今日の日記も完璧に独り言です。誰も聞きたくないだろうけど、楽しいことは、言いたくて仕方がない!
僕は、ボストンのベンチャーキャピタルであるGlobespan Capital Partnersで、Business DevelopmentのDirectorをしている。日々何をしているかというと、投資したアメリカのベンチャーの成長を実現するために、アジア展開、主に日本人なので日本への展開をサポートしている。
これは、プロダクト・サービスの分析、日本における市場性の分析、参入戦略策定、顧客の識別、パートナー候補分析・パートナーシップの締結、JV設立、現地法人設立、現地の経営者雇用、マーケティング、営業、およびこうした流れに関わるネゴシエーション全般だ。要するに、基本的にベンチャーの経営者として必要なことは何でもする。
早いもので、Globespan Capitalに入ってからはや9ヶ月が経ったが、この仕事が毎日楽しくて仕方がない。
夢がある
ベンチャーキャピタルは、どう考えても無理っぽいような、夢みたいな話を実現しようとしている。この夢みたいな話が現実に変わっていく成長のプロセスにはすごくポジティブなエネルギーがある。ワクワクする。例えば、うちのセカンド・ライフ。仮想現実の世界で生きろなど、子供じゃあるまいし、そんな映画(マトリックス)みたいなめちゃくちゃな話あるかと思うが、僕達は大真面目で実現しようとしている。くだらない?まあそうかも。しかしこういう夢があるから、世界が変わるのだと思うよ。そういう仕事が、しかもたくさんできるのは、本当に楽しい!
僕は10年前と人間の生活がどう変わったかといわれると、常にテクノロジーの進歩を思い出すのだが、こういうイノベーションを生み出すということを仕事にできるというのは、とても光栄なことだ。
素晴らしいCEO達と、大きな仕事ができる
HBSのケースに登場するような優秀な起業家・経営者たちと経営戦略についての議論を毎日のように行っているわけだが、彼らから学ぶものはとても多い。こんなすごい人たちと一緒に普通に仕事しているというだけでも、なんて恵まれているのだろうと日々思う。
以前もカリフォルニアのベンチャーでマーケティングディレクターをやったのもとても面白かったが、投資家として経営に携わると戦略のスケールが一気に上がり、CEOと同じ目線で、CEOと仕事をすることが圧倒的に増える。頭悪いことを言って申し訳ないが、僕は大事なことをやったほうが面白いので、これはとても楽しい。
運命共同体としての連帯感がある
戦略コンサルタントだったときとの比較なのだが、投資先が失敗すれば投資家も失敗という「当事者」側に立つと、企業参謀として参加していても連帯感がまったく違う。ビジネスモデルを信じて、経営者を信じて、危ない橋を共にわたりながら一緒に仕事していると、やはり思い入れが強くなるし、やはり信頼関係が強くなる。この感覚はなかなか言葉にしにくいが、なんかやっぱり、投資先のビジネスやテクノロジーは愛しちゃうよね(笑)
(全てのベンチャーキャピタルが、投資先がうまく行かなくなったということで、すぐに潰すとか、血も涙もなくレイオフや社長交代をするとか思っているならそれは魂が腐りすぎである。少なくとも、会社を殺すか生かすかの意思決定に迫られるとどうなるか見たこともないし、中でどんな議論をしているかも知らない人に、そういう無責任な事を言われたくはない。)
経済的インパクトが大きい
ベンチャーキャピタルというのは、働いている人数もとても少ない、ちっぽけなビジネスである。うちの会社も投資メンバーはたった10数名。
100を200にする狭義のプライベートエクイティ(バイアウトファンドなど)と違って、0を1にするベンチャーキャピタルは規模が小さい。しかも、経営者としての仕事が非常に大変なので、多数の投資をすることもできない。ましてヘッジファンドなどの公開企業に投資するファンドと比べたら、投資可能なビジネスも少ないし、一回あたりの投資額も少ない。
しかしそれにも関わらず、「産業を創造する」という仕事の社会的インパクトは大きい。継続的な新産業の創造は、雇用を創出するエンジンであり、経済的競争力の源泉を生み出す。日々の仕事はとてもミクロなのだが、長期的な経済に対する価値創造の力はマクロレベルである。これはとてもエキサイティングだ。
情報の集まり方がすごい
ベンチャーキャピタルの情報ネットワークはすごい。うちの投資対象は「世界」なので、アントレプレナーたちのビジネスプランをさばいているだけでも、世界中から最先端のオモシロ情報がどんどん集まってくる。会社としても、ベンチャーキャピタル向けの情報ソースもいろいろあるし、こういったものにアクセスできるのは非常に勉強になる。
特にテクノロジーオタクとしては見逃せないものも多い・・・。いや、これは単に、趣味として面白いという以上の意味はないのだが。
飽きない
僕はめちゃくちゃ飽きっぽいのだが、この仕事は飽きない。そもそも、ベンチャーというのは波が激しいので、重要な案件を落とせば一発で経営危機に陥り追加投資が必要になることもあるし、いきなり大きな案件を獲得して急成長になることもあるし、あれよあれよという間に大企業に買収されることもあるのだが、全てが一瞬で起こるために、日々ジェットコースター。また、投資先が多いため大量のプロジェクトが同時に走っており考えることに事欠かない。しかも、どのビジネスも奥が深い。カーボンナノチューブをつかった次世代半導体を作っているといわれても最初は「ハ?」である。こういうのを理解するために勉強するだけでも、新しいもの好きとしてはとても楽しい。
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いや~、本当に楽しい。こんな話をしたら、無限に続けられそうな気がするので今回はこの辺で(笑)
明日の仕事も楽しみだなあ~。