Entries by yokichi

搾取されないためには選択肢を増やすしかない

ブラック企業は今後とも蔓延するだろう。政府は今後ともサービスの質を改善することなく増税し続けるんじゃなかろうか。 そう思う理由は、こんな感じ: ブラック企業も、日本政府も、慈善事業ではないのでプロとして合理的な取引をしているだけ。取引では、交渉力のある相手が、交渉力のない相手から、限界まで搾取するのが基本。 多くの日本人には選択肢がないので、交渉力がない。(収入を正当化するスキルがないこと、意思決定時にリスクとリターンのバランスを取れないこと、日本語以外で実務上のコミュニケーションが取れないことなど、色々な理由によって。) 僕が思うに、ブラック企業が成立するのは、企業が悪である時ではない。企業は社員の交渉力に応じて自然な反応をしているだけだ。社員がブラックなほどに選択肢がない時にのみ、ブラック企業は成立する。搾取しても、どうせ社員はいいなりで、やめないからである。 税金あたりの国家サービスの質がこれから下がり続けると思うのは、政府が悪だからではない。国民が日本を出る選択肢がない時にのみ、政府は多額の財政赤字を補填するためにどこまでも増税することができる。搾取しても、どうせ日本国民は言いなりで、出て行かないからである。予算を削ったりするメリットは政府にはない。 日本政府や日本のブラック企業に文句を言う人が多いが、政府や企業は「選択肢が少ない交渉相手に対応したフェアな取引」をしているだけだ。 参考: 選択肢に応じたフェアな取引とは 取引の交渉時に搾取されないためには、選択肢があることが重要。 たとえば、あなたが1億円のダイヤを持っていたとして、あなたは10分以内にそれを必ず売らなければならないとしよう。それが本物かを鑑定できるのがあなたの周りに僕しかいないとしよう。僕は一億円の価値があると知っているとして、僕はいくら提示するか?それは、必ず1円である。なぜなら、あなたには他の選択肢がないと僕は知っているからだ。よって、他の選択肢である0円に1円を足せば、取引が成立する。僕が慈善事業ではなく取引をしようとしているのなら、親切に1億円を提示する理由はまったくない。 しかし、僕の横に、もう一人鑑定できる人がいたとしたらどうなるか?そうすると、あなたには「もう一人」に売るという選択肢が生まれる。交渉力は完全にあなたに移行する。あなたは、限りなく一億円に近い価格でそのダイヤを売れるだろう。なぜなら、僕は9999万9999円で買っても利益がでるからである。 あなたが搾取されるとしたら、それがあなたの実力だからではない。あなたに選択肢がない時には、あなたの価値は限界すれすれまで低く扱われるのだ。 まず、自分の問題であると認識しなければ始まらない 政府やブラック企業を憎むのは依存しているからだ。本人に選択肢があるなら、憎む前にとっくに笑顔で他の選択肢を選んでいることだろう。日本がダメだ、企業がダメだと言いながらそこに残るのは、それが自分が選んだベストな選択肢であるから、そこから離れないのである。 本来は、憎むどころか最愛の選択肢だ。その交渉相手の性質を否定したところで、短期的にすっきりするぐらいの効用しかない。 まずは、相手の問題ではなく自分の問題だと捉えなければ、状況を変える第一歩は踏み出せない。 選択肢は、得ようとしなければ得られない ちなみに、真面目に税金払ったり、上司の顔色伺って死ぬほど働けば、いつか理解してもらって待遇が改善する、と期待するのは無駄というものだろう。 選択肢というのは、意図的に獲得するための活動を行わない限り獲得できない。やれといわれたことをやることが、選択肢を生み出すとは限らない。むしろ、彼らは「ありがとう」と言いながら永遠にあなたを搾取するだろう。 何をすれば選択肢を得ることができるのか・・・これはそんなに難しい問題ではない。友人などの話を聞いても、本当は何をすればいいのか、知っていることがほとんどだ。ただ、本人が「仕事で忙しいから、○○する時間がない」とか色々な言い訳をして、なかなか時間配分を変えようとしない。(・・・というと、具体的に何をすれば教えてくれないと何もできない、という人がいるが、大人の目標や状況を一般化してどうすればいいのか教えてくれるのは自分の親ぐらいしかいないでしょう) 交渉力がない人の多くは、極端に武器がない丸腰状態だ。武器を得るのは楽ではないが、時間をかけて、意図的に努力する人だけが、強みを構築できる。誰も守ってくれない世の中では、そうやって強くなるしか道はない。色々な理由をつけては「それはできない」というのは、結局は真剣に選択肢を得たいと思っていないか、交渉における選択肢の圧倒的なインパクトを理解していないのではないだろうか。 交渉の原則を変える方法はない 「そんなことをいっても、多くの人には交渉力を得るための努力はできないんだ!選択肢など強者の論理だ!」とか、「環境が恵まれている人だけが選択肢を得られるのだ!」という話はわかるが、僕が話をわかったところで交渉相手は考慮してくれないだろう。 泣いても笑っても、大きく見れば、働く条件というのはあなたのプライベートな時間を単価いくらで・どんな条件で取引するかという交渉で決まるという事実を誰も変えることはできないし、交渉には選択肢が必要というルールを変えることもできない。 交渉とは、戦いなのだ。相手が慈善事業でないなら交渉の場には血も涙もない。あなたは人生の限られた時間を売るプロであり、相手はそれを買うプロなのである。 これは日本だろうと何だろうと、万国共通のルールである。 残念ながら、「交渉力を得る努力をしたくない。でも有利な取引がしたい」、なんて甘い話は、世界のどこに行っても許されないのだ。 選択肢は、持っているだけで効果がある 僕は、会社を辞めろとか、日本を出て行け、という極端な話をしているのではない。ただ、必要ならば、そういう選択肢を実行できる状態にさえしておけばいいのだ。 「選択肢」というのは持っていること自体が交渉力を決定する。だから、交渉上、核爆弾は持っている事が大事なのである。使うことではない。もし、ほとんどの人に、会社を辞める交渉力、国を出て行く選択肢があれば、それだけでブラック企業は淘汰され、日本政府は改善される。 プロ同士の交渉では、「辞めたくない(日本を出る気がない)から選択肢を持つ必要はない」とはならない。使わなくても選択肢は得なければならない。相手もプロである以上、選択肢がなければ、猫かぶっても搾取されるだけである。 まとめ 会社で働くとか、税金を支払うというのは取引の話をしている。 取引というのは交渉力で条件が決まる。 交渉力というのは、選択肢の強さで決まる。 選択肢は、得ようと思って意図的に行動しないと得られない。 というわけで・・・ これは強者の論理でも何でもなく、誰でも知っている交渉の一般的な論理です。あなたが何かを買うとき、他の選択肢と比べて出してもいい価格を決めているのと基本的に一緒です。相手が個人でも法人でも政府でも選択肢がなければ交渉力が圧倒的に下がり、言いなりになります。 ここでその一般論を適用したのは、日本人の多くには今後も選択肢がないことが、現時点では企業や政府にはすでにバレバレだから、彼らはそう簡単に変わらないからです。企業は雇用の流動性が低いのを知っているし、政府は二重国籍を禁止して交渉力を奪っています。搾取される側が交渉力を意図的に伸ばさない限り、今後もブラック企業は蔓延し、これから政府が予算を削るより増税することになるでしょう。 苦しい状況にある人には、交渉相手が悪だという前提は一旦横に置いておいて、自分の選択肢が取引相手の交渉力を決めるという事実について考え、建て直しの戦略を本気で考えるべきだと思います。(企業が相手なら、上司の言いなりになることや、ブラック企業間を転々とすることが、交渉力を向上するとは限りません。) これから仕事をする皆さんには、搾取されている人たちが苦しんでいる要因を、感情論だけでなく、構造で理解し、どのように搾取されないポジションを確立するかを考えて欲しいと願っております。 追記 これは強者だろうが弱者だろうが、交渉する人全員に当てはまるメカニズムです。あなたがこの考え方が好きだろうと嫌いだろうと、間違っていると思おうと思うまいと、これは僕の考えではなく交渉の基本的なルールで、交渉について勉強すれば最初に書いてあります。 全てのルールには、ルール自体が気に入らない人がいます。ここで大事なのは、「これがルールであるという現実を認めるという恐怖」と戦う勇気があるかどうかです。「それは強者の論理だから弱者には関係ない」という考えを捨てる勇気を持たずに、状況を変えるのは本当に難しいでしょう。 環境とか構造とか仕組みとか、そういう難しい何かが悪いのもそのとおりなんです。違法なことをしている企業は是正されるべきです。団体で交渉してなんとかなるならすればいいでしょう。他にも色々そういう細かい話はありますし、こうした社会的要素は解決されるべきです。ただ、環境を批判するだけで何もしないのであれば、自分だけでコントロールできる要素も実はかなりあると思って行動するべきではないでしょか。 「自分が不幸なのは自分のせいではない」と叫ぶことは、自分の人生の手綱から手を離してしまったのと一緒です。まさにそのプライドと自己肯定が次の一歩を踏み出す勇気を奪い、人を不幸な状況に閉じ込めるのです。まして、苦しみながら弱者の地位から抜け出す努力をしている人を横で見て、上から目線で達観しながら、自分の人生あきらめたような事を言っても寂しいだけです。 苦しいと思っている人は、まず落ち着きましょう。そして、構造を解明しましょう。これがルールであるという現実を直視する勇気を持ち、自分の力を信じ、自分はどんな選択肢が生み出せるのかを考えて欲しいのです。必要なのは被害者意識ではなく自分の人生に対する当事者意識ではないでしょうか。その手でなんとかできると信じなかったら、なんとかする力すら生まれません。 ほとんどの事は自分の手にゆだねられているし、正しいアプローチがあればきっと何とかできるものだと僕は信じています。

講演予定 12/18 @ MIT

今週末はMITで講演します。後半担当。 「楽しみにしています」と言って頂いていますが、何を話すかまだ考えてません。準備も absolutely ゼロです。アドリブだけで話すかもしれません。そんな感じで、かなりぬるい感じです。ヒマならどうぞ。 (明治大学の来年前期の国際キャリア特論での講演も依頼されておりますが、それはまた追って。) 以下コピペ —– ボストン日本人研究者交流会月例の講演会のお知らせです。 12月18日(土)に開催する年末の研究者交流会では、「卵子・ 精子」と「ベンチャーキャピタル・カーシェアリング・就職活動」に関する二本の講演を行います。是非奮ってご参加くださいませ。参加のお申し込みは下記Webフォームよりお願いいたします。 http://www.boston-researchers.jp/wp/registration 日時:2010月12月18日(土)16:00より(受付開始15:30) 16:00 – 講演1:「卵子・精子とそれを用いたバイオテクノロジー」 遠藤墾さん 17:00 – 休憩 17:30 – 講演2:「ベンチャーキャピタルとかカーシェアリングとかアメリカでの就職活動とか」 古賀洋吉さん 19:00 – 懇親会 会場: MIT E51-149 http://whereis.mit.edu/?go=E51 申し込み期限: 12月16日(木)午後9時 (座席に余裕が無い場合、事前申し込みのない方の参加はお断りする場合があります。ご了承くださいませ。) 会の運営のため、講演会のみの参加は5ドル、懇親会も参加される方は20ドルの参加費をいただいております。参加費は当日に現金にてお支払いください。どうぞご理解とご協力をお願い申し上げます。 是非メーリングリストへご登録下さい(このメールをyahoogroupsから受け取っている方は既に登録済みですのでその必要はありません)。登録方法はこちらです。http://www.boston-researchers.jp/wp/maillist —-

Harvard Primal Screamに行ってきた

ハーバード大学の伝統、Primal Screamに行ってきました。告知しまくってしまった以上、ネタ的に行っておこうということで(笑) Primal Screamというのは、ハーバードの学部生(=院ではない)の一年生の洗礼的な行事です。最初の期末試験が始まる前夜の日曜の夜12時に、有志の学生が極寒のボストンにあるキャンパスを素っ裸で二週走るというイベントです。 12時前になるまで、キャンパスはしーんと静まり返っていて、「あれ~、雨天中止なのかな。日本人に告知しちゃったから、悪いことをしたかなーと思っていた。(これは、一般に告知されるイベントではないので、僕の話を聞いて駆けつけた人もいるはず) が、12時前に、突然バンド隊が30人ぐらいで現れ、John Harvard像の前で、賑やかな演奏を開始。それからすぐに、Primal Screamが始まった。 結論からいうと、壮絶な光景であった。 数百人が、大量の見物客のカメラのフラッシュを浴びながら「ウォォォ!」と大声で叫び、雨の中を完全全裸で全力疾走。 無駄にすごい連帯感。 そしてすごい勢いで意味不明。 様々な人種が全裸で目の前に押し寄せてくる光景は、とにかく壮絶、としか言いようがない。 女の子は少ないかと思ったが、ぜんぜんそんなことはない。少なくとも3割はいた。もちろん、女の子も完全に全裸である。このオンラインですべてが一瞬で共有される時代に、男はまだしも女の子まで(1年生だから18歳ぐらい)、カメラで写真を撮られながら平然と全裸で走るあたり、ハーバードの学部生、まじで根性ある。ちょっと尊敬した。 でも、その根性出す場所が、全裸疾走であるあたり、本当にアホだこいつら、とも思った。 いやー、とってもインパクトのある光景でした。 写真がなくて残念でした(さすがにここに後輩の全裸を載せないでしょ)! これに参加したい君、この光景を見たい君は、ぜひハーバード大学に入学してネ!harvard.edu で、今すぐ君もApply!

Harvard Primal Screamは今夜12時、ハーバードヤードです

問い合わせが多いのでお答えします。 ハーバードの学部1年生たちが素っ裸で走り回るイベント、Primal Screamは、 今夜の夜中の12時、ハーバードヤードです。 僕も行ってみようと思ってます。 参考: ハーバードでは試験中に全裸で校内を走るのが伝統

Harvard Primal Scream

ハーバードでは試験中に全裸で校内を走るのが伝統 で書きましたが、ハーバードでは学部生が真冬に素っ裸で走ります。 今年もその季節がやってきました。 今週末の12日だそうです。

幸せのキャパシティ

あなたには、愛する人も、大切にしている人も、誰もいない、と仮定します。で、一兆円もらったらどうします?死ぬまでに、自分のために、全部使わなければならないとして。 まあ、とりあえず仕事はやめるかもしれませんね。それで? 豪邸でも建てますか? でも一人で大きな家に住んでもねえ。家がたくさんあっても仕方が無いし。それで? おいしいものでも食べますか? でもねえ・・・あなたの好きな食べ物なんですか?それ、100倍のお金出したら、100倍おいしくなります?難しいですよねえ。本当においしいものは、大量生産されて、安く手に入っちゃいますからね。あまりおいしいものばっかり食べてたら、すぐ死ぬし。それで? じゃあ、無理して高いものでも買います? うーん・・・高くて消費できるもの・・・違法な麻薬とかだったら高いけど、中毒になったら意外と不幸だしねえ。それで? それだけの大金があればけっこう幸せになるのはなるだろうけど、無限に幸せが増えていくわけじゃない。むしろ、あっという間に幸せが飽和してしまうだろう。 所詮、自分ひとりを幸せにするなんて、上限にすぐ達してしまう。幸せの器というものがあると、そのキャパシティがいっぱいになっちゃう。人間一人だけだと幸せのキャパシティが少ないので、あっという間に飽和した後、幸せはあふれ出て、流れて消える。 じゃあ他の人のために使いますか?でもねえ、誰も愛していなかったら、別に他の人のために使っても、幸せにはならない。これが、自分のことしか愛していない人の幸せのキャパシティの制約だ。 お金だけではない。全てにおいて、自分の利益にしか幸せを感じられない人は、大して幸せを満たすことはできない。 — 一方で、他の人の幸せを、自分の幸せだと思える人がいる。そういう人は、そんな簡単に幸せが飽和しない。他人の幸せのキャパシティを、自分の幸せのキャパシティに加算できる人は、幸せの器のキャパシティがとても大きい。自分の器が一杯になったとしても、他人を幸せにし続けることで、どんどん幸せを感じることができるのだ。 多くの困った人を助けようとしてがんばっている人は、大変なこともあるだろうけど、とても充実したいい笑顔を見せる。例えば、不幸なアフリカの子供たちのためにがんばっている人とかって、めちゃくちゃキャパシティが大きいわけです。たくさんの空っぽの器に、たくさんの幸せを注いでいるから。 きっとそういう人の器は大きすぎて、死ぬまでいっぱいになることはないだろう。がんばってもがんばっても苦しい子供たちがいるからね。ああ、幸せになった、と思うことは、たぶん一生ない。それでも、そんな大きな器を持った人の人生は、きっととっても充実したものだと思う。だって、普通一人ではもちきれない大きな器に、とんでもない量の幸せを注ぎ込んでいるのだから。 自分がとてつもなく幸せになる一番良い方法があるとすると、とてつもなく多くの幸せを自分のことのように感じ、彼らの幸せの器をできるだけいっぱいにして生きていく、ということなんじゃなかろうか。 仕事の上でも、プライベートでも、そういう風に生きていけたらなあ、と思う。

日本に貢献すること、世界に貢献すること

僕は、日本のことが大好き。日本のために何かしたいと思うから、仕事もプライベートもできるだけ日本に関することに時間を割くようにしているつもり。 でも、日本と関係ない仕事をすることもある。それも、とっても楽しい。 ただ、人によっては、「日本人なんだから、日本にいて、日本向けの仕事をするのが最低・当然の義務だ」と思うひともいるようだ。日本と関係ない仕事をするなんて、日本人として許されん!と言うわけです。 そんな人が多いものだから、僕のところに「こんなことがやりたいのですが、日本にあまり関係ない仕事なので、日本人として諦めるべきでしょうか・・・」なんてキャリア相談がきたりする。これは深刻な事態だ! 僕は、「日本人だから日本に貢献しなければならない」とは全く思わない。日本に貢献しようと、日本以外に貢献しようと、どっちでもいい、と思う。だから、そうアドバイスする。 そんなわけで、今回は、なぜ「どっちでもいいか」・・・つまり、「なぜ日本が常に優先されるべきだと思わないか」を説明したいと思います。 では、おもいつくまま、バラバラと、極論を言いますのでよろしくお願いします・・・(笑) 前提: 物理的に日本にいる=日本に貢献、ではないのでよろしく まず、そもそもの日本に貢献するというときに、物理的にどこにいるかは関係ないと思いますので最初にはっきり言っておきます。 海外に住んでいる人がスピーチとかすると、「なぜあなたは日本にいて日本に貢献しないんですか」という質問がでるのを見る。僕から見ると、そういう質問をうける人は大抵日本にいないだけで日本に貢献している。反対に、質問をする人が何かしているかというと、それは「他人事」であることが多い。 日本に物理的にいれば、海外で日本のためにがんばっている人よりも、無条件に日本をよりよくできているということ?だとすれば、どのように?税金を払っているから?でも赤字国債が大量発行されている以上、ほとんどの人は税金を払うより税金をたくさん使っているのだから、税金的にはむしろ日本にいないほうが日本に貢献しているかもしれない。税金を食いつぶしていながら、外貨を稼いで日本で消費している人より貢献していると思われても困る。日本のGDPを増やすことも、海外からでも余裕でできるし。 日本にいさえすれば貢献している、というところで思考停止していたら、何も変えられないのではないだろうか。 とにかく日本人さえ助かればいい=単なるエゴでは? 僕は、日本人だから日本に貢献しなければ許されない、という考え方は、日本人のエゴだと思う。 恵まれた日本に住みながら、「日本は苦しいんだから、お前は日本に貢献しろ!」って?そんなの、派遣村で「オレ家がないんだから食べ物出せよ!」とキレている人と同じで、自分のために何かしない人が気に入らないだけではないの? そういう貪欲な人たちは、何をやったって満足させることはできない。そういう人が押し付けてくる「道義」という呪いのために生きたって、使い捨てられるだけだろう。 困っているのは日本人だけではない。幸せになりたいのは日本人だけではない。日本人が神に選ばれた民なのであればわかるが、そうでないなら、とても恵まれた国に生まれた日本人が、どんなときでも無条件に優先されなければならないのだろうか?アフリカで飢餓、疫病、エイズなどに苦しむ子供のために日本人が心血そそいでがんばってはいけないのだろうか? 日本を愛しているから日本のために何かしたいと思うのは当然だ。しかし、人種や肌の色で人間の待遇を変えるのを、「当然の常識だ」といって人に押し付けていいとは思わない。それは、単なる差別ではないのか。 そもそもね、自分さえよければいい、家族さえよければいい、生まれた地域さえよければいい、自分の国さえよければいい、人類さえよければいい・・・そんな人ばっかりだったら、世界なんてすぐ滅びちゃうよ(笑) 日本に関わる仕事をしないことだって日本に貢献している 世界のためにがんばっている、日本では有名ではない日本人がいる。彼らは、日本を尊敬される国にしている。 日本人が彼らの活躍に興味がないという理由だけで、そういう人に対して、尊敬のまなざしを持ってはいけないのだろうか? そういう人が増えてこそ、日本は尊敬される、リーダーシップのある国になるのではないだろうか? 日本人はすでに海外の貢献で生活している 今日あなたが食べた物、日本で作られてます?あるいは、日本人が考えた料理ですか? この文章を見ているということは、あなたはパソコンや携帯を使っているということですが、それ、誰が設計し、製造したのですか? 僕たちが日々消費・利用しているものが、どこから来たのかも、実はよくわからない。それぐらい、僕らは世界の皆さんにお世話になって、そのおかげで豊かな生活をしているのです。そもそも資源がない国なのだから、海外に貢献しないで豊かに生きられるわけがない。 結局、すでにお互い貢献しているのであって、どっちに貢献とか目くじら立てて語るほどではない。 世界に羽ばたく才能を捨てる必要があるの? 例えば、あなたに世界で多くの命を救える力があったとしても、「日本人だから」という理由だけで、なぜあなたのすばらしい力をゴミ箱に捨て、世界に貢献せずに死ぬ必要があるのだろうか?それぐらいなら、世界のために才能を発揮して、日本のすごさを世界に伝えたほうがよっぽど日本のためなのではないか? 現実を言うと、本当に優秀な人は、たった一つの国のレベルではなく、世界に求められてしまうんだよね。 日本人であるというだけで出せる価値だってある 先進国では使い道のないような技術が、途上国では命を救ったりする。先進国の人は途上国の人が困っていることを知らないし、途上国の人は先進国にそんな技術があることも知らない。そして命が失われ、今日も世界は回っている。 僕たち日本人の知っていることは、僕たちが興味さえ持てば、他の国でとても役に立つかもしれない。人任せにしていたら、世界は変わらない。 日本人が出せる価値によって世界をより良く変えていき、充実感を感じることは、間違っているのだろうか? 「海外の人のハートの動きを感じられない」人の価値観にあわせるべきなのか 国境の向こうで起こっている喜びや悲しみに関心を持てば、「日本に貢献しなければ裏切り者」だなんて意見はでてこない。たとえば、世界中にすばらしい友達ができたら、彼らのために何かしたいと思ってしまうだろう。 日本人として日本を心配しなければならないのは当然だが、地球人として地球人を心配することだって、とっても自然。 僕の中では、グローバルというのは、ハートの問題だ。他の国の人たちの喜怒哀楽に同調してハートが動く人が、グローバルな人間なのだ。その感覚は、そのハートを持っていないとわからない。そのハートに従って生きることの、何がいけないのだろう?どうして、それが分からない人の価値観に合わせて生きなければいけないの? 海外に逃げただけ?そんなに甘くはない 海外に出たくても出られない人が、海外に出た人に、「ずるい。お前は逃げた、お前は日本に対して無責任だ」と批判したくなる気持ちはわかる。 でもね、はっきり言うけど、海外脱出なんてそんな嫉妬するほどロクなもんじゃないよ。日本にいる人にはわからない、惨めな気持ちを味わいながら、歯を食いしばらなければならないことが、たくさんあるのだから。「逃げた逃げた」と言うけど、じゃあ海外に逃げてみなよ、きっと日本に逃げ帰ることになるから。家族や友達と離れて、生活環境が違う海外で生活するというのは、大変なことなのだ。ちょっと子供の世話を実家に頼みたいなんて些細なことですら許されない世界なのだ。 そんな苦しい状況で、信念を持ち、日本人の看板を背負って戦っている人たちを、なぜ快適な日本にいながら無条件に批判できるのだろう。 日本以外に貢献する=愛国心がない?それもそんなに単純ではない 僕は、愛国心と、世界への貢献は、同時成立すると思っている。 そもそも、世界のために何かしている日本人が、日本を愛していないなんてことがなぜ言えるの?故郷を離れたから、故郷への愛がなくなるなんてほど、人間は単純ではないよ。たとえ国籍を変えたって、故郷はいつまでも愛する故郷だと思う。 海外にいる日本人が愛国心がないと思うなら、一般的には逆である。海外にいると、自分が日本人であるという現実を毎日突きつけられる。海外に日本のすごさを伝え、時には擁護しながら生きるのが日常となる。だから、むしろ日本への愛をはっきりと認識するようになるのだ。「日本人である」というのは、相対的概念であるからこそ、日本を出たことでそのすばらしさを認識するのだ。 僕が知っている人で、日本のことを心から心配し、本気でアツく語る人は、ほとんどが物理的に日本に住んでいない人である。一方で、日本にだって、日本に住んでいるだけで、日本のことに文句ばかり言って、心では日本を捨てている人がごまんといる。 本当に大事なのは国境や書類上の国籍ではない。大事なのは、日本人であるというアイデンティティや誇りだ。 国境などという細かい単位で物事を考えるのはスケールが小さすぎるのでは 国境なんて誰かがひいたあいまいな線で、そこに意味などない。なぜそんなにこだわらなければならないのだろうか。 なぜ生まれ育った家、村、町、区、都道府県を移動して貢献することが許され、国境を越えると裏切り者なの?国境の向こうで悲しんでいる人がいたら、その誰かが決めた線の都合で、助けてはいけないの?住民票を切り替えるのは裏切り者ではないけど、国籍を書類上切り替えるのは裏切り者なの?なぜ?飛行機や船が発明されたのが遅いから?国境を変えられないから?あなたが国境に縛られ、依存しているから? 僕たちの人生にとって大事なのは、「何をしようとしているか」だけなのではないの?それが国という誰かが決めた線によって変わるのであれば、所詮はその程度のものなのではないの? 全ては、信念の問題である […]

Twitterで行く! ハワイ4日間の旅

えー、みなさんご無沙汰しております。みんな元気にしてますか? 最近、皆さんへのメールの返事などが滞っておりました。すみません。 ようやくプライベートな時間がとれるようになってきたので、久しぶりのブログ。なのに単なる旅行記ですみません。僕の小学校のときの友達と、僕の韓国人の友達が結婚することになったということで、式場が第三国のアメリカ・ハワイに選ばれ、呼ばれたので、ちょっと早く遊びにいったというわけです。 で、ハワイにはかなり久しぶりに行くので、どこに何があるのか、わからん!そんなときはTwitter。フォロワーの皆さんに聞けば、世界の大体のことがわかるので、みんなに聞きながら旅したら、一人旅なのに、何この盛り上がり! ※ 基本的に、今回の日記はほぼ全て僕がTwitterでつぶやいたものです。 出発 つーわけで、仕事で忙しいのでホテルも何もとらずに、どこに行くのかもわからぬまま、体ひとつでハワイに出発。 9月5日 ホノルル空港 ホノルルに到着。うーん風がさわやかだ。このへんからぜんぶTwitterで実況中継です。 Honoluluついた。風が爽やかだよ! ハワイは小笠原諸島の一つだから東京都だよね? MuppyxMuppy: 桃鉄だと日本領ですよ^^;。 そういえば、ここに来る途中は青いマスが多かったです。 飛行機の預け入れ荷物が紛失しなくて感動した。どうせなくなると思って直近使うものは手荷物にしたがまさか届くとは!。。。という期待値の低さがアメリカ生活には必須です。 レンタカー。最安のを選んだがむしろ保険が高いんだよね。 ホテルもさっき最安のを適当に予約という行き当たりばったり感。面倒だから野宿を検討したが大人だからやめた。 ハワイって何があるの?泳ぐの? @tak1985 ハナウマ湾綺麗でしたよ。ワイキキからも近いです。 じゃあ今からそこに行きます! Hanauma Bay Hanauma bay なう。 スノーケリングレンタルが終わっていたのでハナウマベイ退散。 ハナウマベイメモ。入場は6-19時。入場料$7.5だが4時以降は無料。10分のムービーみるの必須。スノーケリングレンタルは7-17時、1日9ドル。ロッカーは一日5ドル。 何をすればいいのだろう?とりあえず太陽に向かって運転すれば夕陽が見られるかな? ということで、太陽に向かって運転開始。 オアフ島西の海岸 夕焼け間に合ったよ! kubothink うわー、めちゃめちゃ綺麗!期待通り夕陽ショットありがとうございます! あぶなく間に合わないところだった。西に行けばすぐとおもったら思ったよりでかい島だった。 さようなら夕陽。 やばい、ぶらり途中下車の旅のノリでノープランでハワイに来たら何をしていいのかわからない。 etsuji:カイルアのとなりラニカイに行ってみてください。午前中に行くといいですよ。魚も見れるし、ハナウマみたいに人が多くない。ゆっくりした時間が過ごせます。午後になると観光客が増えてしまうので、是非午前中に。 tipsyakey: 海がものすごくきれいだし、遠くに双子島が見えます。真っ白なビーチには人が少なく、トイレすらありませんでした(2007年当時)。RT @etsuji カイルアのとなりラニカイに行ってみてください。 marimoCA: うちもそうやって徘徊してるうちに、Huli Huli Chickenなるものに出会ったのですが、絶品でございましたよ。 uejp プールなどあるテーマパークとか。。。http://www.wetnwildhawaii.com/ mahimahi ダイアモンドヘッド登山 OptCamo: ハワイはけっきょくエビがウマかったことしか覚えていないです・・・。どなたかのブログのコレ→ http://bit.ly/b4v9Af inamiwa: 昼間はハナウマベイ、ノースショア、ダイアモンドヘッドホン、ココヘッド。夜景はタンタラスの丘へ!ハワイの自然をぜひ! hkmurakami ベタですが、真珠湾の世界大戦系の展示や博物館なんてどうでしょう。 […]

七夕の効果は絶大

実は、今年の七夕の日に、短冊を作ってうちの観葉植物にぶら下げたんです。 で、何を書いたかというと・・・ 「ちぇん太に妹を」 で、その翌日に、奥さんが体調が悪いのでまさかと思って調べていたら、なんと赤ちゃんができていることが判明しました。 何この即効性。 というわけなので、女の子だとはなんとなくわかっていたのですが、まさにたった今、超音波で来年の春に生まれる予定の子供を見てきて、次の子供が女の子であることを確認いたしました! やった!うれしい! いやーなんとなくわかっていたんだけど、違ったらどうしようかと思っていたので、実際に確認できて、ほっとしました。一人目が男の子だったから、女の子がいいなーと思っていたんだけど、願いどおりにいってとっても嬉しいです。50%の確率なんだけど、すごく人生に影響あるもんね。 だから、いま、とてもご機嫌です。奥さんもGood Jobです! うおー!まだまだ仕事がんばるぞ!!!

10月後半、また日本出張します

今月の後半は東京出張が入っています。 25日の週に、投資案件と提携案件に関するミーティングは2件ほど入れられそうですのでメールください。メールアドレスがわからないという方はコメントで。コンフィデンシャルである場合はメールアドレス(非公開)だけ入れていただければ、あとはお察いたします。 ただ今回は残念ながらお茶会や人生相談、恋愛相談、キャリア相談などのお時間は取れません・・・。