Impossible is nothing
気づけばもう年の瀬ですね。2009年は本当に色々あった年でした。
今年は本当にひどい始まりでした。不況の中、慣れない地球の反対側で、いきなり転職活動しなければならなくなって、ビザの問題もあって本当に苦しい思いをしました。ビジネススクールを出たばかりの大切な時期に、家族と学費の借金を抱えて、ゼロからスタートとなって、さすがにプライドのあまりない僕でもへこみました。
でも、無職でHBSを卒業したときも、今年の転職活動もそうでしたが、その時は最悪の経験だと思っていた事が、振り返ってみると、いつも最高の経験になりました。だからこれからも、悪い事が良い事に変わることってあるという事を、いつも忘れないようにしたいと思います。
また、悪い事を良い事に変えるプロセスの中では、勇気を失わないというのが大切だったと思います。僕の場合は幸運にも、どんなに激しく殴られても、アドバイスをしてくれる多くの皆さんと、いつもニコニコの家族がネットのようにダメージを吸収してくれたおかげで、勇気を保つことができたと思います。
フツーの日本人である僕が、海外での就職経験がない中で、やりたいことをやるなんて、不可能に近い事は良くわかっていました。でも、不可能だと思うからこそ、失敗してもいい。不可能だからこそできたら面白い。
数年前に、「Impossible is Nothing」というアディダスのキャンペーンが盛んに行われていました。「Nothing is impossible」(不可能な事なんて無い)の倒置にも取れますし、「The word impossible means nothing」(不可能だという事に意味は無い/「不可能」だから、どうしたというんだ?)というふうにも取れます。いい言葉。
僕は六本木のアカデミーヒルズという自習室に通いながら受験勉強していましたが、山手線車内のモニターに流れるこのキャンペーンを見ながら、自分が海外にMBA留学するなんて、夢みたいな話だけど、不可能だからどうしたというんだ・・・そう思って、苦手な勉強を続けました。
当時からすると、MBAに留学できることはもちろん、海外で仕事をするなんて挑戦ができることも、ましてアメリカのベンチャーキャピタルでディレクターとして仕事できる事も、どう考えてもImpossibleにしか思えない事でした。だけど、夢みたいなばかげた話でも、失敗するまでは、Impossibleとは限らないよね。
まだまだ景気も良くないし、来年も悪い事もあると思う。変化の時期というのはいつも悪く感じるものだけど、きっと良い事に変えていけると思う。
来年も、Impossible is nothing だと思って挑戦して行きます。
みなさん、よいお年を!
- When I was eleven, I had a growth hormone problem. (11歳の時、僕には成長ホルモン障害があった。)
- But being smaller I was more agile. (でも、僕は背が低かった分すばしっこかったんだ。)
初めてコメントを寄せさせていただきます。
いつも楽しく「愛の日記」を拝見させていただいております。全くの赤の他人様にコメントを寄せる事が初めてなのもので何を書いていいのかわかりませんが、ご一読いただければ幸いです。
私は、現在MBA受験を検討しており、いろいろと調べている過程で当HPに出会う事ができました。日本のあり方、海外からみる日本の姿に対する古賀様のご意見にいつも「そうだ。そうだ」と勝手に相槌を打ちながら拝読しております。そして、海外で奮闘されている古賀様の姿にいつも勇気付けられています。古賀さんの記事はすべて読ませていただきました。男性からで気持ち悪いでしょうが、ファンの一人です。
私は証券会社の営業畑で8年ほど勤務しています。海外経験としては昨年の12月までの2年間、シンガポールに勤務しており、隣国のインドネシアの華僑富裕層を相手にビジネスをしておりました。昨年末に帰国して、現在は日本の上場企業オーナーに対して運用提案等を行っています。いったん外から母国日本をた後に、帰国後の毎日の生活・仕事で感じるのは、「本当に日本はこのままではまずい」ということです。顧客である日本の上場法人のオーナーと会話をしていても、同等の危機感をお持ちであることを感じます。個人的には、日本の最大の問題点は「フェアネス」がかけている点だと思います。以前滞在していたシンガポールは、資源が何もない小国(日本と一緒)ですが、公平な税制、海外への門戸を開く雇用制度や国民が安心感を持てる年金制度が、世界中から資金、資産を呼び込む土台となっていました。マチュアなステージに立った日本がとるべき施策は、海外から「日本に投資をしたい。資産をおきたい」とアトラクトできるフェアなシステムの導入が必要と思うのですが、現在政府が向かおうとしている所は、それの真逆で「保護主義、社会民主主義」になりつつあることに危機感を感じております。日本を愛する一国民として、残念ではありますが「早めに国外脱出して、そこで日本のためになる事をしよう」と考えています。
勝手な意見ばかり書いて恐縮です。古賀さんの以前の記事で「愛の日記の方向性」を危惧することが書いておられましたが、ぜひ今後も数々のご意見、情報をご提供頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。