もうすぐ卒業します
春が来て、色々な花が一気に咲き始めた。ようやく、ボストンから寒さが去りつつある。今日はAdmit Weekendといわれる、今年の9月に入学する合格者たちが世界から集まるイベントの日である。僕たちが来たのはちょうど二年前。日本からのAdmitの歓迎会が今夜行われる予定だ。
次の火曜日の授業が終われば、もう授業は終わり。そこから一週間ほど期末試験と論文書きがあるけど、基本的にはもう卒業ムードだ。僕も、読まなければならないケースを放っておいて、最近は友達と一緒に食事に出かけたり、イベントに参加して楽しんだりしている。セクションのみんなで笑いあいながらも、みんな卒業の寂しさから、つい夜遅くまで遊んでしまう。みな、30歳近い、いい大人ではあるが、卒業を迎えるときの喜びと寂しさのミックスはいつまでたっても変わらないし、どの国でも変わらないのだろう。ソーシャルネットワーキングのフェースブックでは、今になってリンクの申請がけっこうやってくる。
もう終わった授業もかなりある。HBSの名物である、生徒への愛情に満ちた教授の最後のスピーチをしんみりと聞く(どんな話か知りたい人は、本を買ってみると良いと思います。レビューを見ると大体雰囲気はわかります。中古なら安いし)。その締めの言葉を受け、感動した学生たちは全員が立ち上がり、教授に対して盛大な拍手を送る。教授は、嬉しそうな、悲しそうな表情を見せながら、拍手の渦の中で、「ありがとう」と言って手を振りながら教室を出て行く。学生たちは、もう教授の帰ってこないドアにむかって拍手を続ける。それから、荷物をまとめ、近くに座っている同級生に「いい授業だったね」「またね」などと挨拶して、教室を離れていく。一人の学生が、この授業を受けた学生でフェースブックのグループを作ろう!といって、黒板にグループ名を書く。教室の外では、ひょっとしたらもう会えない仲間と卒業式前にご飯を食べようなんて話をしている学生が足をとめている。
ひたすら勉強し続け、永遠のように思われた時間が、急速に終わりに向かっていく。ああ、もう卒業なんだねえ。合格を知って、大学の後輩といきなり結婚し、ほとんどむりやり手を引っ張って日本を飛び出したあのときが、もう2年も昔なんだと思うと、めんたま飛び出るぐらいに驚く。
先日、一年生の皆さんに二年生の送別会を開いていただいた。みな、お礼を言ってくれて、寄せ書きまでもらってしまった。今頃期末試験などで忙しいだろうに・・・。僕らのほうこそ本当はもっと色々してあげられたら、と思っていたのだが、結局お互い勉強ばかりしていて一緒にすごす時間すらほとんどなかった。どうか、一年生のみんながよい成績で二年に上がれますように。
最近は、毎日のように見てきたBaker Libraryを見上げると、2年前のあのころと同じように「きれいな建物だなあ」とあらためて感動するのは、なぜだろうね。
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