れてもらえなかった人でも、「ハーバードのMBA」は入れてくれた。バカに失うモノなし!やってみなければわかりません。

そんなわけで、コメントくれたにょさん、証券マンさん、カヲリさん、そして全国のおばかさん、自分の母校を誇りに思って、母校のためにも、楽しくがんばってやりましょう。

落ちこぼれの学歴論(1):「何で明治大学なんですか?」

(学歴ネタなので、興味ある人は少ないと思いますが・・・)

「すみません、古賀さん。本当に、失礼なことを申し上げるつもりはないですし、怒らないで聞いて欲しいのですが・・・どうして古賀さんは明治大学なんですか?

昔、内定を頂いた某経営コンサルティング会社(行かなかった)の役員の方から受けた質問。

実はこれは、僕の人生において、しつこいぐらい何度も聞かれた質問である。

まあ、遠まわしに「どうして古賀さんは東京大学ではないのですか」と聞いているようなものである。明治大学のホームページで連載を書いちゃうぐらいに紫紺魂(明治大学のカラー)に染まった僕としては、確かに気持ちのいい質問ではないが、現実的に僕の周りには東大生ばかりなので、こういうのは慣れっこである。

新卒の戦略コンサルタントにも、100年の歴史があるハーバードのMBAでも、明治大学という学歴は前例がなく、東大生が圧倒的に多い世界なので、世の中はけっこう「東大かそれ以外か」に分かれているのかと思うぐらい、東大ネタはいろいろと僕の周りでくすぶっております。

例:同期との会話

コンサルティング会社の内定式に、同期のリストを見た。300人もいるのに、さびしいことに、明治大学はぼくのほかに一人もいなかった。僕の前のやつも、後ろのやつも、みんな東大生だった。東大生同士仲良く話している中、なんだかさびしい・・・。そこへ、初対面の同期が話しかけてきた。

同期「君も東大生?

僕「(耳を疑って・・・)いや、明大生だけど・・・。」

同期「メイダイって何?名古屋?」

僕「明治大学。」

同期「へえ、明治大学ってメイダイっていうの。で、君はどこの部門に配属なの?俺、テクノロジーグループ。」

僕「戦略グループ。」

同期「げえええー、まじで?俺は入れなかったのに、明治大学でも戦略グループに入れるの?じゃあ、俺もがんばれば戦略グループに異動できるかもしれないね!」

僕「ははは・・・、大丈夫じゃない?」

文章にするとわかりづらいが、全く悪意なく、無邪気に言われると、怒るわけにもいかない。でも、このとき人生で初めて、「ああ、東大生じゃないって面倒くさそう」と感じた。

例:上司との会話

上司「古賀、全然悪気があるわけじゃないんだけどさあ、おまえ良く明治大学からうちに入れたね。」

僕「ええ、採用担当者が間違えたんじゃないですか?そもそも就職活動ではこの会社しか受けなかったのに、書類提出するの忘れてて、期限の前日の夜から書き始めた小論文はドラえもんの4次元ポケットについて書きましたよ、ハッハッハ。」

上司「はー?お前、バカじゃないの?」

僕「だから明治なんじゃないっすか。」

このころになると、学歴ネタへの返答もなれたモノである。

例:顧客との会話

経営コンサルタントとして仕事していると、お客さんも東大生が多い。お客さんの会社のミーティングルームで、僕とA部長が事業をまたがる戦略について議論しているとき。

A部長「いやぁ~、古賀さん、あのB部長はぜんぜんダメで参ってるんですよ。バカだから。」

僕「ははは」

A部長「あのB部長、明治大学出身ですからね。やっぱり東大は出てないとバカですよね、古賀さん。」

僕「いや~どうっすかね?」

40すぎた人がこういう事言うのにも驚いたし、学歴信者の人って根強くいるんだなぁと思った。僕はここで「僕も明治で~す」といったら空気的にとんでもないことになり、僕の仕事に支障を来たすので何も言わなかったが・・・。(注:東大卒の普通の皆様はこんなこと言いません)

本題

さて、本題に戻るが、「どうして古賀さんは明治大学なんですか?」と聞かれたら、どう答えるか?

答えなんて、「他のところに落ちたから」に決まっている。でもこういう質問をしてくる人は、純粋になんでこんな「エラー」が起こったのかわからないから知りたいのだ。僕のような人間が目の前にいるはずがないのだから、何かがおかしい、よって納得できる説明が必要である。ので、こう答えている。

「受験勉強には意味がないと思っていたので、

時間を使うのが無駄だと判断しました!」

これを言うと、ちょっと空気が凍る。「上から目線に対し、さらに上から目線で語る」みたいなもので、学歴を重視している人に対して「受験勉強に時間費やす人ってバカですよね~」と反撃しているようなものだ。なので、「でも学歴って大事ですよね。若かったんだと思います!」と、付け加えるようにしている。

ただ実際のところ、やっぱり僕には東大なんて入れないと思うし、入れる人は本当にすごいし、カッコイイと思うよ。僕が、何倍も何倍も努力しないとできないことが、簡単にできちゃうんだから、本当にうらやましい。

この会社の場合は僕に内定をくれたので、僕のことを評価してくれているからこういう発言になったという意味では光栄なのだが、みんながみんな東大に入れるわけじゃないわけですよ。普通は科目によって得意・不得意があるし、僕のように、興味がないことをいくら努力しても記憶できないという脳の構造をもった人もいっぱいいると思う。僕がたまたま興味があったのが、経営だったから、驚くんだろうなあ。

でも、人生、好きなことが得意だったらそれでいい、と僕は信じているので、学歴については気にしないし、MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)、それ以外の学校のみんなにも、思いっきり胸を張っていて欲しい!楽しくて、得意なことをやれば、人生なんとかなるに違いない。

それに、そもそも僕のような落ちこぼれが明治に合格するなんてことは僕にとって奇跡に近い出来事で、恥ずかしいどころの話ではない。今でも明治のようなちゃんとした大学に入れてよかったと思っている。僕の高校時代を知っている人は、僕がまともに大学に入れたのに驚いていた。

それについては、また今度。

プライバシーはどこへ

僕はプライバシーを気にせずに、比較的何でもここに書いてしまうが、なぜこんなに僕のプライバシーはゆるくなってしまったのだろうか。

よく考えてみたが、これは友人による影響が大きい気がする。

東京の実家の8畳の僕の部屋は、小学校時代の友達、中学校時代の友達、高校時代の友達、大学時代の友達、外国人(まだ日本語が上手に話せないとか、まだ友達がいないという留学生)などがなんかごちゃまぜにやってきて、勝手に友達になって遊んで帰っていくという、無国籍たまり場であった。一応、僕は部屋の主人であったが、友達が来るとなぜか眠くなるので、客が誰であろうと放置して寝る(本当)。そのせいか、「勝手に来て勝手に帰る」というのが日常化しはじめ、しまいにはインターホンを鳴らさず勝手に僕の部屋にあがりこむのが当たり前となり、家に帰ると勝手に友人があがって漫画を読んでいたりして、「あ、来てたんだ」みたいな状態が普通となった。

オレゴン大学に交換留学したときの僕の寮のせまーい部屋でも同様で、人が勝手にやってくる。授業が終わって帰ったら女の子(恋人でもなんでもない!)が僕の布団で勝手に寝ているとか、人が勉強している横で無許可で寮のスポーツ観戦パーティが行われているとか、僕がいない間に僕の名前でピザを頼んだりするもんだから初めてかけたピザ屋に僕の電話番号と住所が登録されていたとか、冷蔵庫のモノが勝手に消えているとか、さらに「冷蔵庫をあけたがペプシがなかったのだが」と苦情を言われるとか、女の子でも夜に電気つけて勝手に入って来るのでパンツ一丁とかで寝られないとか、ドアにかぎをかけるとそのうち「ガリガリ」とドアで音がしはじめ、見てみると誰かが針金で鍵を破ろうとしていてぞっとするとか。もうメチャクチャ。

やつらは、僕のモノは自分のものだと思っているようで、遠慮を知らず、机の中まで勝手に見る。寝ていようが起きていようが、部屋が片付いていようが散らかっていようが、予告なく現れ、勝手に僕のものを使っていく。僕に聖域は残されていない。そのうち、隠してもどうせばれるというあきらめがうまれ、どうでもよくなってくる。結果として、プライバシーというものの感覚がほとんど失われていった気がする。

僕が被害者であるのか、僕がおかしいからなのかよくわからないが、家族もいるしそろそろプライバシーとか気にするとかっこいいのかも知れない思う今日この頃である。

余談ですが、僕のプライバシーと引き換えに、勝手に僕の部屋で出会い、幸せになっていく人もいます。僕の小学校の友達と、大学の友達が婚約したという連絡が昨日はいりました。僕の小学校の友達と、僕の韓国人の友達の国際結婚も実現しそうです。どうぞ、勝手にしてください。

P.S.

検索ワード入れ続けるのやめない?「古賀洋吉 日本は寒い」です、とか誰やねん。

あと、「古賀洋吉 うんこ」のヒット数が地味に伸びているのですが、あなたたちもいい大人ですのでやめましょう。

シリコンバレーのレイオフと日本の派遣切り

どうでもいいけど、例えばイタリアから、電車で隣のドイツに行くのって、日本語でなんていうの?海外じゃないから、国外旅行?国際旅行?外国旅行?やっぱり、反対語が国内旅行なら国外旅行なんだろうか?東京から沖縄に行ったら海外旅行ではないのも不思議だ。

・・・んなこたぁいいのですが。

カリフォルニアの失業率。2007年の5%、2008年の6%からかなり上がって、2009年1月は10.1%に達したらしい。3月の数字はどうなっているのか気になるが、大きな改善は見込めない。うちの家のおとなりさんもレイオフされたし、最近会った人もかなりの割合で失業中だし、今日は知らない人から「仕事探しています」というメールが2通きた。

とはいえ、ステキなのは、シリコンバレーではレイオフなんて日常茶飯事なせいか、日本のように、「守ってあげないと」などといってNPOを立ち上げたり派遣村を作ったりする人もいなければ、「守ってくれ」とパニック状態で大騒ぎするヘンな人たちもいない。いちいち会社をクビにされたぐらいでパニック状態にはならず、むしろ人々は前向きでケロッとしている気がする。なんというか、みなさん、ITバブルの崩壊も経験しているせいか、けっこう慣れている気がする。

そもそも、失業というのはシリコンバレーが機能する上での大切な仕組み。ここでは新しい事業がどんどん立ち上がる一方で、将来性が危ういと判断した事業はダラダラ続けず部門ごと人材をレイオフしてすぐ撤退する。その結果、レイオフされた優秀な人材はもっと将来性のある事業へと再就職していく。この人材が有望領域に超スピードでシフトしていくという人材の流動性こそがシリコンバレーの競争力の源のひとつなのだろうね。

日本ではどう考えてもお先真っ暗の赤字事業を、事業どころか企業本体が傾くまで続けたがるので競争力を失った「古きよき産業」に人が張り付いたままなかなか離れない。自動車やエレクトロニクスなどの、お客さんがいなくなった「非有望産業」において、仕事もないのに会社に過剰人材を残すのは日本経済にとって大きなダメージだ。

ここは解雇された人や派遣さん側もフレキシブルに新しい分野に挑戦するのが必要になるだろう。例えば、お客さんのいなくなった業界に固執せず、エンターテインメント、輸入産業やコストダウンビジネスなどの不況に強い分野に積極的にトライするとか、これを機に新しいことを勉強するとか。

このシリコンバレーで人材が成長産業にすぐ移動することが経済を立て直すように、再就職活動中のみなさんは日本経済を強くする力をもっています。世界不況下で日本がリーダーシップを発揮しなきゃいけないタイミングなので、ぜひ日本のため、アジアのため、世界のためにも、ぜひ胸を張って転職活動して欲しいと思います!

お食い初め

ちぇん太のお食い初めをやりました。お食い初めっていうのは、赤ちゃんが一生食べ物に困らないように、という願いをこめて、食べるふりをするというシャレたイベントなんだって。

当の本人は、ポカーンとしてるね。

今日はシリコンバレーの経営コンサルタントの方と、プロダクトマネージャーの方と3人でランチ。ごちそうさまでした。日本にアメリカのベンチャーが進出する際のポイントについてディスカッションしたのですが、経営コンサルタントの方は僕のブログをめちゃくちゃ読み込んでいらして、昔の僕の行動まで把握されており、あまりにも僕のことに詳しいのでビビりました。

お前ら・・・

  • 古賀洋吉 日本は寒いです
  • 古賀洋吉 奥さん かわいい 大事に 感謝
  • 古賀洋吉 奥さん かわいい
  • 古賀洋吉 奥さん お茶目
  • 古賀洋吉 朝 韓
  • 古賀洋吉 いつも変
  • 古賀洋吉 検索ワード 気にするな
  • 古賀洋吉 検索ワード まだいける
  • 古賀洋吉 うんこ

なんだよこれ・・・。

ちなみに「うんこ」は、アクセンチュア同期のバカシタ君がやったと思われます。きっとプライベートエクイティで仕事してる人はみんな仕事しすぎてうんこ好きのバカになってるんだと思います。もし違ったらすみません。