う~む、不景気だ その2

ついにダウが$7,000を割り込んだねぇ。日経平均もバブル後最低だと。

以前のブログ「う~む、不景気だ」で、「僕の予想だと、このクリスマス商戦の結果が想定以上に悪くでると思う。でもアメリカ人はポジティブなので、それがどうしてやばいかに気づくのは3月ごろ
じゃないだろうか・・・。そうすると、アメリカにはサブプライムローン以外にも自動車ローンとかやばいのがいっぱいあるので、信用問題が広がるのはここか
らだと思う。」と書いた。

予想通り、3月に入って様子が変わってきたようだね。ここからが、正念場という感じだろう。そんなわけで、また経済雑感を書いてみたりします。

そもそも2002年以降ゆっくりと日本経済が伸びていたのは、アメリカと中国への輸出が大きい。実は中国の購買力はアメリカへの輸出に支えられていたので、アメリカの過剰な消費体質が日本の経済成長を支えてきたわけで、アメリカの過剰消費がストップすれば日本は2002年の状況に戻るだろう。もちろん一気に輸出産業が停滞すればその他の分野にも波及するので投資が大きい産業、投資回収に時間がかかる産業、法人向けの産業、画期的だけど実績のないビジネスモデル、などはしばらく厳しいだろう。特に、ほとんど全部に該当する半導体は厳しいだろうね。半導体産業は大企業の一部であることが多いが、単体でも競争力がある外向けの半導体開発を目指すといいつつ、都合が悪くなると「社内向けの技術供給部門だから赤字でもOK」と言い出して、各社同じような投資をして国内で過当競争してきた。で、薄利多売して投資余力がないところに利益をためこんだ外国のメーカーにやられるというのがお決まりの負けパターン。携帯電話向けの半導体も、携帯電話キャリアの言いなりで、日本でしか売れないような投資効率の低いものばっかりダラダラ作っており効率が悪い。この不況はこういう企業には選択と集中を行い競争力を生み出す産業を構築するために、長期的にはいい薬になるだろう。そういう意味では、こういう不況というのは必要なんだと思う。

ちなみに、けっこうクリーンテックが伸びると騒がれているけど、僕としては微妙かなぁ。クリーンテックはいつ利益がでるかもわからないし、そもそも同じような技術に投資されすぎている気がする。いまこのチャンスを逃せば、クリーンテックが日の目を見るのはずっと先になってしまうので、がんばって欲しいとも思うのだが、それにしても投資額が多すぎるのを見るとバブルだと思うけどなあ。大体、燃料電池とかの技術ってどれだけ投資したって成功して選ばれる技術なんて一握りなんじゃないの?バブルがはじけて環境ビジネスが冷え込むのを心配してます。

一方、こういう社会構造が変化するタイミングにはチャンスも産まれる。得に不況下では、前向きになれるようなエンターテインメントや堅実にお金がたまることに貢献するビジネスが伸びるよね。日本でいえば、ゲームやゲーム系SNSも相変わらず調子いい。わけあり品・アウトレットなどの低価格系のサービスやポイントプログラム系も伸びるのではないかな。投資のかからない法人向けにはコスト削減ソリューションやアウトソーシングも伸びるだろう。

ところで、僕がいるアメリカのベンチャー業界もいよいよやばそうだ。株安でLP(大企業:ベンチャーキャピタルの投資元)が本格的に傾きはじめる日がいよいよ近づいている気がする。そうなればベンチャーキャピタルが傾き、ベンチャーも傾くという流れが本格化する。以前、「ベンチャーキャピタルに入るのは慎重に」と書いたが、アメリカのベンチャーに入るのもかなり慎重にしたほうがいいだろう。なので、最近はMBAの学生の皆さんにアドバイスを求められた時には、アメリカに残るなどせず日本でちゃんと給料の良い仕事をすることをお勧めしている。日本の会社のほうが日本人のMBAに対して待遇がよく、給料もいいし雇用も安定している。MBA卒業後はキャリアとして重要なタイミングなので、よほどバカでない限りやめたほうがいい。今は戦略コンサルティングがおすすめ。

とか言いつつ、僕は基本的に業界がどうなってもアメリカのベンチャー業界に残ろうかなーと思っていまーす。確かに、借金があり、家族がおり、MBA出たばかりなのに100年に1度の不況にいきなり巻き込まれて大変、といえば大変だけど、自分のことになるといきなりノリだけで判断してしまいますね、ハハハ・・・。ま、ピンチとかリスクとか苦労とか幸いもう慣れてしまっているのであまりダメージもないし、そんな僕の生き方に慣れてきた奥さんもケロッとしたもんです。僕はものぐさなので、むしろ厳しい状況じゃないと学べないから、ほんといい勉強になってる。実際、この苦しい状況のおかげで、毎日学ぶことが盛りだくさん・・・。なんだかむしろ、100年に1度の大恐慌とか言われると避けるより突破してやりたくなってきました。ちなみに、こういうギリギリの状態を楽しめるバカじゃなかったらアントレプレナーなんてやってらんない・・・というのも最近学んだことのひとつです。

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