楽しいシリコンバレーライフ!

シリコンバレーに越してきて一週間。

家もないのに飛び出したが、急ピッチでこちらの生活が立ち上がりつつある。

気づいたのだが、今の家は、HBSに1年早く入ったGoogleのけいちゃんの家の目の超近所である。だから、彼がもう日本に帰ってしまったのはとても残念。

徒歩圏内にショッピングモールがあって、買い物もとても楽しい。WholeFoods、Trader Joe’s、Safeway、Wal-Martといったアメリカのメジャーなディスカウントストアから、100円ショップのダイソーまでそろっている。ダイソーはさすがに100円ではなく1.5ドルだが、日本同等の品揃えがあるので非常に便利。奥さんはダイソーに完全にぞっこんである。

そうそう、ショッピングネタでいうと、しつこいけどまた書いちゃうよ!こちらの日本食事情。

ボストンには確かに日本人もちょっとはいたが、たいした人口ではないので、客が少ないので当然日本食スーパーもしょぼく、日本からくる友達から細かいものをお土産で持って来てもらわなければならなかった。日本食レストランもほとんどなく、あっても「フュージョン」といわれるアメリカ人向けに味を変えたものばかり。そりゃそうだ、アメリカ人のほうが来るんだから。日本で人気のラーメンなど出したら「こんなまずい日本食を出すな!ふざけてるのか!スパイシーツナ巻きと海老の照り焼きを出せ!」とボストンのアメリカ人ブチ切れるのがオチであろう。

しかし、シリコンバレー周辺では車でちょっといけば大型の日本食スーパーがあるので日本で買えるもののほとんどが揃う。そしてボストンに比べてとても安い。大型の韓国スーパー、中国スーパーでも日本人が好きな食材が上質で安く手に入る。レストランもちゃんと日本人向けの日本食が多い。日本でもやっていけるうまいラーメン屋がいっぱいある。ここなら、日本に帰らなくてもやっていける気がする。あー、聞いてくれてありがとう。うれしくてまた書いたよ。読んでいる人にはこのうれしさはわからないと思うけど、やっぱり食べたいものが食べられない不自由というのは本当にしんどかった。食べたいものが当然のように手に入るというのはかなりの贅沢なんだね。

気候もあいかわらず素晴らしい。火事の白いもやも最近は晴れて、本来の青い空がきれいに見えてきた。温度もあいかわらず快適。朝晩はやはりTシャツだと少し寒いが、昼になるとちょうど良くなる。直射日光はちょいとジリジリくるが、それも日陰に入ればひんやりするので冷房はいらないね。

なんか、人ももっとオープンでのん気だよね。一年の大半が雪で閉ざされるボストンと比べて、いつでも外に出られるこちらの人が社交的なのはわからんでもない。まーこんなに気候良かったら人と合いに行くでしょ、そりゃ。

なんにせよ、ボストンの会社の内定を受けずに飛び出してきて本当によかったよ。先のことをあまり考えず辞めてしまったところもあったが、きっとあれはアンラッキーだったのではなく、むしろ人生でトップクラスにラッキーだったのだと思う日が来る気がすでにする。あの仕事は給料も仕事内容も悪くなかったけど、どうも冒険が足りないと思っていた。人生一度しかないのに、普通に仕事するなんて、どうせ僕には耐えられないんだから、できないことはするなという話ですよ、きっと。

ま、ここからが大変なのだが、就職活動山あり谷ありとすると、あとは谷から上るだけ!ここからパーッと楽しくやっていきます!

モバイルベンチャーからのオファー

■まだ何もしていないけど内定はゲット!

今年の1月に、ベンチャーキャピタルで働くHBS卒業生の方々にスパムメールを大量に送りこんだわけだが、その際にTrinity Venturesというベンチャーキャピタリストの方に紹介された会社に、scanRというモバイルベンチャーがあった。そのTrinity Venturesというベンチャーキャピタルと、Adobeなどに投資を受けている。

1月に話にいった際には、向こうは、僕にとても興味をもってくれたのだが、日本でマーケティングができる人がほしいという話だったので、それじゃつまんないからいいや、といってそこで話は終わっていた。

で、最近になって、副社長から何度かメールがきていた。めんどくさくて返事してなかったんだけど。とりあえず西海岸に引っ越したので、挨拶がてら返事してみたら、すぐオフィスに来いと。で、挨拶がてら状況を話したら、僕みたいな人をずっと探しているのだが他には見つからない、ぜひ来てほしい、という話に。具体的には、マーケティングをしてほしいとのこと。最初は特に日本市場に向けて。「まだこっちに引っ越し作業をしている最中で、まだ就職活動も始めてないんだけど・・・」、といったら、「今月末まで待つから」と言ってくれた。僕としてももう少しscanRについて調べたいし、もう少し具体的にオファーの内容を見せてくれ、といったら、わかった、質問をまとめて送ってくれ、オファーをとりまとめるからまた来てくれ、といわれた。

オファーレターをもらうまでは安心できないけど、内定ゲットしたもよう!あのスパムメールが功をそうしたか・・・(笑)。帰国子女ではない僕が、シリコンバレーのベンチャーからオファーを受けるのは前例がないという話もあったが、どうやら前例を作るところまではできたもようだ。

■scanRについて

オフィスはPalo Altoという、シリコンバレーの中心地。場所は最高だ。資金もあるから会社が短期的に傾くこともないだろう。Palo
Altoのオフィスには15人ぐらい人がいて、当然日本人はいない。いる15人は、経験豊富なメンバーで、大企業や成長したベンチャーでマネジメントを
やっていた人が多く、MBAや弁護士の資格を持った40前後の人が多い。こういうところは日本のベンチャーとの違いがでるところかも。

このモバイルベンチャーは、携帯のカメラを使ったサービスを世界同時に展開しようとしている。モバイル業界ではそんなに急激に成長中という要素は
あまりないが、携帯のカメラの半導体であるCMOSの技術進歩は目覚しく、800万画素の携帯とかどんどん登場している。そんな中、このベンチャーの仮説
は、携帯のカメラの性能が進化するにつれ、デジタルカメラだけでなく、オフィスにおいてあるイメージング機器・・・例えばスキャナとかFAXもだいたい携帯で代用できるだろう
というものだ。Disruptive
Technologyとしての考え方は面白い。確かに、携帯カメラがこれ以上良くなれば、わざわざデジカメをほしいという人はもっと減るだろうし、携帯は
もとからネットワークにつながっているのでいちいちメディアを差し替えるみたいなことをしなくなるかもしれない。その先にどういうビジネスモデルが成り立
つか、と考えるうえでは、なかなか地味だが面白いテクノロジーをもった会社だ。

一応ウェブサイトはありサービスも開始している。しかし、見る限り「一応はじめました」程度のものでしかないようだ。ベンチャーによくあることだが、急い
でサービスインしたものの、まだ中身が整いきっていないので売る努力に力を入れていない、よってウェブサイトはしょぼい、ということだろう。なので、この時点
では、明らかに力を入れていないウェブサイトだけ見てビジネスの将来性を判断することは難しい。ので、正直いってなかなか外から評価するのはかなり難しい。

■雑感

Greeがそろそろ上場するようだが、かなり時価総額も高くなりそうだ。日本のモバイルはなんだかんだ言ってまだビジネスチャンスは大きいし、これからアメリカと中国が日本のモデルを必死に研究してくるだろうから、アメリカにいるモバイルのプロとしてのポジショニングは面白そうだ。そんなこともあって以前この会社と話をしていたんだけど、こんなにぱっと決まるとは、なんというか、驚いた。拍子抜けというか・・・。でも、きっと運がよかった。かなり。だってまだ就職活動はじめてないし、こっちにきたばかりだし・・・。もちろん、動かなければ実現はしなかったんだろうけれども。

なんにせよ、これで健康保険などの心配もなくなるわけで、ぐっとリラックスしてすごせそうだ。まだ詳しくこの会社のことはわからないが、方向性としては良い気がする。それに、なんにせよ今は僕にとってディフェンスを固める時期なので、バックグラウンドがしっかりしたベンチャーで働くというのはなんにせよ魅力的!これから楽しくなりそうだぞ。