車の故障 & 巨人

なんだか車が変な音がするので修理工場に持って行ったら、ブレーキが壊れていて950ドル(10万円ちょい)かかると言われた。Caliperが割れているから変えないと走れない、roterとpadも限界だ、みたいな話をされるが、こういうとき、はっきりいって僕は車のことが詳しくないので、ハァそうですかとしか言えない。車を修理工場から出せないほど危ない、と言われると、言い値を払うしかなくなってしまう。でも、先日こうして10数万払ったばかりで、また10万か・・・と、がっかり。

そこで、車に詳しいクラスメイトのマットに相談したところ、「おれが一緒に見に行ってあげるよ」と言ってくれた。そして、マットと一緒に修理工場へ。

マット「確かに大事なパーツが壊れているね。Caliperはブレーキをかけるためにとても重要なパーツだから、これは確かに直さないとだめだ・・・。でも、こわれてるのはこっちだけだから、両方直す必要ないな」
修理屋「でも、うちでは両方直すことになっている。何でもペアで修理するほうがいい」
マット「でも壊れていないものを買う必要はないんじゃない」
修理屋「うーむ、でも、うちでは何でも両方やることになっているから。」
マット「RoterもPadもまだしばらく使えるじゃない。なんで換える必要があるの?」
修理屋「でも、普通Caliperを変えたら全部変えるから。」
マット「しかも、Roterだけで200ドルって・・・しかも、こんなの50ドルで買えるよ。」
修理屋「いや、この辺では在庫がないよ」
マット「いや、たった今すぐそこで在庫があるのを確認したから、大丈夫」
修理屋「・・・」(機嫌が悪くなり始める)
マット「このCaliperも500ドルかかるって話だけど、180ドルで売ってたよ。」
修理屋「・・・」(機嫌が悪い)
マット「というか、このCaliper、ピンが一本抜けているだけじゃん。ピンだけ入れてくれよ。」
修理屋「それはできない。うちでは交換はするけど、既存パーツ自体の修理はできないし、そうすると保障もできない。」
マット「そうか。じゃあ、ここで直す必要はないな。ありがとう」
修理屋「わかった、じゃあ早く車を出して持っていってくれ。」

そして、マットは7ドルでピンを買い、「今度1時間で直してあげるよ。かわりに、日本食を作ってね。」と言って、彼はさっそうと去っていった。10万円が800円に下がった瞬間であった。「医者と弁護士の友達がいると便利」と言うけど、車に詳しい人もあなどれないね、などと話しながら、僕たち夫婦は、彼の去り行く車にいつまでも手をふっていたのであった・・・。

さて、話は変わって。

夜はHBSで一年先輩のマット(またマットかよ!って話ですが、すみません・・・)の家にお呼ばれして、ディナーを頂いた。なんかサンクスギビング風(七面鳥&ポテト)のディナーだった。彼は経験なモルモン教のクリスチャンであるので、食事前のお祈りを一緒にやった。「神様、この恵みを感謝します・・・Yoたちと一緒に食事をさせて頂いてありがとうございます」みたいなつぶやきに、僕たちも黙祷して合わせた。こんなことするの、幼稚園以来だなあー。僕の幼稚園はキリスト系だったので、そんなことをやっていた気がする。

僕は彼と話をするのが好きである。まず、でかい。彼はJapan Tripでも少し話をした、NBAは断念したがMBAに入ったというへんな人である。2メートル8センチの巨体は親譲りらしい。さらに、彼の親が世界的に有名なクレイトン・クリステンセンという教授、というのもまた面白い。マットはきもいぐらいにクリステンセン先生そっくりである。彼は卒業後ヘッジファンドをはじめ、数百億円を運用しているらしいのだが、そんな彼のオフィスにあふれていたのはドラゴンボールとかガンダムとかのアニメDVDであった・・・(もちろん、ほとんどがビジネスの本だけれど)。ちなみに、ガンダムSEEDもあったが、それは見たことがない。というか、SEEDって結構最近じゃない?

世界的な教授の息子だからというだけで、アタマ良いなんてあるんだろうか。彼はまだ30歳ぐらいだと思うけど、すでに経営コンサルタント、投資銀行、HBSを経て、ヘッジファンドで数百億運用しているということは、やっぱり育てられた環境が常人とは違うのだろうか。でも、厳しく勉強させられていた雰囲気もないし、やっぱり親の姿を見て頑張ったのかなぁー?ものすごく普通の家庭で普通の教育を受けてきた僕としては、どうやったらこんな息子ができるのか不思議である。

僕がいつか親になったら、どういう教育をすればいいのかなぁ、なんて思う、今日この頃である。

とある週末、普通の日記

今日から4連休ということで、今日は一日、勉強をまったくしないと決めて、楽しく過ごした。

奥さんの耳の調子が悪いと言うことで、今日は朝から一緒に耳鼻科のクリニックに行った。おなかがすいたので、クリニック近くのCafe Sushiという日本料理屋を見つけて入ってみた。かつどんと鍋焼きうどんを食べたが、味はまあまあよかった。かつどんは食べきれず、残りを包んでもらった。チップを入れて19ドルをデビットカードで支払い、日本語のフリーペーパーをもらって店を出た。奥さんのアタマの中の様子を見るために、CTスキャンを撮ってくれるイメージセンターに行く。奥さんがスキャンされているちょっとの間、フリーペーパーを見つつ待合室でのんびり。ほどなくして奥さんが戻ってきて、家に向かって出発。日本語のレンタルビデオ屋に行こうかとか、1ドルショップによろうかみたいな話もしたが、結局僕は少し頭が痛かったのでそのまま帰った。Advilという頭痛薬を飲んで、しばらく休んだ。夕飯は奥さんが昨日のクリームシチューをマカロニグラタンにしてくれたのと、野菜なべを出してくれて、おいしく頂く。食後は、インターネットで遊ぶ。最近HBSの友達が始めたソーシャルネットワーキングサービスに僕も加入してみたのだが、日本語を勉強したいといういろいろな国の若者たちから大量にメッセージが届く。「ねぎまって知ってる?」とか、「犬夜叉がすき!」とか、めちゃくちゃ間違った日本語で一生懸命メールくれたりとか、そういう無邪気なメッセージに返事するのはなんか癒される。カナダ人で最近日本に交換留学でいっていた女の子から届いたメール。

「カナダの文化してる?たいて日本人はカナダがさうみいでうす、笑、これだけ。私はオレゴン行ったことがありませんでした。きれいですか?いいね、私は日本に行きましたみんなは私から英語話たかった。大変だった、でもたいてアメリカ人が日本語がぜんぜんわかりませんね?それからたくさんの練習できますね?ロビン。私のまちがいえたはなんですか?」

なんか、野暮な話だけど、こういうコミュニケーションする以外の何も期待されておらず、僕がだれだかなんて興味ない人からメールをもらうと、なんか楽しい。知らない人からメールをもらうときはたいていアドバイスを求められているので答えるのもパワーがいるけど、こういうのはなんか気楽だよね。それで、誰かも知らない人に、わかりやすいように超初歩的な日本語で返事してあげたりして、またがんばって日本語で返事してもらったりするとつい返事しちゃったりして・・・。うーん、ボランティアでいろいろやっていたころを思い出してなつかしい。そういえば、ビジネスの色がまったくないコミュニケーションも、大切にしないとねぇ。

夜は映画を見た。うちの地下室はプロジェクターを使った映画ルームとなっているのだが、そこで「ムービー・ナイト」をするのがうちの夫婦のビッグ・イベント。いつもどおり、おかしやジュースを用意して、映画を壁いっぱいに映し出して楽しんだ。今日見たのは、「ビッグ・フィッシュ」という映画。二人で感動してしまいました。

さあ、そろそろ寝ようっと。特筆すべきようなことはないんだけど、とてもリフレッシュした一日だったので、楽しく書いてみました。さあ、明日は気合いれていくぞ。

Lost Baggageのキョーフ!

飛行機に乗るときは手荷物をとても少なくして一切チェックインしないようにしている。それは、航空会社の荷物の扱いをあまり信用していないから。というわけで、今回はLost Baggage(預け入れ荷物の紛失)に気をつけよう、というお話。

——————–(2008年1月6日)——————–

先のヨーロッパ・モロッコの旅行に行った時、最後のボストン行きの便で、飛行機の入り口で「その荷物はチェックインしてくれ」と言われた。「カウンターでは、チェックインしなくていいと言われたぞ」と言っても、聞いてくれない。僕たちは航空会社は荷物をなくすものだと思っているので、なくなってもいいものだけ大きなバッグに移して、あきらめて飛行機に乗り込んだ。で、予想通り荷物は大規模なLost Baggageになり、そのせいで手続きに散々時間がかかって面倒なことになったのだが、まあそれは普通なので別に驚かなかった。気付くと、近くのおばさんが、従業員に手続きの依頼をしている。

おばさん「私の荷物が3つもないの!荷物番号はこれとこれと、これよ!」
従業員「(面倒くさそうに)ああ、合ってるわ。問題ないわね」
おばさん「(キレて)問題ないわけないでしょう!私の荷物が全部ないのよ!すぐ使う予定だったのに!」
従業員「(無視・・・被害者は私だ的態度)」

僕はひそかに思った。“素人め・・・荷物がなくならないと思うほうが、負けだ!”(毒)

——————–(翌日)——————–

僕は旅行から帰った翌日からサンフランシスコに用があって出かけた。軽量のバックはしばらく返ってこないので、今回は仕方がなく、スーツケースを持っていくことにした。今回は預けざるを得ないが、荷物は少ないのでまあいいだろう。

——————–(一週間後)——————–

で、サンフランシスコから帰ってきて、ボストンで荷物を受け取ったが、3万円のスーツケースは壊れて戻ってきた。頑丈なはずのフレームは曲がり、もう閉まらなくなっている。ので中身がべろんと出ており、何がなくなったのかもわからない。きっとレッドソックスの松坂もびっくりの投げ方をされたのだろう・・・。かわいそうに、ヨシヨシ。でもこれもこんなものだろう。面倒だが、修理してもらおう。

——————–(先日)——————–

そして先日、壊れたスーツケースの修理をお願いしに、空港に戻った。修理の手続きをしていると、僕の後ろから超キレたおばさんが割り込んできた。

おばさん「私のペットが届いていない・・・私の犬を返して!!!
従業員「ええ、わかりました。落ち着いてください。」
おばさん「落ち着けるわけないでしょう!!!私の犬はどこなの!!!」
従業員「調べてみましょう。」

これはさすがに、かわいそうだ!!!みなさん、Lost Baggageには気をつけましょう!

(あの犬が生きている事を今も祈るばかりであった・・・。)

HBSに入る人のバックグラウンド

今回の投稿は、MBAに興味がない人には最高につまらないです。ごめんなさい。

「どうやったらHBSに入れるんですか?」みたいな質問をよくされる。こっちが聞きたいわ!とか、そりゃあんた次第だ!とだけいってもしょうがないので、合格しているのバックグラウンドの傾向を見てみよう。僕の主観としては、日本で仕事をしている人が受かりやすい合格バックグラウンドは、だいたい以下じゃないだろうか。(以下の中から、当てはまるものが多いと、受かりやすい、かもしれない)

■職歴
・アメリカ系プライベート・エクイティ(ベインキャピタル、リップルウッドなど)
・アメリカ系投資銀行(ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、メリルリンチ、シティバンク、UBS、など)
・アメリカ系戦略コンサルタント(マッキンゼー、BCG、ベインなど)
・商社
・日本を代表する企業のマネジメント育成コース(トヨタなど)
・アメリカ系だが日本で成功している企業の花形部署(コンシューマ製品のマーケティング部門など)
・弁護士、医者
・起業家
※組み合わせがあるとさらによい

■派遣ステータス
他のトップ校の一部では、「企業派遣は無条件受け入れ」みたいなグレーなところはけっこうあるみたいだけど、おそらくHBSでは通じないと思われる(そういう企業派遣を無条件受け入れする学校は、企業からそれなりの寄付金を受けているはずなので、調べればわかるでしょう)。ただし、企業派遣=期待された優秀なトップ人材である可能性が高いので、ややプラスでは。

■年齢
・25-32歳ぐらい。33以上になると辛くなってくる。

■学歴
→これはあまり関係ないと思う。ただし、上記の職歴では東大生が好まれる事が多いので結果的にHBSの合格者は東大生が多いが、直接の原因ではなく、東大生であることはほとんどプラスに働かないと思う。大学(学部)がハーバード、スタンフォード、プリンストンなど世界のトップ校だとプラスかもしれないけど。

■生い立ち上のメリット
・帰国子女(帰国子女でないならTOEICは1000点近く、TOEFLはIBT116・CBT283ぐらいはないときついかも)
・女である(受験者が少ないから需要が高い)
・政治的・経済的に特殊な家系(極端に言えば、首相の息子だとか御曹司等)
・その他、ものすごく特殊な生い立ち

■裏口?
ちなみに、大金を払ったら裏口で入れるみたいとかいう夢みたいなウワサもありますが、数億円などHBSにとって大した収入ではないし、金が必要なら学費を上げれば済むよ。まして、倫理を教えている学校が数億とか数十億のためにリスクを冒すメリットがほとんどない。さらに、入れたとしても、クラス内での発言の質が保てなければ放校されるシステムで、ごまかして卒業できる環境ではない。

■ご注意
ちなみに、ここに書いたバックグラウンドは、結果のまとめにすぎないので、原因ではない。結局は、どんな目標をもっているのか、その目標を実現することができると説得させるだけの行動をしてきたか、で決まる。目標を実現する力のある人と、こういうバックグラウンドであることに、相関があるだけである。そういう意味では、上記に当てはまらなくてもあきらめる必要はないし、逆にこういうバックグラウンドの人にかぎって受験する可能性が高いので落ちている人も多いだろうから安心はできない。

■博士課程について
ぼくは修士なのでよくわからないが、博士課程に入るのは普通の人間では無理!という印象があります。上場企業のCEOが個人的にアドバイスを受けに来ちゃうようなそういう人が行くところでしょう・・・僕には確実に無理です、はい。とりあえず日本の大学である必要があるなら東大を主席で卒業し、20代で成功してある程度の富を築き上げ、世界的な経済・経営関連の雑誌に論文を投稿して有名になれば入れるかも・・・。ワンダーランド・・・。

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という感じで、その他の条件を考慮しつつ、バックグラウンドに重複があまりないようにして、合計10名程度が一年間に選ばれる(クラスが10あるからかも)。個人的にはこんな感じだと思いますが、どうでしょう?

ターゲティング

インターネット・マーケティングを多少知っていれば、当たり前の話ではある。Mixiというソーシャルネットワーキングサイトにログインすると、トップに出る広告は明らかに僕の年齢・性別といった属性に対してターゲティングされているのがわかる。なぜ明らかだと言えるかというと、出てくる広告のメッセージがこれだから。

・「俺、3箇所で借金しているんだけどどれも限度いっぱい」(ローン系)
・「短期高収入」 「フリーターに朗報!」 (仕事のあっせん系)
・「髪を生やそう」 「鏡の前の自分を見ると・・・」 (抜け毛系)
・「体重は・・・言えません」 (ダイエット系)

クッ・・・つまりお前は、僕が「仕事がなく、借金を抱え、中年太りが始まっており、もちろん毛は抜けまくり」だと、そういいたいわけだな?勝手に決め付けやがって。しかも、腹立たしいことに、だいたい合ってるじゃないか!借金だぁ!?ああ、あるね!奥さんつれてMBAに行きゃ3000万ぐらいかかるんだから借金するに決まってるだろう!仕事ぉ?学生だと言っているだろう。ダイエットぉ?一日勉強ばかりで動く時間もなく太りますよそれは。髪・・・ぐっと髪の毛をつかんで引っ張り、手のひらを見る。

そこには・・・!? (つづく)

Messages From Harvard

というタイトルで、明治大学の学生向け雑誌でひっそりと配れていた僕の独善的エッセイの連載が終わりました。「明治ですから!」という熱いタイトルのウェブサイトにもコピーが載っているようなので、ここにひっそりとリンクを貼っておきます。バックナンバーもありますね。勉強の合間にぼちぼち書いていたものなのでくおりてぃ~は保証できませんが・・・。

僕の連載が入った雑誌は計8万部配られたそうです。僕の連絡先はどこにも公表していないのですが、どうにかして僕を探してくれた明治大学の学生の方や教職員の方から感想のメールを頂いたりもして、うれしかったです。どうもありがとう。

吹雪

今日は吹雪。久々にちょっと寒い。ま、マイナス10度とかでは平気になってきたけど。でも、基本的に今年はすごく暖かい気がするなあ。雪が降っても暖かいから溶けるし、雨が降ったりもするぐらい暖かい。あと、そもそも超寒いと雲もできないので晴れっぱなしになるのだが、今年は雲も多いし雷がなっていたりする・・・暖かい空気が流れ込んでいる証拠だ。去年の今頃では、考えられなかった気がする。

暖かいと、実は困ることもあるということがわかった。車の窓が凍るのだ。本当に寒いと粉雪が乗るだけなので、手でどければ済むのに、暖かいだけに雪がいったん溶けてしまう。朝方までにまた凍ってしまうと、窓に張り付いた氷が手では取れないので、お湯をかけて氷を溶かす必要があったりする。

やっぱり、晴れていて、暖かいところで仕事探そうっと。やっぱカリフォルニアかなー。以前ハワイの仕事に興味ある?と聞かれたときはちょっと反応しそうになりました。

がんばれ日本。その2

前回に続いて、日本の文化と資本主義が相容れない結果競争力を失ったけれど、日本もそんなに悪くないと思うぞ!というお話です。

確かに、日本経済は低迷し、日本は魅力のない国となりつつあるように見える。でも、アジア危機で他国が大ダメージを受けた中でも日本への影響が限定的であったことを見ても、日本には製造業を中心にものすごくしっかりした経済基盤があるように思える。確かに、ここ数十年のアメリカの経済成長は確かにめざましいが、実際にはTop1%の人がより儲かるようになっただけで、中流階級の人の生活は改善していないし、貧富の差は広がるばかりだ。20%の家庭が合計年収200万以下で、13%の家計が貧困にあえぎ、治安の悪いスラム街は大きな町なら大抵ある。不幸な生活を強いられた人たちのモラルは低く、犯罪率もとても高い。車の窓が割られるとか自転車が盗まれるなんて当たり前になっている。これが、すばらしく成功している国の姿だろうか?

アメリカの成功を支えてきたのは、徹底した株主至上主義ではないかと思う。正論を言えば資本主義経済下では企業は確実に株主の所有物であり、従業員や顧客よりも、まず先に株主に貢献するのが最も正しい。だか忘れてはならないのは、株主は基本的にごく一部の金持ちである。金持ちが企業活動をデザインするとどうなるかというと、全体として金持ちが済みやすく、金持ち以外が住みにくい国ができあがるのは当然だろう。だから、アメリカの社会には影があるのだ。

日本で「会社は誰のもの?」と聞くと、会社は従業員のものであり、顧客のものであるという意見が多い。業績が悪くなっても従業員をクビにしない。お金にならない顧客を満足させようとする。これでは、アメリカの経営と同じ土俵で戦っても勝てるわけがないし日本の競争力低下するのも仕方がない。やっぱり資本主義と日本人は合わないのだなあと思わされる。でも、それと引き換えに、社会全体として高いモラルと、快適な社会を保っているんじゃないだろうか。もし、国の経済活動の価値をお金以外で測れば、日本は決して劣ってなんかいないんじゃないかと思うよ。

がんばれ日本。

あ、もう朝の6時。そろそろ明るくなるなー。今日は徹夜か。最近リーディングの量が多いのでついつい夜更かししてしまうな。とはいえ、体はまだまだ元気なので、気まぐれにブログでも書いてみよう。←早く寝ろ、というつっこみが入りそう。さて、何を書こうか。。。

今日のファイナンスのケースでは、日本株式市場がいかにここ10年ひどい状態であるかが話題に触れられた。日本に投資してたら、こんなひどいことになってたよ、みたいな。むむ。いいニュースならいいけど、悪いニュースのときに、クラスのみんながこっちを見るのは微妙な気分である。

日本がここんところうまくいっていないのは複合的な要因なので一概には何ともいえないが、僕が経営コンサルタントとしていろいろな会社の経営にかかわっていて個人的に感じたのは、日本のビジネスは本当に国内向きで、世界を視野に入れた商品設計やマーケティングになると突然日本は弱くなってしまうということ。その結果、国内マーケットが小さいため最初からグローバルな戦略にフォーカスする韓国企業や、同じことを圧倒的に安く出来てしまう中国企業などと比べると、日本企業のプレゼンスが低くなってきているのをビシバシと感じる。

日本は、外から見ると、とても変わった国で、閉ざされた国だ。国内の顧客しか見ないで商品を設計するため、確かに国内の顧客は獲得できるんだけど海外で通用しない。日本が携帯で世界をリードしていると言うけど、日本の携帯なんて海外でほとんど誰も使ってないよ。ワンセグみたいな世界で使えない技術にばかり投資してどうするの?反対に、eBayの日本撤退とかもそうだが、世界の成功モデルは日本でだけでは通用しないなんてよくある話。

でもね、これが、閉ざされなくなったとき、日本はいろいろな文化を失うだろう。日本社会のすばらしさが、グローバルな資本の効率を重視する資本主義社会に染められていくのもそれはそれで悲しかったりするなあ。たとえばね、日本の田舎ってすごくきれいじゃない。で、家族で漁業やっているおじさんたちが、きょうはこれをつれたぞーなんて言って親戚に見せて回ったりして、おー、じゃあうちで採った山菜と交換しましょう、みたいな。うーん、素敵な光景、こういうの大好き。でもね、日本人は他国と比較してコストが高いから、そんなおじさんたちは全員クビにしたほうがいいよ。で、そのお金で、人件費の安い中国とかで、でかい船を買って、同じことをビッグスケールでやってさらにコストを下げて、大量で安価に輸入すべき。そこで浮いたお金を競争力のあるハイテク製造業に回して、クビにしたおじさんたちを技術者として雇用し、ガンガン輸出したほうが資本効率がいい。むしろ人件費が他国と比べてやたら高い日本のおじさんに、他国の人が同じように出来ることをさせると、日本の相対的な国際競争力が落ちる。

グローバル化とは何か。ここでのケースでは、生産量÷コスト=効率という単純計算をするとき、これらを他国との比較で見なければならない、ということだ。つまり、このおじさんが持っている小さい船でおじさんが出せる生産量が低い上、人件費コストは超高いので、このおじさんは世界的に見てものすごく非効率なのである。よって、資本価値がとても低いこのおじさんがいかに漁師としてプライドをもっていようと、やる気のない中国人を3人雇ったほうが労働資本の価値は高い。そんなわけなので、中国からもっと安い商品が輸入されるようになり、このおじさんが生活に苦しむようになるのは時間の問題である。(注:誇張しています。)

ちなみに、90年代に僕はコンピュータ・サイエンスをかなり勉強していたので、僕がコンピュータの仕事をしていないというとよく驚かれる。実際、僕の卒業した年の同級生は猫も杓子もSEで就職という感じだったしね。でも、SEになるのをやめた理由のひとつは、学生のころ仕事でアメリカに来た際に、インド人のエンジニアの多さと、彼らの優秀さを見て、10年後、自分ごときがあの優秀なインド人たちに勝てると思えんと感じて経営の仕事を選んだのもあった。日本の閉鎖性のおかげで、まだ僕が思ったほど日本のSEはクビになっていないけど、これからも楽じゃないだろう。

人間の価値って、ひいては文化の価値って何だろうかと思ってしまう。日本のすばらしい文化は、いろいろな面で、明らかに資本主義と相容れない・・・むしろ、日本の文化は、資本主義社会で勝利するのに向いていないと思う。資本効率が低く、そしてそれは意図的であったりする。じゃあどうする?日本をグローバルに変えようか?さしあたって、NOVAもつぶれたし英語教育の会社で起業でもするかとも思う。一方で、そんなことして、日本人のみんなはうれしいのかな、とかも思う。日本が本当に、グローバルになったとき、いかに日本の非効率が、僕たちを快適にしてきたのか気づき、効率の悪かったころを思い出して悲しむのではないかとも思ってしまうのだ。

なんかそんなことが、最近ぼんやり考えること。どうやったら、日本のみんなが幸せに生きていける社会を残せるのかなあ。

ところで今日、HBSの受験者の合格発表があった。日本からの合格者はいるようだけど、純粋な日本国籍の人はいない模様。一方、中国人とかシンガポール人の合格者はいっぱい。ビジネス社会が日本に期待しているレベルの低さを感じて、ちょっと悲しくなる。これはこれで、すごくムカツク。やっぱり日本にカッコよく活躍してほしいもん。

あ、もう寝ないとね。おやすみー。

気づけば1月も終わり!?

アぁっ!!

という間に1月が終わってしまいそう。

毎日のようにブログに書きたいことがあるんだけど、毎日のようにやることが多すぎて(遊びも含めて)、思うように日記の更新が進みませんな。いろいろやっていると、気づいたら夜中になって、ケースを握ったまま電気をつけて寝てしまい、毎日のように奥さんに「ちゃんと電気を消して布団で寝なさい!」といわれるのであった。

今学期の授業は結構リーディングが多い。一日200ページぐらいまで読む量が達することもある(というか、現実的にはそんなに読めないんだけど)ので、ついついずーっと読んでしまう。ファイナンスの分析とかやりだすと、永遠に終わらないし。ちなみに、お気に入りは、お風呂に入って読むこと。ゴキゲンなときは日本モノのスーパーで買った入浴剤も入れる。アメリカのバスタブは水が30センチぐらいしかはれないので、おなかがなんとか水面につかるようにしながら横になり、壁に寄りかかって、赤線を引きながらケースをグダグダと読む。湯量が少ないので、外気温や僕の体温がお湯をすぐに冷やしてしまうから、ときどきじょぼじょぼと熱いお湯を追加する。ケースというのは20-30ページの紙の小冊子で、べつにカバーとかはないので、読み終わったころにはケースが湯気でしわしわになるのであった。で、読み終わったらバスタブからポイして次のケースを手に取る。のぼせたら、また机で勉強する。ケースを読む作業というのは、一日のうち大きな部分を占めるし、できるだけリラックスして読みたいのである。

ここまで書いて気づいたが、僕は日記を書き始めたときに、何を書くか決めていないな。ほとんど垂れ流し状態。ほかのハーバードの皆さんのブログ(もっと洗練されているし、本気)とは一線を画しているな。フッ・・・