もちアイス

僕は普段そんなに甘いものを食べないが、時々日本でたべていたデザートが恋しくなる。

たとえば、プリンとかはアメリカでは売っていないので、自分で作らなければならない。

で、最近、雪見だい○くが食べたくなりまして。でも、買うと高い。こんなのバニラアイスともちだけじゃないか、と思うのだが、冷凍しての輸送費が高いのでかなり値段が高く、手が出ない。

じゃあ、自分でつくっちゃいましょう!

あとは、もち粉、水あめ、砂糖、水を同じぐらいの配分で混ぜてこね、沸騰したお湯で茹でる。

ドーン。これだけあれば・・・

食べ放題だ!

え?包んでないって?

そんなもん、味とは関係ない。

もちを細かく切って、バニラアイスにまぜ、口の中に入れてみる。

完璧。まったく同じ味。

うん、もう二度と雪見だい○くは買わなくていいや。

あまったおもちは冷凍庫に保存すれば、いつでもまた楽しめますね。

・・・すみません、所帯じみてて。

モバイルベンチャー scanRのご紹介

モバイルベンチャーである scanR (スキャンR) からの内定を受けることで決定しました。

ポジションは Director of Marketing。日本語では、マーケティング部 部長です。

前にも説明しましたが、もう一度ビジネスモデルをご紹介しましょう。

背景としては、現在、携帯カメラの解像度がすごい勢いで上がっています。そろそろ、デジタルカメラがなくても十分な人が増えたはずです。そしてこれから将来、携帯カメラが他のイメージング機器・・・例えば、スキャナやFAXなどの用途でも十分な人が出てくるのではないでしょうか?

これは、HBSの授業でとったクレイトン・クリステンセン教授の理論、「破壊的技術」の考え方に通ずるものです。つまり、これまでFAXやスキャナを持っていなかった・使わなかった人から浸透していくパターン(新市場型破壊)と、わざわざ高品質で高額なFAXやスキャナを使わなくてもこれの品質で十分、という人を徐々に広げていくパターン(ローエンド型破壊)の組み合わせにより、徐々にFAXやスキャナといったデジタルイメージング機器の市場の破壊を世界で狙っていきます。

なんで今まで誰も携帯のカメラをオフィスのイメージング機器として使わなかったか、というと、二つの問題がありました。

  1. 携帯でとった写真は画質がひどすぎてとても「使える」シロモノではない
  2. いざ携帯でデータを取り込んでも、データを活用するツールがない

弊社のテクノロジーは、この2つの問題を解決する事を中心に作られています。

まず、携帯電話で撮影した画像を補正して、実用的に「使える」状態に変換します。

撮影時

scanRによる補正後

撮影時

scanRによる補正後

このように画像がきれいになれば、FAXしたりプリントアウトするときも問題ありません。

と、このように変換された画像は、scanRのサーバーに置かれるので、いつでも携帯やパソコンから閲覧することができます。

さらに、色々なツールも用意されているので、その場でデジタルデータの活用ができます。

  • FAX送信
  • メール送信
  • セキュアサイトでの仲間との共有
  • Adobe PDFで複数画像をひとまとめ(弊社はAdobeが株主なので、純正技術を利用しています)
  • OCRによるテキスト化
  • 名刺のアドレス帳変換

現在すでにサービスは提供されていますが、今後サービスの充実やウェブサイトの改善などをどんどん進めていきますので、よろしくお願いいたします!

内定辞退

Sおじいちゃんは、例のソフトウェアベンチャーだけでなく、別のベンチャーのCEOもやっている。今日は、おじいちゃんのオフィスに出向いて内定を辞退する話をしてきた。

話はとてもスムーズだった。ちょうどSおじいちゃんも僕と同じような立場であるため、むしろ僕の心配をし始めて頂いていたようで、円満に辞退ということになった。

でも、死ぬ前に知っていることは全部教えてくださいと毒を吐いておいた。

ディフェンスを固めろ その3 分析結果

ディフェンス面(これがないと仕事不能)での評価結果

ディフェンス要素 米モバイルベンチャー 日本ソフトウェアベンチャー
健康保険

ベンチャーにしてはしっかりしている

まだ法人として健康保険契約が存在しないので、自分で会社を代表して契約しなければならない。間に合うか微妙

永住権

×

無条件OK。弁護士事務所はこちらのほうが資本金が大きいので認められやすいとのこと。

日本法人の社長がやや渋っていたがSおじいちゃんのプッシュでOK。しかし問題発生。ファウンダーとして普通株を取得することになるはずが、普通株を取得している会社からはグリーンカードを発行できないことが判明。リスクをとって起業しているのに普通株がもらえないというのはかなり厳しい。

株主構成

?

Trinity Venturesのようなトップベンチャーキャピタルや、Adobeといったしっかりした企業からの投資を受けており、株主構成が分散しているのでリスクは低い。

株式はファウンダー一人に集中。僕はSおじいちゃんと仕事するかと思って検討しているわけだが、ファウンダー単独の意見でSおじいちゃんを解雇できるという時点でリスクがかなり高い。ファウンダーの調査はしてみたがアメリカで通用する強みが少ないので評価困難。
フィット

×

かなり長いこと僕のような人を探していたようで、永住権やストックオプション追加などの交渉にもきわめてフレキシブル。

Sおじいちゃんと仲良くしていたので内定をもらったという感じだったし、ファウンダーも僕のことをほとんど知らずに内定を出しているのでフィットがある可能性は低い。

う~ん、モバイルベンチャー圧勝。

オフェンス面(これがあると燃える)での評価結果

オフェンス要素 米モバイルベンチャー 日本ソフトウェアベンチャー
チーム

全メンバーがシリコンバレーでの起業経験およびインテル・HPなどの大手テクノロジー起業でのマネジメント経験者。直属上司もMBAを持っており経験豊かなアントレプレナーで、ストックオプションの増加やグリーンカードのサポートなどにも前向き。正直で好感が持てる。

直属上司となるSおじいちゃんはかなりいい人だし仕事も速く、個人的に恩義を感じている。

ネットワークの質

×

ベンチャーキャピタルコミュニティなどに幅広くネットワークあり。

日本人2人なのでネットワークはかなり狭い。

成長機会

スタンダードなシリコンバレーベンチャーで起業経験が積めるのはかなりプラス。

トップポジションではいるので何でも自分でマネジメントできるのはよい経験になりそう。

普通株およびストックオプション

×

すでに大手の投資家もかなり入っており、ファウンダーの株式持分はかなり少ない。今から入る僕がもらえるストックは多くない。

おそらく普通株かストックオプションでかなりもらえると思うが、法的にかなりやっかい。というのも、僕が入る前にすでに法人設立が終わっており、これから僕に普通株を発行したりストックオプションの発行枠を作ることはおそらくかなり難しく、時間がかかる。

というわけで、参加が遅いモバイルベンチャーのほうはリスクが低い分ストックオプションがかなり少ないが、それ以外は大体満足がいくものであることが判明した。

よって、あと少し交渉したら、モバイルベンチャーのオファーをとることに決定です。

H1B (Good News & Bad News)

(今日の話はかなりマニアックなので、興味がない人は読まないほうがいいです。)

今、色々な人と会って話して調査を進めている。

知り合いの弁護士に、移民に詳しい弁護士を紹介してもらい、色々と弁護士事務所を渡り歩いてるのだが、そこでH1Bという就労ビザについてわかったことがある。

以前、H1Bについて書いた。僕はディフェンスの目的で、H1Bという就労ビザではなくグリーンカードという移民ビザが欲しいのでどうでもいいと思っていたが、どうやらそう単純でもないようだ。

Bad Newsは、どうやらグリーンカードを取る前に一度H1Bを取り、そこからグリーンカードに切り替えなければならないらしい。理由は2つあり、

  • 現在のOPT(F1ビザという学生ビザを使って1年だけ働いていいというルール)から直接グリーンカードを申請すると、海外出張ができなくなる。F1ビザは帰国を前提としたビザで、OPTは帰国する前提で仕事を許可している。グリーンカードは移民を前提としたビザなので、これを申請するとOPTの理念と合わなくなる。そうなると、再入国の際に「お前、アメリカ人の仕事を奪わないという約束で学生ビザで仕事させてやってんのに、何で移民しようとしてんの?」といわれて、アメリカに再入国することが拒否されるのだ。
  • 現在のOPTは期限が一年だが、グリーンカードの取得には一年以上かかるため、ビザがある時間に「隙間」ができてしまう。この間、日本に退去して、グリーンカード取得まで待たなければならない。

で、これがなぜBad Newsかというと、

  • H1Bというのはかなりいけてないビザで、なんと申請が抽選なので人生をくじ運に任せなければならない。毎年4月に抽選があり、外れたらまた来年いらっしゃい、というもの。
  • 僕のOPTが切れるのが来年7月。もし、来年4月に申し込んでも、くじに落ちれば来年7月の時点で国外退去になる可能性がある。
  • さらに、弁護士費用など含めて50万ぐらい雇用する会社側に負担がかかる。

ちなみにアメリカで働く人の大半はH1Bで働いているが、こうした人がみんな運まかせとは、さすがアメリカ政府。抽選ですと言い切れば、誰を許可するかとかいうめんどくさい調査をしなくてすむ、と、そういうわけか。

しかし!Good Newsがある。

もってた、H1B。

「以前、内定を断ったボストンの会社が、なんかH1Bビザの申請をするといっており、彼らの弁護士に言われるままに書類を提出したら、なんか許可証みたいなのが送られてきていた」という話をたまたま弁護士にしたら、弁護士の目の色が変わり、

弁護士「ちょっとまて、その書類まだ持ってんの!??

僕「あ~、行かない会社からの書類だからいらないと思って捨てようかと思ったけど、確かたまたま捨てずに持っていると思う・・・。」

弁護士「あんた、それ使えるよ!H1Bの抽選通ってるよ。あと6年はビザの問題ないし、すぐにOPTをH1Bに切り替えれば、グリーンカード申請できるよ。」

僕「マジ?ラッキーってこと?」

弁護士「超ラッキー、あんた。

うーん、ボストンの会社とはゴタゴタして終わったけど、なんとそんなすばらしいプレゼントを僕にくれていたとは・・・。いろいろとアタマを悩ませたこともあったが、災い転じて福となすとはこのことだなー。

Section Mateの誕生会

こちら、Facebookというソーシャルネットワーキングサービスの画面。アメリカのMixiみたいなものです。Facebookはシリコンバレーを代表するトップクラスのベンチャーで、ストックオプションを求めてGoogleの優秀な人材はどんどんFacebookに流れた、といわれている。

ちなみに画面に書いてあるのは、HBSのSection MateであるRayの名前。なんと今日が30歳の誕生日らしい。

画面の右下のほうには、Rayの彼女であるMianからのメッセージ。

ここで面白いのが、このfacebookの画面。

が、ケーキであること。

これ、食えんのぉ!?

うん、食った。

こちらにきてからHBSの友達とはちょくちょく遊んでるけど、みんながこんなに集まったのは久しぶり。卒業して日本に帰っちゃうともうそれで終わりになっちゃいそうなものだけど、こうして沢山の友達と今も遊べるというのは嬉しいことだね。

ちなみにケーキはおいしかったです。チョコレートケーキでした。

ディフェンスを固めろ その2 分析アプローチ

優先度が決まったら、次はリサーチプランの作成だ。

健康保険

  • モバイルベンチャーに対しては、健康保険の詳細を送ってもらい、妊娠が確実にカバーできるか保険会社に連絡する。
  • ソフトウェアベンチャーに関しては、健康保険がそもそも存在するか確認する(アメリカ法人を設立したばかりなので何もないかもしれない)。

永住権

まず、そもそもどうやったらグリーンカードが取得できるか調べなければならない。また僕のグリーンカード(永住権)の発行は会社にサポートしてもらわなければできないが、奥さんの分も含めるといろいろあって合計250万円ぐらいかかるかもしれず、これは企業が負担する必要がある。ベンチャーにとってはかなりの負担なので、これを受ける気がそもそもあるかを確認する必要がある。ということで、

  • 弁護士事務所を練り歩き、グリーンカード取得のプロセスを学び、どちらの会社で永住権がとりやすいか調べる
  • 双方のベンチャーに、グリーンカード取得してくれないなら内定辞退する旨を伝え、回答をもらう。

株主構成

  • 二社の株主構成調査
  • ファウンダーが王様である場合
    • ファウンダーの経営手腕調査
    • ファウンダーの失敗経験(失敗=Better)調査
    • ファウンダーの私情による経営度合い調査

フィット

  • Job description (僕に何をしてほしいのか)を詳細に確認する

というわけで、これから色々な人にアポイントとりまくります。

ディフェンスを固めろ その1 優先事項

人生には、攻めのときと、守りのときがある。

大抵、ビジネススクールをでたときは攻めに転ずると思うが、僕の状況では守りが必要だ。

借金あり、職なし、妻あり、子供がもうすぐ生まれる、このタイミングでは守りをキッチリ固めなければならない。

ボストンでの内定を断ってシリコンバレーに引っ越すという時点でリスクテイカーだと言われているが、ハーバードの保険が7月末まで有効という時点でマネジメントできないリスクは大してないわけで、失敗ばかりして生きている僕は元来かなり慎重派である。

マネジメントできないリスクはとってはいけない・・・ディフェンスあってのオフェンスだ。

何の話?

いや、就職活動の話。

今、2社の選択肢がある。ここから決めることにした。他にも話はあったが、とりあえずはここで考える。なんでこの2社か。

両方ともそれなりに面白そうだということもある。では、完全にピンときたか?といわれると、まだ、わからない。しかし、今はそんな贅沢いってる場合じゃない。大事なのはディフェンスだ。異国の地にやってきて、中途半端な英語にも関わらず、マネジメントレベルで、ベンチャーで働くとかいう時点でリスクは十分に高い。では、どうやってディフェンス力を上げるか?

僕にとってのディフェンスの要は、4つ。

1. 家族のふつうの健康管理の確保→健康保険

アメリカは、仕事がないと健康保険が下りないというすごいシステムなので、妻と生まれてくる子が保険でカバーされるには、すぐに仕事が必要だ。当然保険がなければ日本に帰る必要があるが、けっこう面白そうな内定が目の前にあるのだから、まずはグダグダいわずに就職して健康保険を手に入れるべき

いつもだったら、もう少し時間をかけて就職先を精査するが、このタイミングは攻めるところじゃない。ビジネススクールでておいて何だが、所詮ビジネスだ。気に入らなければやめればいいのだから、やってみて考えればいい。

2. 家族のふつうの生活の確保→永住権

アントレプレナー(起業家)という職業は、基本的に失敗と隣りあわせだ。雇用契約書には「あなたは会社を即座に辞められるし、会社はあなたを即座に解雇できる」と書いてあるわけで、パフォーマンスが悪ければ簡単にクビである。また、ベンチャー企業が来年倒産する可能性は十分考えられる。誰が聞いても成功するビジネスモデルだとしたらすでに企業価値がふくれあがった有名企業であり、そうでないハイリスクの状態だからベンチャーなのだ。

何が困るかというと、クビとか倒産とかそのものではなく、Visaである。H1Bなどの通常の労働Visaは、解雇・倒産の場合、家のローンが残っていようと、買ったばかりの車を持っていようと、子供が学校に通っていて友達が沢山いようと、基本的にすぐ他の仕事がない限り国外退去である。これでは家庭の安定を会社が決めることになってしまう。家族の生活が会社に依存すれば、会社に弱みを握られる事になる。そうなると、やりたくない仕事をやらされたり、ネゴシエーションの主導権を会社側にもたれてしまう。これはとても不健全なことなので、やりたくない。

しかし、永住権(Green Card)の取得があれば、解雇・倒産されても何も起こらない。家族にも影響はないし、「文句があるなら僕をクビにしろ」と普通に言えるようになる。これはディフェンス力をものすごく上げる。

3. ネガティブ・サプライズの最小化→王様のいない株主構成

株主がだれか。株主構成がどれぐらい分散しているか。これはものすごく会社の方向性を左右するファクターだ。

ベンチャーの経営者は、どんなに粋がってもたいていは経験が浅い、オトナのアドバイスが必要な存在だ。一方、株主は、会社の最終意思決定者であり、オトナとしてアドバイスする役割がある。この経営者と株主とは普通の会社では分離しているが、ベンチャーの場合ファウンダー(会社を設立した人)=独占的大株主、という場合がしばしばある。

ファウンダーの持分が高いと、ファウンダーは誰にもチェックされない王様となることができる。会社の経費も人事もやりたい放題だ。「だってあいつ俺より優秀だからいやなんだモン」と活躍中のメンバーを解雇できるし、「だって今の戦略がいいんだもん」といって変な戦略で会社をつぶすことができる。ファウンダーは全ての意思決定権を独占しているので他の従業員が何を言っても無駄、これが「オーナー企業」の宿命で、こういうところで働くのはネガティブ・サプライズのリスクが高い。

僕からすると、ファウンダーの株式持分の割合が低く、外部投資家が株を分散してもっているのが好ましい。投資家というのは会社が成功することにしか興味がないので、投資家の介入は経営の意思決定をプロフェッショナルなものにし、ファウンダーの私情による意思決定を許さない。色々な領域の人が集まり討議して決めることになるし、問題があれば投資家たちがもっているネットワークを活かして組織的に解決ができる。経営の質が個人ではなく組織に依存するようになれば、とんでもなくおかしな決断はされなくなり、ネガティブ・サプライズが減るのでディフェンス力があがる。

ただ、オーナー企業がだめというわけではない。ファウンダーの経営手腕が非常に優れており、失敗した経験から色々学んでおり、経営に私情を挟まないタイプであれば、オーナー企業であっても会社を魅力的にすることは可能だ。しかし、それにはオーナーが友達であるなど、個人として良く知っているのが条件だ。

4. 交渉力の維持→能力と仕事内容のフィット

会社に対する交渉力というのは、入社の契約時点でもっとも重要だが、入社したあとも継続して重要となる。そこで、会社に対する交渉力を維持するためには、以下の二つがそろっている事が大事だ。

  • 会社は、僕でなければならない
  • 僕は、その会社でなくてもいい

これはかなり難しい話ではあるのだが、これを実現するには以下の条件を考えれば大体わかる。

  • その会社が必要としている人材が非常に具体的
  • その会社が必要としている人材を見つけることに苦労している
  • 自分がその必要としている人材である

要するに、後先考えずにハーバード卒だから雇いましたみたいなケースだと、また後先考えずに解雇されたりする。しかし、僕が先方がどうしても欲しい人材であれば、交渉力が一気にあがる。こうなれば一番リスクコントロールがしやすく、ディフェンス力が一気にあがる。

というわけです。

この4点が問題ない会社で働きたいというよりも、今はディフェンスが重要な時期なのでこの4点は足きり基準ということ。もし、2社とも足きり基準にかからなければ、今度は攻め・・・つまり、オフェンス面での評価をする必要がある。僕の場合、オフェンスの評価基準は以下のとおり。

  • よいチーム
  • その会社がもっているネットワークの質
  • 自分の業界でのポジションを築くのに必要な成長機会
  • 普通株およびストックオプションの価値

が、今はディフェンス重視なので、とりあえずそれはまたいつか。

日系のソフトウェアベンチャーからのオファー

Sおじいちゃんとは相変わらず仲良くさせていただいており、アドバイスをいただいております。

Sさんはいろいろなイベントの理事とかもしているのもあっていろいろなイベントにいらっしゃるので、僕も年がら年中お会いしている感じ。

おじいちゃんはとある日本のソフトウェアベンチャーのシリコンバレー進出の仕事を手伝っているらしい。その会社は、ビジネスの機軸を日本からアメリカに移そうとしておりシリコンバレーに進出することにしたようだ。しかしチームが存在しないこともあって、ネットワーキングで見つけたSおじいちゃんにCEOを頼んだらしい。というわけで、Sおじいちゃんはこれからチームを作るところらしく、僕にビジネス全般を見て欲しいということで話がきた。Sさんの下に日本から来るCTOが入って、3人でスタートアップすることになる。

で、そのビジネスそのものについては事情により詳しくいえないが、話をぱっと聞く限り、日本のソフトウェア企業でよくある「世界に展開するには根本的にビジネスモデルを作り変えないと成長は難しいタイプ」と見た。でも、新しいビジネスモデルへの転換さえ出来ればチャンスはあるだろう。

今の日本での成功モデルを作り変えるという時点でいかに現時点の技術が優れているかというのはあまり関係ない。勝負は、マネタイズ(現金収入化)しやすいビジネスモデルと、プロダクトデザインを含めたマーケティングができるか、に尽きる。こうなると、日本のビジネスの世界展開というよりも、イチからスタートアップするのに近くなる。詳しく考えると問題が山積みなのだが、新しいビジネスを立ち上げるというの自体は自分の成長的にはなかなか面白そうだ。

以前この会社の日本法人の社長とほんの少しだけお会いしたことがあったが、若く、まじめそうな印象だった。

こちらに内定をいただけることになったのもでかいが、実はそれよりでかいのが複数社から内定があるという事実そのものだ。何の交渉をするにしても「別の選択肢(BATNA)があるかどうか」が重要となる。「あ、そうですか、じゃあいいです」と言える事で交渉の主導権がこちらに大きく傾くということだね。ハーバードのネゴシエーションの授業で最初に学んだ、交渉の基本であった。

というわけで、結局就職活動はほとんどしなかったが、流れに任せていたところ手元にオファーが二つある状態。BATNAがあるのでぼちぼち交渉をはじめてもよくなった(どこに行くにしても二個目の内定がない間に真剣にオファーについて考えることはあまり有意義ではない)。とはいえ、ベンチャーの内定は回答期限が極めて短いので、すぐ決める必要がある。さあ、そろそろちゃんと考えてみようかな。

両方期限は今月中なので、10日かけてゆっくり考えよう。

iPhone購入

いや、iPhoneを買うのには苦労した。全米の大半の州では品切れで、アップル本社があるこのあたりですらかなりの品薄で、16Gのホワイトしかないという店が多かった。

何度か並んでみたが、ボストンの番号をポーティングするならアップルストアじゃだめと断られたり、あと数名のところで品切れになったり、とにかく面倒だった。

が、ようやく手に入った。

ちょっと使ってみたが、今までのしょぼかった電話にくらべて、はるかに便利になった。特に、3Gなので速度に不満はないし、データ料金も定額なのでフルブラウザも使い放題。GPSも便利だし、Google Mapsとの連携のおかげで店を探したりするのが格段に便利になった。Gmailがそのまま使えるのもなかなか便利。インターフェースはみんなが知っているようにかなり使いやすい。

ただ、不満な点も多い。たとえば、

仕事用としては・・・

  • Outlookとの連携はカレンダーだけで、タスクの管理ができない(これ、いままでWindows Mobileでタスク管理していたから、超不便!)
  • アプリケーションはAppleが認めたものしか使えないが、使いたいソフトがなぜか公認されていないことも多い

遊び用としては・・・

  • フルブラウザーがあるのにFlashが動かないので、動画系サイトはほぼだめ

テクノロジーおたくとしては・・・

  • コピー&ペーストみたいなOSとして最低限の機能すらない
  • ファイルシステム(マイコンピュータ→Cドライブ、みたいな)にアクセスさせてくれない。ファイル構造が見えないOSは元エンジニア的にはかなりうざい

それでも、しばらくはよいおもちゃになりそうである。