つかみ男
僕の週の前半の時間割には、一コマ空きがあるので、いつも教室の横の自習スペースで、学食で買った手巻き寿司を食べながら勉強する。寿司のお気に入りは、サーモンとホワイトツナ(実際にはツナといってもマグロではなく、バラムツという深海魚。有害として日本では売買が禁止されているが、うまい)である。今日もいつもどおり、サーモンとホワイトツナを食べながら、ルンルンと次の授業のケースを読んでいた。
すると、自称中国人のおばはん(30代後半ぐらい)が登場。「エクスキューズミー?」
話を聞くと、どうやら授業中に勝手に教室に入り込んだらしい。「授業を受講するために来たのに追い出された(当たり前!)のだが、どういうことなのか。自分はナントカという町から来た、その学校で中国語とビジネスを教えているのだから、受けてもいいはずだ、私は教授に教えることがあるはずだ」みたいなことをずっと言っている。しかも途中で中国語を織り交ぜて話しかけてくるというすごさ。会話開始直後から、ハテナマークが僕の頭上に大量に浮きはじめ、一分後には僕の中での意味不明度はマックスに到達。
「受ける授業を決めるからシラバスを見せてくれ」といわれた。「学生じゃないのに、受けられないと思いますけど・・・」というと、「なぜですか?」と聞いてくる。とりあえず何から説明していいのかわからんので時間割を見せてあげた。すると、ビジネス用語がわからないらしく、質問攻撃が始まった。。「Managing Networked Businessという授業は何ですか?」「それはネットワークエフェクトをベースとしたビジネスの授業ですよ」「ネットワークエフェクトって何ですか?」「(ビジネスの基本用語なんだけどなー?)いや、プラットフォームを使う人が増えると相乗効果があるというビジネスの話です」「たとえば?」「ソーシャルネットワーキングサービスとか・・・。ごめんなさい、勉強してもいいですか?」「そういう授業で使う本はどこで売っていますか」「いや、ケースなので・・・」「ケースって何ですか」「こんな冊子です・・・これをディスカッションして授業が進みます」「ええっ、ディスカッション?じゃあ何か言わなければならないんですか?私の成績はどう決まるんですか?」「ええーっと。あなたの成績が決まるというか・・・。学生の成績は授業での発言とファイナルで決まります」「授業の発言って何ですか?」「いや、発言内容の質で成績の半分が決まるんです・・・、すみません、勉強してもいいですか?」「ええー!じゃあファイナルはどうなるんですか?」「ケースを読んで、あなたならどうしますかという質問に答えるだけです」「ええっ、そんなのなんですか。いったい授業料はいくらですか」「高いですけど・・・」「私は授業を受けたいだけなのですけど?」。
なんだこのおばはん!?かみついたスッポンのごとく、離れない。勉強してもいいですかと何度も言ってみるんだが、「あっごめんなさい」といったん向こうに行くものの、すぐに「あーそうそう、ちなみに、どうやったらHBSに入れるんですか?」みたいなおもーい質問を持って再登場してくる。先日ファミコンのスパルタンXというすばらしいゲーム(今発売したら間違いなくクソゲー)を友達とやったが、そのゲーム内で、弱いのに大量に現れ続け、くっついては離れない「つかみ男」を思い出した。ちなみに、くっつかれると徐々に体力が減り、死に至ります。
(c) Nintendo
左がつかみ男。「つかむぞー」という風に手をあげて大量に現れます。パンチとキックでどんどん倒します。なお15人目をとび蹴りで倒すと高得点(5000点)ですがそれは本日記とは関係ありません。
(c) Nintendo
しばらくつかまれると体力がゼロになって死にます。
結局30分ぐらい時間を使うことになった上、倒しては現れる彼女の攻撃のためにケースに集中できず準備が進まなかったため、次の授業で発言することができなかったのは言うまでもない。
ガーコ君って面白いメール受け取ったり、面白い人に絡まれたりしてるみたいだね。読んでてとっても面白いよ。でもみんなに丁寧に返答してるみたいなので偉いと思う。
それにしても学食でお寿司売ってるんだね。そういえばうちの会社の食堂でも一時期お寿司売ってたみたいだけど(私がHoustonに越した後なので実際には見たことないけど…)あんまり人気がなくてもう売ってないんだって。うちの会社お寿司好きな人少なさそうだもんなあ。
うん、面白い人に絡まれるねぇ~。でも変な人好き。面白い。たぶん僕が変人だからなんだと思う。
へえ、Houstonではお寿司あんまり人気がないんだー。こっちの学食のお寿司はいつも大人気だよ!お寿司の行列が一番長いけど、学生は我慢して並んでる。それを見た僕は、日本が世界を制覇する日は近いと思うのであった。