車の故障 & 巨人
なんだか車が変な音がするので修理工場に持って行ったら、ブレーキが壊れていて950ドル(10万円ちょい)かかると言われた。Caliperが割れているから変えないと走れない、roterとpadも限界だ、みたいな話をされるが、こういうとき、はっきりいって僕は車のことが詳しくないので、ハァそうですかとしか言えない。車を修理工場から出せないほど危ない、と言われると、言い値を払うしかなくなってしまう。でも、先日こうして10数万払ったばかりで、また10万か・・・と、がっかり。 そこで、車に詳しいクラスメイトのマットに相談したところ、「おれが一緒に見に行ってあげるよ」と言ってくれた。そして、マットと一緒に修理工場へ。 マット「確かに大事なパーツが壊れているね。Caliperはブレーキをかけるためにとても重要なパーツだから、これは確かに直さないとだめだ・・・。でも、こわれてるのはこっちだけだから、両方直す必要ないな」 修理屋「でも、うちでは両方直すことになっている。何でもペアで修理するほうがいい」 マット「でも壊れていないものを買う必要はないんじゃない」 修理屋「うーむ、でも、うちでは何でも両方やることになっているから。」 マット「RoterもPadもまだしばらく使えるじゃない。なんで換える必要があるの?」 修理屋「でも、普通Caliperを変えたら全部変えるから。」 マット「しかも、Roterだけで200ドルって・・・しかも、こんなの50ドルで買えるよ。」 修理屋「いや、この辺では在庫がないよ」 マット「いや、たった今すぐそこで在庫があるのを確認したから、大丈夫」 修理屋「・・・」(機嫌が悪くなり始める) マット「このCaliperも500ドルかかるって話だけど、180ドルで売ってたよ。」 修理屋「・・・」(機嫌が悪い) マット「というか、このCaliper、ピンが一本抜けているだけじゃん。ピンだけ入れてくれよ。」 修理屋「それはできない。うちでは交換はするけど、既存パーツ自体の修理はできないし、そうすると保障もできない。」 マット「そうか。じゃあ、ここで直す必要はないな。ありがとう」 修理屋「わかった、じゃあ早く車を出して持っていってくれ。」 そして、マットは7ドルでピンを買い、「今度1時間で直してあげるよ。かわりに、日本食を作ってね。」と言って、彼はさっそうと去っていった。10万円が800円に下がった瞬間であった。「医者と弁護士の友達がいると便利」と言うけど、車に詳しい人もあなどれないね、などと話しながら、僕たち夫婦は、彼の去り行く車にいつまでも手をふっていたのであった・・・。 さて、話は変わって。 夜はHBSで一年先輩のマット(またマットかよ!って話ですが、すみません・・・)の家にお呼ばれして、ディナーを頂いた。なんかサンクスギビング風(七面鳥&ポテト)のディナーだった。彼は経験なモルモン教のクリスチャンであるので、食事前のお祈りを一緒にやった。「神様、この恵みを感謝します・・・Yoたちと一緒に食事をさせて頂いてありがとうございます」みたいなつぶやきに、僕たちも黙祷して合わせた。こんなことするの、幼稚園以来だなあー。僕の幼稚園はキリスト系だったので、そんなことをやっていた気がする。 僕は彼と話をするのが好きである。まず、でかい。彼はJapan Tripでも少し話をした、NBAは断念したがMBAに入ったというへんな人である。2メートル8センチの巨体は親譲りらしい。さらに、彼の親が世界的に有名なクレイトン・クリステンセンという教授、というのもまた面白い。マットはきもいぐらいにクリステンセン先生そっくりである。彼は卒業後ヘッジファンドをはじめ、数百億円を運用しているらしいのだが、そんな彼のオフィスにあふれていたのはドラゴンボールとかガンダムとかのアニメDVDであった・・・(もちろん、ほとんどがビジネスの本だけれど)。ちなみに、ガンダムSEEDもあったが、それは見たことがない。というか、SEEDって結構最近じゃない? 世界的な教授の息子だからというだけで、アタマ良いなんてあるんだろうか。彼はまだ30歳ぐらいだと思うけど、すでに経営コンサルタント、投資銀行、HBSを経て、ヘッジファンドで数百億運用しているということは、やっぱり育てられた環境が常人とは違うのだろうか。でも、厳しく勉強させられていた雰囲気もないし、やっぱり親の姿を見て頑張ったのかなぁー?ものすごく普通の家庭で普通の教育を受けてきた僕としては、どうやったらこんな息子ができるのか不思議である。 僕がいつか親になったら、どういう教育をすればいいのかなぁ、なんて思う、今日この頃である。