お知らせ

こちらは、2007年に明治大学の社内広報誌 M STYLEに連載した「MESSAGES FROM HARVARD」からの再掲になります。

社会人日記 コンサルティング編

ベンチャーでの仕事を離れて一息つく暇も無い間に、2週間の新人研修がフランスで始まった。急ピッチで戦略立案や問題解決の進め方を叩き込まれると、すぐに帰国して実践開始だ。「大手家電メーカーの新規事業戦略立案だ。3ヶ月後に執行役員に報告する。今からクライアントとミーティングがあるから、すぐ来てくれ。」

経営コンサルティングとは、「バイクの世界シェアを10%伸ばすにはどうすればいいか」など様々な課題に対して、3~5人のチームで3ヶ月間程度かけて解決案を提示するという仕事だ。よって、顧客、仕事内容、勤務場所(顧客のオフィス)、プロジェクトの仲間の全てが3ヶ月ぐらいでガラリと切り替わる。目まぐるしく転職し続けているような感覚だ。

この仕事は、経営を学ぶという僕の目標にもってこいだった。若いうちから、経験豊富な経営者の方々と悩みを共有し、本質を考えるという姿勢を身に着けることができたし、早くから部下をマネジメントするという経験ができたのも非常に良かった。もちろん、都合のいいことばかりではない。重要な意思決定に関わる事が多いため、新入りであろうと責任が重くプレッシャーも大きいし、睡眠時間2~3時間が続く中でも集中力を維持しなければならない。でも日々の成長への実感が、僕に何でも笑い飛ばしてしまう力を与えてくれた。

ちなみに、戦略グループの中で、明治卒しかも浪人・留年、クラブ・ゼミなしという履歴書の持ち主は歴代で僕だけ。でも学生時代に好きなことを必死でやってきたおかげで、好きなことだけは他の人より上手にできる。そう分かっていたから気にしなかったし、実際のところ履歴書は実績で上書きすることができた。得意なことが一つあれば、結局何とか生きていけるものだ。

僕は入社当初から、そのうちグローバルな環境でビジネスを勉強し、広く世界に貢献できる人間になりたいと思っていた。そして無謀にも、過去100年間明大卒が1人もいない、ハーバード・ビジネス・スクールに挑戦することになったのである。