Drivemodeが日経 ITPro Android Application Award 2014 大賞に選出されました

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Drivemodeで先日採用したスーパースター2人が、Android Application Awardに勝手に応募して勝手に決勝にあがって、勝手に優勝して大賞をゲットしたと聞いたので自慢しておきます。自慢するといっても僕は一切何もしておらず、Joaoが応募したいというので、僕は手伝わないので勝手にやればといったら、Joaoの見事なプレゼンで2014年の多数の応募の中から大賞に選んで頂いたらしく、賞金ももらってグラビアイドルと写真撮影してルクセンブルグ行きもゲットしてご機嫌になっていると聞いて、手伝っておけば自分の手柄にできたのにという後悔の念でいっぱいです。

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グラビアアイドルの今野杏南ちゃんと共に幸せそうなJoaoと横幕君。奥さん・彼女に怒られてしまえばいい。

審査員の皆様、関連の皆様、応援していただいている皆様、どうもありがとうございました。他の優勝候補のプロダクトは本当にすばらしく、リリースすらしていないDrivemodeが勝つとは思わなかったと2人は言っています。運が良かったのもあるとは思いますが、日本のエンジニアが世界で活躍する場を作りたいというDrivemodeのビジョンと、世界で活躍しようとしている日本のエンジニアを支えたいという主催者の皆様のビジョンがたまたまフィットしたからこそこのようなもったいない賞を頂けたのだと思っています。「日本の技術を世界へ」というご期待にお応えできるように、僕たちはがんばります。

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Thank you!

 

※ ちなみに、Joaoのプレゼンがうまくいったのは、スティーブ・ジョブスの本「驚異のプレゼン」のおかげに違いありません。決勝プレゼン通知と共に送られてきたらしい  笑

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ハッカソンでフザケたアプリを作ってみた

シリコンバレーにいるのでハッカソンというものに出てみよう!ということで、面白半分にコネクテッドカーハッカソンに参加してきたのでご報告いたします。(ハッカソンというのは、一日など決められた期間内に、お題にそった問題解決の技術を提示するイベントである)

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コネクテッドカー関連はシリコンバレーでもホットなのでこういった車系のハッカソンがよくあるんだけど、なんか出たら勝てるんじゃない?ということでサンフランシスコまで行ってがんばってみました。

 

運転に関わる大きな悩みを解決する・・・それがお題である。

 

運転に関わる大きな問題とは何か?

 

運転中は、世界で何が起こっているのかわからないし、それがゆえに何も対策を打つことができない。

 

では運転中に起こりえる、最も重要な問題を解決するシステムを開発しようということになった。

 

だが待て!運転中に起こりえる最も重要な問題とは何か?

 

それ多くの人にとって、浮気がばれたかどうかに違いない!

 

そこで、われわれは、IMSORRYというシステムを開発した。IMmediate Significant Others Risk Reduction sYstem (恋愛・婚姻関係のある人物に関するリスクを即時削減するシステム)の略である。

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われわれのデモでは、ビルさんというきっと大統領ぐらいにえらい人が、ヒラリーさんという奥様の関係をマネジメントするすばらしいテクノロジーを披露した。

  • シナリオとしては、ビルさんがGoogle Mapsをナビ代わりにして運転しながら浮気相手と思われる家に向かっている状態を想定。
  • そんな後ろめたい気持ちがあるビルさんは、スマートフォンからIMSORRYシステムを起動する。
  • IMSORRYはヒラリーさんのツイッターアカウントのセンチメント分析をリアルタイムで行う。ネガティブなツイートを発見すると、運転中にGoogle Maps上に危険を知らせるアラートを表示して注意を促す。さらに、自動的に「Oh I love my wife so much」という取ってつけたようなツイートをビルのツイッターアカウントに投稿する。
  • ヒラリーさんからネガティブなメールが直接送られてきたときはGoogle Mapsの行き先が強制的に近隣の花屋に変更する。
  • 他にも色々やった気がするが忘れた。
というクソふざけたシステムを開発した。

発表して気づいたが、周りの皆さんはLeap Motionを使ってジェスチャーでリモートで窓を開けるとか、そういうガチなシステムを作っているではないか。

なんだこれは。アメリカ人たち、お前らマジメか!?何を実用性を重視しているんだ。僕たちだけ「おバカカテゴリーの人たち」みたいになって異常に浮いているじゃないか。

これはもうダメなやつじゃないのか。まわりのみんながものすごくマジメに開発をしている雰囲気の中で、実用性ゼロのものを優勝させるのって、審査員かなり勇気いるだろこれ。これはあかんやつや!!!

 

と思いましたが、結果は
  • 準優勝
  • IBM コネクテッドカー部門賞
  • ContextIO 賞
  • Automatic  賞
 

ということで、なんかよくわかんないんですけど色々もらったので、その日の夜はみんなで賞金で焼肉にいきますた。

やっぱりスタートアップは肉だね、肉!わはははは!ああ、おもしろかった。

 

Joao Orui と 横幕圭真を採用しました

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Drivemodeは今日もがんばっています。

さて、遅れましたが、今日は採用のアップデートであります!

 

起業時のチームメンバーは、

  • 古賀洋吉 (Globespan Capital, Zipcar, Harvard MBA) Designer & CEO
  • HK Ueda (Tesla Motors, Harvard MBA)Business Development & Strategy
  • Jeff Standard (スタートアップ色々, Kellogg MBA) Product Manager
  • 中河宏文 (Mixi, Cerevo, Miracle Linux) Engineer
でしたが、そこに
  • Joao Orui (Mixi) Engineer
  • 横幕圭真 (Mixi) Engineer
を追加いたしました。そろそろMixi出入り禁止になる日が近いです。二人とも、すごい会社からオファーもらいまくりでしたがDrivemodeに来てくれました。

DSC01308 右から中河さん、Joao君、横幕君

Joao Oruiの紹介
  • NHKで日本がいかにクールかを説明するコメンテーターを英語でやっているブラジル人。
  • 日本語も英語も完璧だし他にも色々話す万能グローバルマシーン。
  • エンジニアとしての腕×問題解決能力の高さ×視野の広さを持ち合わせたベンチャー向きのエンジニア。
  • 弱みの塊みたいな人が多いDrivemodeチームにおいて、人間としての完成度が唯一高い。
横幕圭真の紹介
  • Javaプログラマー試験を高校生で最年少合格するとかいう時点でもう通常の人間ではない。
  • たぶん人生でタイピングして書いた文字のアウトプット量が、発声による文字のアウトプット量を超えている。
  • 唖然とするコーディングの速さと新分野の学習能力。
Garage

 

早速アメリカに出張に来てもらいました。やっぱりシリコンバレーでは家を借りてガレージでミーティングするのが正しい。

 

 

「どこどこにシリコンバレーを作る」というお話

「どこどこにシリコンバレーを作りたい」といった話は、10年前から今まで何度もいろんな国の人が言っていて、全部が失敗しているんだけど、それはどういうお話なのかという事を適当に書いてみます。データでバックアップとかは割愛します、すみません。

さて、まずシリコンバレーとは何かというと、もちろん地域の名前なんですけど、イマ風に言うならエコシステム(生態系)というか、起業やITにかかわる環境としての全体的なお話であって、ベンチャーキャピタル(VC)や起業家といった個別の話ではないわけです。一瞬で頭の中をまとめただけなので抜けまくりかもしれませんがざっくり書くと以下のような感じです。

SiliconValleyChart

—-

「どこどこにシリコンバレーを作る」といった話を聞くと、上記の図のどこの部分の話をしているのか?というのが大事です。なぜならシリコンバレーというのはアメリカスタイルのVCが増えましたとか政府が特区を作りましたとかそういった個別の話ではなく、全体の話です。

これはバスケでいうと二つ目のNBAを作る!みたいな話で視聴者がいっぱいいるならできるんでしょうけどそんなにいないと一極集中しちゃうという事だと思います。ここでいう視聴者は資本市場であり、その中身は年金基金とかであって、彼らみたいなニュートラルな投資家のみなさんがシリコンバレーのサイズを決めているわけです。で、世界の資本市場レベルでみるとシリコンバレーというのは半径車で30分のちっぽけなエリアにとどまっており、それ以上のサイズに広がるだけの需要は資本市場はいまのところはありません。というのも、結局資本市場が見ているのはIRR(投資収益率)であって、必要以上に投資したらリターンが下がるだけである中、VCというのは上位5%~10%を除くと対してリターンが出ていないという世界で、そもそも一極集中は避けられないほどの規模です。そういった中で、あえてシリコンバレーの二つ目を作るとしてそれは資本市場の誰が求めているからなのか?というのが最初の重要な問いになるでしょう。

ちなみに、この規模が小さいがゆえに自然に起こった局地的な集中は、別に戦略的に作られたわけではありません。ITで成功しまくった人たちが増えるにしたがって、だんだん環境がイノベーションを起こして生活するみなさんに最適化されてしまい、もはやIT関係者以外の人たちには住みにくくレベルで謎の生活環境ができあがりました。やはりポイントはこの「利害関係者の種類が少なくなりすぎて、勝手にいろいろな環境が最適化された」ということであり、アメリカ自身も二つ目のシリコンバレーを戦略的に作ることはできていないわけです。結局、上記の図にでてくる様々なプレイヤーのうち、個別のプレイヤーがどうであっても環境としては変化していないわけで、だからといってみんながみんな、いっせーのせ、で、「一緒にシリコンバレーを作りましょう!」というのは難しいから、まだできていないということなんでしょうね。

ただまあやるなら、そこの地域にいるIT関係者以外のすべてのみなさんが激怒するような環境であることが大事だと思います。それが最適化ということであり、それが集中するということだから。

ちなみにぼくは、日本でシリコンバレーを作るのは無駄だといっているわけではないし、経済政策上もイノベーションを促進するのはとても大事なことだと思います。単に、色々な経験から、シリコンバレーみたいな環境というのは戦略的に作るものではなくて、自然と、勝手にできる類のものだ、と言っているだけです。そしておそらく多くの「どこどこにシリコンバレーを作る」と話は、わかりやすい目標としてそういっているだけで僕のこのマジレスは本質的ではないんでしょう。単に、もっとイノベーションが起こりやすい環境を整えやすくしましょうと言っているだけだと思います。そういう意味では、日本において上記のプレイヤーを個別に見たときにイノベーションの環境は過去5年で少しずつ良くなってきていると思います!

  • 政府:ポジティブ。さすがに大企業を守らないとか雇用を守らないみたいなやつは厳しいですが、それ以外はいろいろがんばっていると思います!(蛇足ですが、政府系ということで、産業革新機構がVCの民業圧迫という話をよく聞きますが、最近産業革新機構がVCに対して投資しているのは良いことである気がしています。そもそも日本では政府の公的年金がVCに投資しない、という問題があるので、それを補正する意味合いで良い役割を果たしているのではないですかね?)
  • ベンチャーキャピタル: ポジティブ。まだまだ銀行の延長のところも多いですが全体としては層が厚くなってきました。最近はシードからシリーズAぐらいが強い投資家がいい感じだと思います。
  • 起業家: ポジティブ。以前より優秀な人がベンチャーに行くことが多くなっている気がする。
  • その他のプレイヤー:個別に進んでいるところもあると思いますが全体としては現状維持っていう肌感覚であります。
というわけで、全体としてポジティブなので、日本のイノベーションの環境もこれからが楽しみであります。

以上、よく聞く話に対する僕の考えのまとめでありました。そしてこれを読んでいる方が「シリコンバレーを作る!」と言っていたらもちろんいちゃもんつけているわけじゃなくて、むしろ協力できることがあればさせて頂きたいと思っています!

それではみなさんごきげんよう!

MBAエッセイカウンセラー江戸義塾の実績が凄い事になっている

2008年とかに、MBA(または大学院留学)のエッセイ・カウンセラーの選び方という記事を書いたことがある。というか、「MBA エッセイ」で検索するとトップに来るのねこれ。

エッセイカウンセラーというのは、MBA受験の課題となっている小論文(エッセイ)にどう答えるかについてアドバイスをくれる人のことである。僕が受験していたころは2005年とかなのでもう10年近くも前になるのだが、僕はエド先生(江戸義塾)に見てもらった。

当時はインターフェイスというカウンセリング会社が人気で、エド先生を知っている人はあまりいなかったと思うので、そういう前提で上記の記事を書いたのだが、気づいたらエド先生の実績がぶっちぎりとなっているではありませんか・・・。

http://www.edogijuku.com/achievements.html

http://www.kkinterface.co.jp/mba-track-record/2008-2013/

いつの間にか、一人でやってるのに多数のカウンセラーを抱えたインターフェイスを凌ぐ実績を出している・・・。何より2013年だけでHBS合格者が6名って一体どうなってるの。インターフェイスは過去6年の合計で10人だというのに。おすすめはしていたけど、まさかここまで凄くなるとは。

というわけで、最初にリンクした元記事に、「これは2008年とかに書いた古い記事です。今となっては、実績・評判ともに、江戸義塾のエド先生が国内でぶっちぎりトップであると思われます。」という注をつけさせて頂きました。(笑)

実は、ここ数年エド先生は色々とプライベートでご苦労が続いていて精神的にも大変そうだったので、生徒の実績は大丈夫だろうかと心配していましたが、むしろブッチギリ結果を残しているあたり、やっぱり生徒を大事にする凄い人だと思って関心しました。

やっぱり信頼できる、すばらしいカウンセラーだと思います。やっぱり大事なことで付き合う人は信頼できる人がいいです。

シリコンバレーの車とITについてよく聞かれる話

基本的に仕事のことをブログには書かないのですが、車とITの未来について米国の動向はどうなのかという話を頻繁に聞かれるようになりました。僕はあんまりこのあたり調べているというほどでもないのですがいっぱいきます。ただちょっと個別に答える時間がないので、よくある質問とその答えをまとめておきます。

  1. 自動運転っていけてるの?
  2. 車のビッグデータ & OBD IIってどうなの
  3. OBD II を使ったUsage Based Insurance (従量制保険)ってはやってるの?
  4. AppleのCarPlayとAndroid Autoってもうすぐ出るの?
基本的に、この領域に詳しくない人がみても何を言っているかわからないと思いますので、興味のない人はスルーでお願いします!

1. 自動運転っていけてるの?

自動運転には、無人運転と、有人運転のアシストがあります。有人運転のアシストは果てしなく昔から研究されておりまして、実用化してなかっただけの技術がいっぱいこれから実用化されると思いますが、そこにはそんなにサプライズ要素はないと思われますし、いけていると思います。

では無人運転はどうなの?と言われると、状況は以下のような感じです。

技術は一般で期待されているほどには進んでない

Googleの自動運転エンジニアによれば、基本的に事前に道を覚えて、プログラムされたとおりにハンドルを動かしているだけで、道路工事があれば突っ込むし、他の車がぶつかってくればそのままぶつかるし、周りにあるのが人間なのかサボテンなのかもわからないらしいのですが、マーケティング担当の人の話を聞くと何でも出来るかのように聞こえてきます。つまりトップの指示で、できていない事ができたかのように報道しなければならない事情がGoogleにはあるということで。実際にGoogleのデモを見たりして現場を知っている自動車関係の人間から見ると、「さすがにあれは騙しているのに近くないか」という話がよくでてきます。

ただGoogleが発表している記事をよく読んでみると、「がんばっています」としか言っていません。よく読むと、どこにも「これができました」とは書いておらず、マーケティング用のイメージビデオなどを元に勝手に見た人が勘違いしているだけでGoogleは嘘はついていません。例えば「自動運転車が何キロ走行しました」とは書いてありますが、そのうちどれぐらいが自動の運転だったのかは書いていないし、「自動運転車は何年後に道路を走ります」と発表する時はそれが「Google敷地内の道なのか、一般道なのか」とかは決して言いません。上空から道を画像解析しているような動画とかを見ても、Googleは「こういう解析をできる」と言っているわけではなく、「取り組んでいる」としか言わないので、記事を読むと情報操作の巧妙さが勉強になります。ハンドルがない車のデモなども、別にそれ自体は何もすごくないですよね。ゴルフカートからハンドルが無くなったものと比べて何がすごいのかなど、技術的なところはさっぱりわからない告知になっており、冷静に考えると何も言っていないわけです。おじいちゃんが「ぜんぜん怖くなかった」といっているコメントを採用しているということは、なるほど一般的にはおじいちゃんが怖がっているということはわかります(笑)。

ただ僕がGoogleのトップだったらたぶん同じ事をすると思います。技術的にはもう色々できてるんだよというアピールをしてユーザーを盛り上げない限り、法制度が整わないからです。「うちはみんなの夢を実現する技術が完成しているんだけど政府がやらせてくれないんですよ~」というポジションを取るのが好都合だからです。もちろん普段はGoogleは出来てないことをできているかのように言うような事はあんまりしない会社なので、そこは法制度まわりでの苦労の裏返しではないでしょうか。

多くの車業界の人は、最近の無人運転車を作りましたみたいな発表を見ても「フーン、いいんじゃない、好きにすれば」という感じであり、「大変だ!」という車業界のリアクションを期待していたGoogleとしてもやや肩透かしだったのではないでしょうか。

法制度関連はかなり大変

運転に関する法律というのは野球よりもルールが細かく決まっており、かなり運用が完成されています。これを無人運転の法律と共存させるのはすっごい大変でしょう。事故の話だけとっても、必ず誰か死ぬのは避けられない世界を無人運転にするということは、プログラムが殺人の順番を決めることになります。突然飛び出してきたおばあちゃんを殺すべきか、おばあちゃんを殺さないように歩道に逃げて小さな子供を殺すか、それとも急ブレーキをかけながら隣の車に衝突させて隣の車が対向車線の車とぶつかって死ぬということにするか、というか運転手が死ねばいいんじゃないのとか、そういうコンピュータしか判断しえない条件下での意思決定を法制度に落とすのは至難の業だということです。そうなると、短期で自動運転技術を浸透させるにはほぼ確実に事故の直前に自動運転を解除することになる、つまり結局有人なので「はい殺したのはあなたのせい」となり、本当の意味での無人にするなら法的な部分はかなりの長期戦になるんじゃないでしょうか。ぼくはそのあたりの法律とかあんまり知らないですけど、少なくとも直感的には10年みたいな短期間で法整備が進むとは思えないのですがどうなんでしょうね?

自動運転で人間を超えるのは大変

また、人間というのは不注意によるエラーを起こしやすい一方、例外処理能力がかなり高いので、無人運転にしたら死にやすくなるシチュエーションというのは出てきます。車というのは最も自動運転化がかなり難しい交通手段と思われますが、レールの上を走るだけの電車ですら無人運転がほとんどできていないのは、やはり人間の例外処理能力が高いため、自動運転+有人という組み合わせにせざるを得ないという事ですね。人間すごい。

というか現実に乗れといわれたら怖くねえ?

無人運転で車の中で新聞を読みたいという人はよくいます。でもねえ、実際に自分がその立場になって、はいどうぞ無人運転です、安心して新聞読んでくださいと言われても、ハンドルから手を離して新聞読む人はあまりいないと思うんですよね。例えば、僕が今飛行機に乗るとして、有人運転2万円、無人運転も2万円だといわれたら、有人運転のほうにすると思います・・・飛行機はどうせ元からほとんど自動運転なんだけど、それでもなんか誰もいないって怖いじゃないですか。例え安全が証明されていたとしても、人間がいない事に対する不安をなくすというのは、理論を越えたところで単に怖いという事実を、車の自動運転がまだ非現実的であるがゆえに見逃しているのではないでしょうかね。人間というのは合理性だけでは行動を決めないですし、放射能みたいな「よくわからないもの」は理論を越えて怖いと思うのはとても自然なことです。同じように、安全であっても誰もいないのは怖いというとても自然な反応を、技術で丸め込むのって大変そうですよね。

高いお金を払って死ぬ確率を上げるという状況を打破するところまで行けるのか

無人運転というのは難しくて、実現するのにはコストがかかります。売価はともかく最初の数万台は作るのにそのへんの1億円のスーパーカー以上にコストがかかるでしょう。高コストの状況下では検証データも少なく、その結果安全性も低い状態なので、無人運転による事故で死ぬ人はそれなりに多いと思います。そもそも1億円あったら運転手を一生雇って車の中で新聞を読めるので有人運転のほうが安くて安全になります。結局、死ぬリスクを犯してでも1億円払って車の中で新聞を読みたい人がかなり増えないと、コストも下がらないし安全性も上がらないですよね。命の危険と大きな財産を賭けてクールな人生をエンジョイしたい人がたくさんいない限りは普及する日は来ないんじゃないか説もあり、とりあえずUberでネタとして誰も乗っていない車がアイスクリームを届けてくれるといったところからコスト度外視でやってみて、他の車にぶつかって人を殺したりしないかどうか見てみましょうという事になるのかもしれません。

自動運転まとめ

というわけで、自動運転は、有人運転のアシストという意味では有望だと思います。ただ、シリコンバレーでこのあたりの話の真っ只中にいる限りでは、無人運転がもうすぐ実現できるとは思わないというか、そんなにうまくいってたらそもそもGoogleはあんなにがんばってプロモーションしないと思います。ただ、無人運転の技術にも、レーダータイプや、画像処理タイプなどいろいろあり、画像処理タイプはヨーロッパのほうが進んでいそうな感じで、無人運転全体としてはシリコンバレーしか見えていない僕から見るといろいろ見えていない世界もあると思います。そのあたり、もっと詳しい人はいっぱいいると思います。

2. 車のビッグデータ & OBD IIってどうなの

車の中のデータがものすごく価値があるのでバラ色の世界、みたいな話がよくありまして、車メーカー内でも一部の人は車の中のデータは宝の山だと思っている人は多いようです。ただ、データ系のビジネスは、「何ができるのか」それが全てです。やはり筋がいいのは、車の中のデータをリアルタイムに見て、危険を回避することです。例えばテスラは車内のデータをセンターで観察していて、車が壊れて止まりそうであるという可能性があると、運転手に「すみませ~ん、その車たぶんあと10分ぐらいで壊れるんでそこの高速降りてください、ヘルプ向かいますんで~」と連絡してきます。そういうやつはやったほうがいいと思われますが、別にテスラは「ビッグデータでコネクテッドカー」みたいな事はモヤっとした事は言っておらず、単に壊れる前に教えてくれるというシンプルな話です。そういう問題解決の視点なくビッグデータですとかクラウドですとかコネテッドカーですとかテレマティクスみたいな事を語るのは難しいですよね。技術のキーワードではなくユーザーを見るという当たり前の話なのですが。

FordのOpenXCなどで規格をオープンにしたりハッカソンをがんばるというところが多いのは、ビッグデータはあるけど痛みがないから誰か探してちょ~と言っているわけであって、ハッカソンするということは、技術はあるけどキラーアプリがないのでオープンにしたいという事なんでしょうね。

OBD IIという、ハンドルの下についてる情報センサーのポートから車の中のデータを抜き出すと何でもできる的なことで資金調達したAutomaticというスタートアップなどがあり、これからどうするのか見ものです。ただ、ファウンダーに「Automaticって何の問題を解決するの?」と聞いたら、「いろいろだが、人によって違う」と答え、「何でハードウェア作ったの?」と聞いたら、「当時は自分で作らないとAppleがサポートしてくれなかった」など、ものすごくぎこちない返答をしていたあたり、やはりビッグデータ系は大変なのね・・・。と思わされます。OBD IIはプロトコルとしてもわりとしょぼいのもありますしね。運転を点数化したり色々していますが、どうもエンゲージメントがかなり低いようで、「ちゃんと使ってくれるユーザーはいるので私たちはそのユーザーにフォーカスします」と言っていたのですが、1万円のデバイスなのでIFTTTとかやる前にまずなぜ1万円払う人のエンゲージメントが高くできないのか、それが大事だと思います・・・。Automaticのデバイスを大量にくれたので、僕らに考えてくれという話なのだと思いますが(笑)。また、OBD IIを使ったスタートアップは今アメリカでも大量に出てきていますが、どこも大企業や保険会社など、いろいろ提案しては、「で、結局、誰がなぜ金を払うんだ」という上層部の質問に答えられず頓挫するというのがあらゆるところで繰り返されており、大変そうです。

ちなみにこのOBD IIに関しては僕はかなり詳しいので、去年の秋ごろには、自分でOBD IIのデバイスを作って、それをテレマティクス的に保険会社に提案したら面白いかな?と思っていましたが、いろいろな調査の結果、アメリカでも日本でもうまくいかなそうなのでやめました。ただで配るからということで資金調達しているステルスのスタートアップの話とかもいっぱいありながら、それでも浸透させる戦略まで到達していないので、技術ありきのOBD IIの難しさがよくわかります。

というわけで、よくOBD IIを使ったビジネスモデルの相談を受けますが、基本的には車のビッグデータは外部のデータとうまくつなげないと無価値で、つなげ方がわからないけどデータがあるのでビジネスしたいという相談を受けてもちょっとアドバイスが難しいので、少しビッグデータというところからは頭を離して、冷静に顧客にどう役に立てるのか、からはじめるのがいいと思われます。もちろん、OBD IIから取れるビッグデータが全部無価値というわけではなく、面白いと思うところもあります。単純に、アメリカのOBD II系のスタートアップも苦戦しているし、もっと顧客中心のアプローチをしないと大企業との提携などを通すのはきついと思いますよ、ということですね。

3. OBD II を使ったUsage Based Insurance (従量制保険)ってはやってるの?

ハーバードのMBAの先輩がProgressiveという自動車保険の会社でOBD IIを使った従量制保険の担当役員だったので、しれっと話を聞いてみました。とりあえず個人的に聞いた話なのであまり書きませんが、基本的には厳しいということですね。平たく言いますと、保険会社というのは、安全運転をしてあまり車に乗らない人をカモにすること、および、余計なことをしないで運用費を下げる事、によってお金を儲けているわけで、業界としては、売り上げが下がってコストが上がるUsage Based Insuranceは本質的には筋が悪いと見られているようです。また、安全運転かどうかを見て保険料を調整するというのも実際には無駄だったようです。どうも安全運転している人が事故を起こさないという統計上の仮説が間違っていたようで、自信を持ってアグレッシブな運転をする人が事故を起こしてくれなかったとか、安全のために急ブレーキをかけると保険料が上がるみたいな話に限界があったのでしょうね。もう安全運転しているかとかは見てないようです。Progressiveの担当役員が全て正しいとは言わないにしても、この分野のリーダーであるProgressiveでこんな感じなので、他社もぜんぜん追従していないようです。ちなみに全てのモデルがうまくいかないわけではないと思いますが、そのあたりはコメントを控えます(笑)。

4. AppleのCarPlayとAndroid Autoってもうすぐ出るの?

このあたりはかなり裏情報になってくるので書けることがほとんどないんですが、まあその、わりと仕様交渉でもめてますし、特にandroid autoはGoogleらしい「データみんな出してね♪」というアプローチが業界内では微妙な感じになっており、2014年中に出ます!といっているやつが本当にいわゆる「ちゃんと出た」感じにできるのか、それとも「なんちゃって2014年に出しました」になるのかも含めて、車業界って大変なのね、と思わされます。Open Automotive Allianceについては、別に入っても入らなくても何も変わらないやつなのですが、とりあえずみんなGoogleを敵に回す必要がないので加入しているようです。例えば現代自動車あたりががんばって「ちゃんと出た」感じになったとしても、今までのカーナビがいらなくなって安くなるという期待を持ってみているユーザーに対し、値段含めてちゃんとできるかなどを見てみると楽しいと思います。

ただ、車の中でスマートフォンを使いたいという欲求は確実にあるので、CarPlayもAndroid Autoも時間をかけて浸透していくと思いますよ。市場も尋常ではなく大きいですし。単に、スピードという意味では、安全第一である車業界にAppleやGoogleもちゃんとあわせなければならないし、かかるべくして時間はかかるでしょう。AppleのCarPlayも音沙汰無いですがあまり進んでないにしてももうちょっと誇大広告をしておいたほうがいいと思います。

ちなみに、Andy Rubinが入るはずだったCloudCarを結局買収しないGoogleもやり手ですね・・・。なんかこう、大変そうです。

 

 

というわけで、「シリコンバレーの自動車×ITあるある」について、よく聞かれるような当たり障りの無い話を書いてみました。ただ、僕は記者でもなんでもなく、調べようともしておらず、現場の嗅覚のみに基づく話なので、もし間違ってたらごめんなさい。というか、ちゃんと調べてる人いたらぜひご教授・ご指導くださいませ。

それではみなさんごきげんよう。

JTPA ボードメンバーに就任しました

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JTPAは技術を志向する日本人プロフェッショナルがシリコンバレーで働くのを支援するための公認NPOで、千人を超えるメンバーが登録しています。毎回、様々なテクノロジーにフォーカスした講演、パネルをやったり、気が向いたら日本の若者をシリコンバレーにつれてきてシリコンバレーのトップ企業見物に引きずり回すなど、シリコンバレー×日本という意味では重要な役割を果たしている、非常にアクティブな組織です。

今回、シリコンバレーのレジェンドである皆様が、組織の若返りを図りたいということで、微妙に若いのか若くないのかわからない私が新たにボードメンバーとして任命を頂き、ありがたく引き受けさせて頂くことといたしました。

基本的にエンジニアによるエンジニアのための組織ですので、ビジネス側の人間は飛び道具担当である的な雰囲気をそこはかとなく感じておりますが、シリコンバレーと日本をつなぐ重要な組織のボードメンバーとして皆さんのお役に立てるようにがんばりたいと思いますので、今後ともJTPAをよろしくお願いいたします。

なお、早速なんですけど、7/25にAndroidとゲーム開発関連のトーク会を行います。Android NDK 最適化 by Hakuro Matsuda (Google, inc)、cocos2d-xで作るマルチプラットフォーム2Dゲーム開発 by Norio Akagi (PlayNext, inc)、Android Wearアプリ開発の基礎知識&Hacks by Takahiro Horikawa (Yahoo, inc)といったラインアップで、エンジニア的にはなかなか乙女心をくすぐられるトピック満載だと思われます。参加費は一人$100ドルですが、愛の日記を見たというと無料です。もっと厳密に言うと最初から全員無料です。詳細はこちらをどうぞ。

 

JTPAはシリコンバレーの第一線で活躍するすごい皆さんをビシバシつれてきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

まだまだ寄付で生きています

はいどうもみなさんこんにちは~。いやあ、引き続きブログの更新が滞っていて恐縮です。ここ3ヶ月ぐらい、ひきこもってプロダクトデザインばかりしてました。僕はこう、没頭すると周りが見えなくなるタイプなので、正直言ってここ数ヶ月の記憶があまりありません。ただ、支えてくださっている多くのみなさんのおかげでとても楽しくがんばってます。

オフィスに遊びに来る友人たちは、ブログを見てくれているみなさんの寄付だけで作られたわれらがオフィスを見て「なにそれ意味不明、あんたら何者なの」と楽しんでくれるので、いい観光名所となっとります。もう送られてくるギフトは留まることを知りません。まだまだ来るぞ~。

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Sonyのグランツーリズモチームのいまさきさんからプレステ用の高級ハンドル!!!これぜってーたかいぞ。

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すぎさきさんから素敵なソファーベッド!早速活躍中!

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まつださん(×2)、よこたさんから時計!最新テクノロジーを駆使した世界時計として大活躍!

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たいらさんからポッキー70箱、まりこちゃんから10箱、いのしたさんから20箱!、はがさんから10箱!ポッキー王国!!!

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あっきーから悪そうなアンドロイド人形!(まんなか)

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たなかさんから海賊旗!実はあんまりワンピース読んだことないぜ!でも強いチームには旗がいるぜ!

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てつおさんからマッサージチェアをプライベートルームにする障子!

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ふじもとさんから4テラのハードディスク!

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きばたくん、はがさんからお茶~。ほっこり。

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近所をジョギングしてたらDrivemode Houseを発見して、玄関マットを送ってくれたさとうさん!

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これはその・・・たぶん誰か書かないほうがいいやつだ!たぶんこれを日本からもってくるのは違法だ!愛してるよリスクテイカーのAさん。

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やまなかじんちゃんから駄菓子セット!すげえ。ゲームガム大人気だぜ!

もうたべちゃって写真ないんだけど、アクセンチュアの林さんからジュースとたけのこの里!

あんまりにもたくさん来るのと、時々Amazonの手違いで差出人が書いていなかったり、届かなかったギフトはうちにはわからなかったりと色々ありますが、もし届いてないやつがあったら教えてくださいね~。

でも、みなさんの善意にあふれるわれらがオフィスは、ポジティブパワーでいっぱいです。ちょっとおかしを食べるときも、ちょっと掃除するときも、いつでも「ああ、支えられているんだ、ありがたいことだ、がんばろう」という気持ちは、たくさんもらっても、時間が経っても、色あせないものですね。

というわけで、ギフトにあふれたわが社は、みなさんの応援によって今日も愛のパワーにあふれています!乞食スタートアップといわれようと、これがぼくたちの生き様であります。

最近は日本で弊社のように寄付でオフィスを作ってしまえ!というのが何件かあるらしいのですが、スタートアップは吹けば飛ぶ存在なので、みなさん弊社以外の生まれたてのスタートアップにもやさしくしてあげてくださいね!

Drivemode設立経緯その3

2013年11月 Y Combinatorに落ちる!

Y Combinatorという、アメリカで有名なインキュベータ(投資もしてくれるスタートアップの学校みたいなもの)がある。何かのついでにウェブサイトをたまたま見たところ、「3時間後が本日の締め切り」って書いてあった。Y Combinatorが具体的に何をしてくれるのか正直あんまりわかっていなかったのだが、調べている時間もないので1時間ぐらいで質問に穴埋めして適当に書いて出す。Co-founderのビデオとかないのでごまかし、穴埋めもよくわかんないので「わかりません」と書いて、さくっと出したら面接に呼ばれる。

うーむ、呼び出されてしまった以上、「なんでY Combinatorに入る必要があるのか」を考える必要がある。そこで、みんなでYC卒業生とかの話を聞いたりして、クイックにメリットとデメリットを考えてみた。

メリット:
  • 投資家ネットワークがない人にはいい
  • 業界ネットワークがない人にはいい
  • 資金がない人は資金をもらえる
  • スタートアップのやり方を知らない人はYCのスタートアップ流儀を学べる
  • Amazon Web Servicesなどのインフラがタダで使えるなど特典がある
  • マーケティングになる
  • プレゼンの練習になる
  • 旅費1000ドルもらえる
  • ネタ的に面白い
デメリット:
  • 投資条件が悪い(ので、僕の周りに申し込む人はほとんどいない)
  • VCから見ると、YCに入ったからポジティブとは限らない
という、以上の分析の結果、「入ったほうがいいのかどうかよくわからない」という結論になった。ネットワークや資金などは困っておらず、YC流のやり方はちょっと知ってるけど使わないと思うし、AmazonのUS本社には「Drivemodeは特別にインキュベータに入らなくても100万円分は無料にする」とか言ってもらえるし・・・。あと、僕はVC側の世界の人間だったので、YC卒のスタートアップの評価もそこそこしたが、YCに入ったからどうかという現実に関しては裏情報ばっかり持っているのでちょっと世間と違う印象なのかもしれない。

そんなこんなで、1000ドルの旅費を出してもらえるので、とりあえず面接にはいく事にした。方針は以下:

  • 優先すべきはプロダクトなので、YCの面接の準備は基本的にしない
  • よほどいい条件で投資されるとか言われないかぎりたぶんどちらにせよ入らない
ということで、軽いノリで行ってみた。

落ちるとも知らずに記念写真を撮るわたしたち。ぷぷぷ、ダッセー。

人数多いと嫌がられるらしいけど、みんな記念に行ってみたいだろうからゾロゾロ連れて行く。会場につくと、周りのみんなはものすごい準備していて、なんかいろいろ傾向と対策的なものがあるらしく、みんな熱く合格セオリーを話していてびびった。あと、なんかどこの欄で申し込むと面接官が誰になるらしいみたいな常識がいろいろ存在するらしい。そんなわけで、面接に行ったらポールという短パンでサンダルの人と話がかみ合わなかったようで、あとからメールが来て落ちた(笑)。でも感じいい人たちだったよ。話がかみ合わなかったのは、僕のプレゼンが悪かったの一言に尽きます。ただ面接の当日まで、ファウンダーの誰も入りたいと言っていなかったので、なんか別によかったのかなと・・・。とりあえず1000ドルくれたし!

ちなみに、本気で準備して入ろうとすべきだったのかどうかは、やっぱりいまだによくわからない。必要だったら考え直すと思う。そのうち後悔する日がきたら、そのときはそのときだろうな。一言で総括すると、よくわかってないのに行っている時点で、場違いであった。

でも面白かったから何でもいいのだ。

2013年12月 そろそろ僕のお金が尽きるので資金調達準備

さて、無給状態のまま、自腹でドメイン買ったり経費払っていたら古賀家の家計が本気でやばくなってきた。当たり前なんだけど。本質的には起業なのか起業じゃないのかとかはどっちでもいいのだが、さすがに給料がないと維持可能なプロジェクトではないので、なし崩し的にちゃんとした会社にしなければならなくなってきたという感じである。

ということで、激烈シンプル、小細工一切なしの4ページのConvertible Equityのテンプレ契約書(タームシートすらない)を仲良しのみなさんにお送りした。資金調達の所要時間は3分ぐらいか(笑)。

2014年1月1日~ オフィス開設(空っぽ→最高のオフィスに!)

資金調達はみなさんのおかげでさらりと終わりました。みなさん投資に慣れているのもあって質問も何も来ず。スムーズに行ったのはもう本当に信頼してくれている投資家の皆さまのおかげです。元から、「出資金は、成功したら儲かり、失敗したらチャラでいいよ」「応援したいという想いだけ」「いきなり大企業に殺されたらそれはそれでいい、一緒にやりたい」「明日にでも振り込むよ、契約書もいらない」といった感じの皆さんの言葉は、投資家と投資先というよりも、お父さんと息子みたいです(笑)。(なお、特にニュースリリースとかは何もする気ございません。僕たちごときがメディアの皆さんのお時間取らせるのはまだ申し訳ないです。)

ただ、あえてそんなに調達しなかったので、経費は極限まで下げねばならない。

とりあえず、Walmartで買ったプラスチックの机と、お借りしたパイプいすで仕事を開始。何にもないけど全く問題ない。

しかし、素敵なオフィスにしたいという思いはある。けど問題があるわけじゃないので我慢できるなら我慢したほうがいい。うーむ。

そこで、使ってない家具を寄付でいただき始めました。

そしたらまあ皆さんどんどん寄付してくれます。ひええ。

あまりに色々頂けるので、もうこの際AmazonのWish Listでお願いしてみたらどうなるんだろうと思って、ためしに公開してみたら、400ドルを超えるものですら飛ぶように買われていくというお祭りに発展いたしまして、知り合いから存じ上げない方までにも支援して頂きました。Co-founderたちもこの瞬時にオフィスにモノが揃っていく、しかも全部が頂きものという夢みたいな光景に衝撃を受け、この謎の状況は「KOGA MAGIC」と呼ばれるようになりました。

「なぜこんなことになるんだ」と聞かれても「わからんけどこうなった」としか答えようがございません。わははは。

こうして、皆さんが作ってくれた会社で僕たちは元気に働いています。

世界一愛されてるスタートアップである気がして、とても誇り高いです。

2014年2月 エンジニア募集開始

会社の設立事務もなんとなく終わりました。会社設立の法務も僕は契約書とかわりと自分で書くので超安くできました。英語あってるのかわかんないけど(笑)。

そして、エンジニアの募集です。Wantedlyというサービスの評判がよかったので申し込みを出してみました。これはソーシャルネットワークで応援して頂けるとなんか順位が上がってみんなに見えるようになるらしいという求人告知サービス。

求人を出したら一瞬で900件以上ある募集のうちランキングが1位になりました(何のランキングなのかわかってないですけど 笑)。Drivemodeは多くの人に支えられているので、「誰かに助けてもらうとうまく行く」ことに関しては最強!もちろん、まだ出したばかりなので、すぐには決まらないと思いますが、きっとうまくいくと思います。これについても、御礼申し上げます。

まとめ

というわけで、いままでの僕たちの冒険のスタートの経緯は以上です。ぜんぶ書いてみました。

まとめると、「うお~起業するぜ~」という勢いがあったわけではなく、「一発当ててやる!」という思いがあったわけでもない。現実はこれです。

  • 「こんなプロダクトをつくりたい」という思いがあった。
  • 僕は「助けて」と言った。
  • ビジョンが勝手にいろいろな人を巻き込み続けて雪だるま式に巨大化していった。
  • 転がるビジョンが壊れないようになし崩し的にDrivemode社が設立された。
プロセスのほとんど全てが雪だるま式・なし崩し的だったので、僕はどこか特定のポイントで大きな意思決定をしている気がしません。

たぶん、振り返ると、僕が行った唯一の主体的な意思決定は、

「僕にはできないから助けて」

と最初から一貫して言い続けているということです。

僕のポリシーは「無理そうな事からやる」です。そもそも、僕みたいな、高校の偏差値30台、日本で普通の大学を出て、30過ぎまで普通に日本で過ごしてきた日本人がシリコンバレーで成功するなんて僕の中ではほとんど夢物語です。

だからやるのだ。

怖いが、それが冒険というものだ。僕には仲間が要るのだ。だから助けてと言うと決めた。

無理っぽい事をやっているだから、僕はうまくいくかもしれないし、討ち死にするかもしれない。でもそれも含めて是非見て下さい。

成功したら応援したことを誇りに思ってもらえるようにがんばります。

失敗したとしても、応援してくれた皆さんに「応援したことは無駄ではなかった」と思ってもらえるにがんばります。

ただ最終的にはぐるっと一番最初に戻って、奥さんにかっこいい夫だと思ってもらえるようにがんばります(笑)。

以上、設立経緯でありました。またね~

Drivemode設立経緯その2

2013年7月 中河さんに会いに日本に行く

とりあえず会ったことないので、HKと一緒に中河さんに会いに日本に行ってみる。話がテクニカルすぎて何をいっているのかわからない事が多いのだけれどもきっと大事なことを言っているに違いない、程度にはお互いを理解する。とりあえず何を聞いても答えが返ってくるのでこの人すげえ。あと、顔が濃い。

ついでに、「日本に来たので挨拶に来ました!」と知人に回っていたら、「お金要る?」とものすごく聞かれるので、資金調達とかはしなくていいという恵まれた環境であることを理解する。

2013年8月 秘密プロジェクトがスタート

この時点では会社になるかどうかすらもわからない謎のプロジェクトだがとりあえず「なんかすごい事をしたい」という人がたくさん集まってプロジェクトが開始。みんなで楽しくいろいろな夢を語ったりして非常に楽しい時間。このプロジェクトメンバーに関しては言って欲しい人も言わないで欲しい人もいるだろうからとりあえずここでは言わないでおいたほうがいいんだろう、たぶん。

誰もチームメンバーに入る事を強制されていないのに、チームとして見事に回った。普段は会えないようなすごいチームメンバーがそろっていて、毎日学びがある。違う分野の人たちがお互いに教えあい、お互いが学ぼうとするからものすごい相乗効果だった。

会社になるのかも、何もわからない。でも、「楽しい」から、「すごいものを作りたい」から、「学びたい」から、みんな週末を潰してプロジェクトに打ち込む。夜9時に集まって12時まで考え抜く。とにかくみんなで考え抜いた。

2013年8月末 大事にしていた子がプロジェクトから抜ける

唯一残念だったのは、ボストンにいたときからずっと可愛がってきた若いメンバーが倫理的に問題のある行動を起こして、即時プロジェクトから追放しなければならない事態になった事かな。

彼は車のことはあまり知らないだろうけど(運転しているのすら見たことが無いし・・・)、僕は彼のことをとても信頼していて、このプロジェクトからたくさん学んで欲しいと思っていた。同様のバックグランドの人はみんなお断りしたけど、彼は「シリコンバレーに行く用事があるのでちょっとだけでも入れて欲しい」(用事があるというのは嘘だったのだが)というので、まあいいか、育ててあげようという思いから入れてあげたのだった。でも、みんなが一生懸命考えてきたプロジェクトの内容を見て興奮し、盛り上がってしまい、日本で自分でやると言い出した。それは倫理的にも問題あるし、みんなでやってきた事に対する冒涜だし、こうなったら彼には出て行ってもらうしかないよね。そこからは、本当にひどい対応をされ続けて、正直とても嫌な思いをした。彼のあまりの豹変ぶりに、自分の見る目の無さを恥じるしかなかった。

「どうしても競合したいなら残念だけどいいよ、でもせめて人間として最低限、守秘義務ぐらいは守れ」と言って契約書を見せたら、「僕がそんなことをする必要はありません」と言われた。君は契約書を見てビビっていたようだが、君のために、どれだけ優しい条件になっていたかすらも、ビジネスを知らない君には知る由もないだろう。それでも僕が穏便に済ませてあげようと色々説得してみたところ、最終的には「問題なくサインします、契約書は送ります」といったまま、その後はメールへの返信すらない。まあ、ベンチャーの世界でアイディア盗む盗まないなんて大したことじゃないんだけど、契約書にサインするという確約をメールでもらっているのでそれで十分勝てるということで、投資家にはいつでも訴訟できるように準備を指示されてます。まあ、当たり前だし、彼も僕と競合関係になってかまわないと言い残してたしね。

ちなみに、最近彼は投資家からお金を集めて起業したみたいで、心配してくれている皆さんからものすごい勢いで僕のところに情報が来るからいろいろ筒抜けです。まあ内容はいいんだけど、どうも「会社設立にかける思い」まで僕の言葉を使っているようで、せめて会社のビジョンぐらいは自分の言葉で語って欲しかったよ。投資家や他のメンバーは君のビジョンを信じて、君にかけているんだから。

2013年9月末 JeffがCo-founderに勝手になった感じ

秘密プロジェクトは形式的には一旦終了するが、プロダクトに熱中してしまってどうしようもなくなり、ほかの仕事をしなくなってしまったメンバーなどが出てきたため、そういう「プロダクト感染者」は、なんかもう会社に入るしかあるまい的な感じになった。

その最たるメンバーがJeffだ。プロダクトのモックなどを見てはキラキラと目を輝かせているKellogg MBA卒の彼はもはや勝手にFounderになってしまった感じであった。僕はそういう「目」みたいな、嘘が絶対つけないやつをすごく信じているんだよね。

トップスクールのMBAぞろいだとむしろアホちゃうかと思われるのは嫌なんだけど、彼の人格やコミュニケーション能力の圧倒的高さは尋常ではなく、なんかもうお前とりあえずプロダクトやっとけと言わざるを得ない状況となった。

2013年10月 弁護士と契約

いろいろ人づてでトップクラスの弁護士たちと会っていた中、自然と二人の弁護士に絞られていった。

一人は、訴訟されまくっているUberというシリコンバレーのスタートアップの顧問をしているFenwickという事務所の弁護士。だから頼りになるかなと思っていたんだけど、色々聞いた上で結局WSGRのYokumに決めた。これは単純にフィットの問題で、僕もわりとファイナンスは知っているんだけど、ファウンダーの株式の種別や、資金調達の投資アセットの種類とかを迷っていて相談した結果、Yokumが詳しいファイナンス分野がうちにフィットしそうだったから、というだけなんですけど。

それから再び、Zipcarの元CEOや、General Motors OnStarの元CEOとかとボストンで色々議論する。

2013年10月 株式クラスなどを最終化して登記手続き

ここはちょっとファイナンスや法務の細かい話なんで読み飛ばしてもらっていいです。

ファウンダーの株式にはただのcommon stock、restricted stock、FF Sharesとかいろいろある。FF Sharesはちょっと小手先くさくてあんまり好きじゃないし、最近ダウントレンドなので一応スタンダードのrestricted stockにしといた。Commonのほうがファウンダーにはいいように見えて炎上する種になるからねえ。契約書については、基本は面倒だからClerkyというところが出してるrestricted stock purchase agreementのテンプレでいいんだけど、よく読むとdouble triggerのときにファウンダーの保護が弱いから自分で修正しといた。

おかげで、うちのCap Tableは最終的にはメチャクチャシンプルな形式になってます。Convertible Equityだけはまだあんまり使われてないけどそこはまあいいかなと。日本の恩師とかが投資家に入っているんだけど、Convertible Noteだと非米国滞在の人にWithholding taxかかるのが面倒っぽいというのもあるし、単にConvertible Noteは利子の計算面倒くさいわりに特に誰も求めてないわけですよ。

さて、登記です。アメリカで登記とか謎だらけなのですが、登記自体はそんなに面倒でもない感じです。LLCとかだとLegal Zoomとかそういうのを使うとよいですが、VCからの資金調達の可能性があるならC Corpになり、その場合はClerkyというサービスを使うとアホみたいに簡単に登記できます。全部で1000ドルぐらいかな。

基本的にはテンプレートに沿った法務書類作成サービスで、いくつかの情報を入れると勝手に書類を作ってくれるのでそれで終わりです。法務書類は一応全部読みましたが、後続の皆さまのためにお伝えしますとわりと見るだけ無駄です。

例えば、定款的なものとか、目次がズラーっと並んで、色々な詳細が書いてあるのですが、ぜーーーんぶ、「株主総会の時期:必要なときに適宜行う。株式総会の場所:必要な場所で行う。・・・適宜決める、適宜決める、適宜決める、適宜決める、適宜決める、適宜決める、とだけ延々と書いてあるという完全なる茶番劇となっております。これでいいのかよ!いいみたいです。

次回: 2013年11月 Y Combinatorに落ちる!