お知らせ

こちらは、2007年に明治大学の社内広報誌 M STYLEに連載した「MESSAGES FROM HARVARD」からの再掲になります。

社会人日記 ベンチャー編

学生時代の僕はインターネット教育の普及の仕事に躍起になっていたのだけれど、交換留学でコンピュータ・サイエンスを学んで帰国した1999年には、インターネットビジネスに目を向けるようになっていた。そこで、まずは勉強になる仕事をしてみようと思い、マイクロソフトのインターンに挑戦してみたのだった。マイクロソフトの大組織に感銘を受ける一方で、僕はすぐにもっと発展途上の会社にも挑戦したくなった。そして僕は、友達のつてでインターネットベンチャーの立ち上げに参加することを決意する。

ベンチャーの世界には目を見張るような光景が広がっていた。凄まじい活気とスピード感。日々拡大するビジネスの規模、新しい提携、次々と立ち上がるサービス。成功を夢見る元経営コンサルタントや学生が会社に住み込んでいて、寝るのも惜しんで生き生きと働いている。学生であっても当然のように一人で大手企業に営業に行ったり、一人でシステムを設計・構築したりしている。個人の能力面でも責任範囲でもいわゆる「学生バイト」じゃない。こりゃ、大変なところに来てしまった!

そんな僕も、授業でオフィスを離れる以外は仕事に打ち込むようになった。僕たちの会社も順調に成長し、エンジニアだった僕の仕事の幅もどんどん増え、仕事はエキサイティングになっていった。

営業、提携交渉、顧客への対応、日々の業務管理、コンサルティング、マーケティングセミナー運営など、なんでもやった。英語が少し話せるという理由だけで海外のベンチャー視察のたびに出るなど、いつも無理なことばかりしていた気がする。でも、おかげで様々なスキルを短期間で身に着けることができたし、自分の経営面での経営不足も痛感した。

ベンチャーでの仕事は本当に楽しかった。でも僕は、より体系だった経営手法を学ぶため、卒業と同時に経営戦略のコンサルタントとしての道を進むことを決意したのだった。

(次回に続く)