まだまだ続く、勉強の日々

こうして毎日、ケースを見ながら、僕は生きてる。最初のころは一週間一週間が永遠のようだったけど、もうこれが生活そのものとして定着した。

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日本を離れてもうすぐ2年。日本で電車のつり革をつかむ日々も、見上げると鳩がとまっている電線も、ママチャリにのったおばさんが買い物袋をかごに入れて横切る姿も、いつの間にか実感がわかなくなり、なんだか特別な世界なような気すらする。

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会社の仲間は別の会社に移り、会った事のない甥が生まれ、いつも一緒だった地元の友達同士が喧嘩していたのに気付かなかったり。

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この2年でいろんなものが変わったみたいだが、僕はずっとこうして、ケースを読み、線を引き続けている。

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でも、信じられないことに、永遠だったはずの日々がもうすぐ終わる。でも今はまだまだ気合は抜けない。頑張っていこう。

モルモン教会に行ってみました

先日のエントリーででかくてナイスなマット君と一緒に食事をしたことを書いた。で、その彼に誘われて、日曜日のモルモン教の教会に出席してみた。そもそも、うちのセクションには筋金入りのモルモン教徒が多く、僕としてもどんな感じなのか知りたくて、以前からお邪魔してみたかったのだ!

モルモン教っていうのはキリスト教の分派で、大きな特色は教義そのものにあるのだが、そのへんはよくわからないので表面的な特色を書いてみよう。全員が2年間、海外でミショナリーとして布教活動を行う義務があるということ、収入の10%を教会に寄付するという習慣があること、すごく家族を重視していること(教会でもいつも赤ちゃんがいっぱいいるので、常にアーアーきこえる)、お酒・タバコ・カフェインの入った飲み物・婚前交渉などは厳しく禁止していること・・・などなど。人間面では、おっとりしている人の率が高い気がする。

世界のバイオテクノロジーの本社が集中する中にひっそりと立った建物。全然教会に見えない・・・むしろ体育館みたいなところだ。入ってみると、建物は明らかに昔工場だった掘っ立て小屋を使っているのが見て取れた。普通イメージする教会とはかけ離れていて、四角い部屋にいすが並んでいるだけ。

朝9時になり、礼拝が始まった。まずは、全員参加のセッション。最初に、新しく生まれた子供を抱えた親が祝福を受ける。歌を歌ったり、お祈りしたり、話を聞いたりしながら、時間が過ぎる。途中で、細切れにしたひとつ?のパンをみなで少しずつ分け合うなど、儀式的なものもあった。ちなみに、ちょうどその日は、クレイトン・クリステンセン教授によるスピーチがあった。教授は神を感じたときの経験や、また聖書の解釈についての意見を述べ、その結果導きだされたアドバイスを、感情的に、時に涙を交えながら、参列している人たちに伝えた。その話はすごくみなの心に響いたようで、その後の別の人のスピーチでも何度も引用されていた。ちなみにクリステンセン教授だけでなく、スピーチをする人はかなりの率で泣いていた。「神様が優しくしてくれて・・・」みたいなところで毎回泣くので軽くびびるが、きっとこういうものなんだろう。でも聞いている人が同調して泣いているかと言うと意外とそうでもなく、あんまり聞かずに子供をあやしていたりしている人もいた・・・。

次のセッションでは、聖書の教義のクラス。今日は、Fastingについてのディスカッションらしい。Fastingっていうのは、どうやらプチ断食みたいなものらしく、決められた日に2食抜くらしい。で、当の女性がディスカッションをリードの中で、参加者たちがなぜFastingをするのか、なぜ重要なのかを話し合う。聖書を引用してこうだと言ったり、独自の解釈(心を清めて神に近づくようにするんだ、食べると言うことを謙虚に見つめるんだ、とか)を述べるなど、なんだかHBSのディスカッションみたい。僕はひそかに、身を清め、謙虚になりたいなら、日本人のように冬に滝に打たれるぐらい気合入れろ!などと、思ったとか、思わなかったとか・・・。

最後のセッションは、男女に分かれて再び決められたテーマについてディスカッション(またディスカッションかー・・・アメリカ人はやっぱりディスカッションが好きだからかな?)。僕は男編に参加したので、父としてどうあるべきかみたいな話をキリストのあり方に交えて話をするのが多かったかな。

というわけで、日曜日の礼拝はめでたく終了。いろいろと考えさせられる体験でした。みなが、「私たちはこうする・・・それはイエス・キリストの教えがこうだからだ」という話をする度、僕は、「なぜ、イエス・キリストの教えはそうなんだろう」って自然と考える。そう考え出すと、「では、この教えがない僕はなぜ同じ事をする?」とかどんどん考え事が進むのであった。

人間の行動規範はいろいろなものに左右されるけど、宗教というのは人間の根本的なものの見方をものすごく変える。神を信じる人にとって、世界はどのように見えるのか、僕には興味がある。僕には彼らの世界が見えるようにはならないだろうけど、いろいろなものの考え方を理解し自分以外の人の気持ちがわかるように、他の人が信じるものを受け入れる努力はしておきたいな。また、行ってみようっと。

さあ、ヨーグレットでも食って勉強するか。明日のケースも熱そうだぜ!

ハーバード式極論の技術と、橋下知事

ハーバード・ビジネス・スクールの授業は、よくこうやって始まる。

「このケースを読んで、ジョンはマネージャーとして優れていると思うか?どれかに手を上げなさい。まず、最高のマネージャーだと思う人?15人ね。優れていると思う人?40人ね。悪いと思う人?30人ね。最悪だと思う人?3人ね。じゃあ、最高だと思うエリック、君の意見は?」

指名されたエリック君は、そのマネージャーを褒めちぎる。「彼は間違いなく最高のマネージャーだと思う。彼がネットワークを生かして経営陣を作り上げ、ゼロから売上げを10億円まで伸ばしたのはすばらしい。特に長期的な視点で顧客を選定し、安定した顧客ベースを作り上げたのは今後の成功にとって最大の資産になるはずだ。それに彼の人を選ぶ力には目を見張るものがある。前の会社でも似た事業を成功させているし、彼以上にこの仕事が上手にできる人はいないだろう。」

マネージャーがさんざんほめられたあと、教授は別の人を指す。「デイビッド、君はジョンが最悪のマネージャーだと言うけど、それはなぜだい?」

そして、今度はデイビッドがこういう。「エリックの言っていることには全く反対だね。まず、資料5の純利益を見てみて欲しい。3年連続で赤字じゃないか。それに、直近の2004年の利益率はむしろ低下している。彼は全く結果を出せていない。それに、2億円しか現金がないのに、短期的に利益になるような顧客がぜんぜんいないじゃないか。これじゃすぐ倒産だよ、僕は一刻も早く彼をクビにして、新しいマネージャーを探すべきだと思う。」

そしてまた教授が言う。「ふむ、エリック、デイビッドがこういっているよ。どう思う?」そして、エリックとデイビッドの熱い議論が始まる。そのうち、まわりの学生もあっちが正しいとか、こっちが正しいとかいう議論をぶつけ始める。

こうして、まず学生にどちら側につくのかはっきりとスタンスを取らせた上で、最初に極論同士をぶつけ合うのはものすごく普通の授業の進め方である。こうした極論同士をぶつけ合うと、一方が持つロジックの強み・弱みがどんどんさらされていく。片方が主張の中心となると思っていた根拠も、反論されまくる中で実は視点を変えると弱いロジックだということが見えてきたりする。こうして、双方の意見の良さ・悪さが出つくしてから、はじめて教授はこういうのだ。「じゃあ、何が大事なのか、考えてみよう。まず、顧客についてだ。短期・長期の話がでていたけれども、この業界において顧客のスイッチングコストは高いのだろうか?」

こうして教授は、極論の中から見出された疑問を解きほぐすように、学生たちを誘導していく。そして議論は深まっていき、最初の極論の時点でははっきり見えなかった本当に重要な論点に近づいていく。そのころには、最初は角張った形でしかなかった極論もたたかれまくってカドがとれ、有意義な議論が残るのだ。

とはいえ、意図つつ極端な意見をおおっぴらに言うことも、極端に反論するのもとても日本人である僕には難しい事で、僕も最初はとても苦労した。でも、この議論のスタイルは、日本人にとっても、思考停止から抜け出すのに非常に有効な手段なんじゃないかと思う。誰しも、反論されないと、何も考えないようになってしまうし、健全に反論し、反論されることで思考も深くなり、合理的な結論に達することができるのだ。

そう考えると、「府債をじゃんじゃんつかえばいいや」と思考停止した大阪府にとって、橋下知事の極論はすばらしく効果があるように見える。「大阪府債ゼロ」とか「図書館以外は全て不要」とかいう極論が疑問視(確かにとんでもない)されているが、知事の意図は、本当に極論を実行することではないと思う。むしろ、思考停止した人たちに「俺は“ぜーんぶ”が非合理的なお金の使い方だと思う!」という極論をぶつけることで、しっかりとした根拠をもって「いいや、合理的に考えれば“これ”にはお金を使うべきだ!」と反論してもらいたいのではないか。税金の使い道について本当に健全な議論が始まりさえすれば、「仕方がないから府債をじゃんじゃん使う」という極論と「大阪府債ゼロ」という極論の間にある、現実的なお金の使い道を見極められるようになるだろう。

そう考えると、「大阪府債ゼロ」が撤回されたというのは当然の結果であるし、「図書館以外は全て不要」もおそらく実現しないだろう。その結果、知事は「公約違反だ」と怒られまくるだろうけれど、本質的には府民の税金が合理的に使われる事のほうが大事だと思うよ。結果が出るまで大変だと思うけど、これからも橋下知事には建設的な極論を駆使してがんばってほしいな。

妻の大切な夢

今、奥さんに電話したら、「大事な夢を見ていたところなのに、何の用なの!」と、怒られた。

車の故障 & 巨人

なんだか車が変な音がするので修理工場に持って行ったら、ブレーキが壊れていて950ドル(10万円ちょい)かかると言われた。Caliperが割れているから変えないと走れない、roterとpadも限界だ、みたいな話をされるが、こういうとき、はっきりいって僕は車のことが詳しくないので、ハァそうですかとしか言えない。車を修理工場から出せないほど危ない、と言われると、言い値を払うしかなくなってしまう。でも、先日こうして10数万払ったばかりで、また10万か・・・と、がっかり。

そこで、車に詳しいクラスメイトのマットに相談したところ、「おれが一緒に見に行ってあげるよ」と言ってくれた。そして、マットと一緒に修理工場へ。

マット「確かに大事なパーツが壊れているね。Caliperはブレーキをかけるためにとても重要なパーツだから、これは確かに直さないとだめだ・・・。でも、こわれてるのはこっちだけだから、両方直す必要ないな」
修理屋「でも、うちでは両方直すことになっている。何でもペアで修理するほうがいい」
マット「でも壊れていないものを買う必要はないんじゃない」
修理屋「うーむ、でも、うちでは何でも両方やることになっているから。」
マット「RoterもPadもまだしばらく使えるじゃない。なんで換える必要があるの?」
修理屋「でも、普通Caliperを変えたら全部変えるから。」
マット「しかも、Roterだけで200ドルって・・・しかも、こんなの50ドルで買えるよ。」
修理屋「いや、この辺では在庫がないよ」
マット「いや、たった今すぐそこで在庫があるのを確認したから、大丈夫」
修理屋「・・・」(機嫌が悪くなり始める)
マット「このCaliperも500ドルかかるって話だけど、180ドルで売ってたよ。」
修理屋「・・・」(機嫌が悪い)
マット「というか、このCaliper、ピンが一本抜けているだけじゃん。ピンだけ入れてくれよ。」
修理屋「それはできない。うちでは交換はするけど、既存パーツ自体の修理はできないし、そうすると保障もできない。」
マット「そうか。じゃあ、ここで直す必要はないな。ありがとう」
修理屋「わかった、じゃあ早く車を出して持っていってくれ。」

そして、マットは7ドルでピンを買い、「今度1時間で直してあげるよ。かわりに、日本食を作ってね。」と言って、彼はさっそうと去っていった。10万円が800円に下がった瞬間であった。「医者と弁護士の友達がいると便利」と言うけど、車に詳しい人もあなどれないね、などと話しながら、僕たち夫婦は、彼の去り行く車にいつまでも手をふっていたのであった・・・。

さて、話は変わって。

夜はHBSで一年先輩のマット(またマットかよ!って話ですが、すみません・・・)の家にお呼ばれして、ディナーを頂いた。なんかサンクスギビング風(七面鳥&ポテト)のディナーだった。彼は経験なモルモン教のクリスチャンであるので、食事前のお祈りを一緒にやった。「神様、この恵みを感謝します・・・Yoたちと一緒に食事をさせて頂いてありがとうございます」みたいなつぶやきに、僕たちも黙祷して合わせた。こんなことするの、幼稚園以来だなあー。僕の幼稚園はキリスト系だったので、そんなことをやっていた気がする。

僕は彼と話をするのが好きである。まず、でかい。彼はJapan Tripでも少し話をした、NBAは断念したがMBAに入ったというへんな人である。2メートル8センチの巨体は親譲りらしい。さらに、彼の親が世界的に有名なクレイトン・クリステンセンという教授、というのもまた面白い。マットはきもいぐらいにクリステンセン先生そっくりである。彼は卒業後ヘッジファンドをはじめ、数百億円を運用しているらしいのだが、そんな彼のオフィスにあふれていたのはドラゴンボールとかガンダムとかのアニメDVDであった・・・(もちろん、ほとんどがビジネスの本だけれど)。ちなみに、ガンダムSEEDもあったが、それは見たことがない。というか、SEEDって結構最近じゃない?

世界的な教授の息子だからというだけで、アタマ良いなんてあるんだろうか。彼はまだ30歳ぐらいだと思うけど、すでに経営コンサルタント、投資銀行、HBSを経て、ヘッジファンドで数百億運用しているということは、やっぱり育てられた環境が常人とは違うのだろうか。でも、厳しく勉強させられていた雰囲気もないし、やっぱり親の姿を見て頑張ったのかなぁー?ものすごく普通の家庭で普通の教育を受けてきた僕としては、どうやったらこんな息子ができるのか不思議である。

僕がいつか親になったら、どういう教育をすればいいのかなぁ、なんて思う、今日この頃である。

とある週末、普通の日記

今日から4連休ということで、今日は一日、勉強をまったくしないと決めて、楽しく過ごした。

奥さんの耳の調子が悪いと言うことで、今日は朝から一緒に耳鼻科のクリニックに行った。おなかがすいたので、クリニック近くのCafe Sushiという日本料理屋を見つけて入ってみた。かつどんと鍋焼きうどんを食べたが、味はまあまあよかった。かつどんは食べきれず、残りを包んでもらった。チップを入れて19ドルをデビットカードで支払い、日本語のフリーペーパーをもらって店を出た。奥さんのアタマの中の様子を見るために、CTスキャンを撮ってくれるイメージセンターに行く。奥さんがスキャンされているちょっとの間、フリーペーパーを見つつ待合室でのんびり。ほどなくして奥さんが戻ってきて、家に向かって出発。日本語のレンタルビデオ屋に行こうかとか、1ドルショップによろうかみたいな話もしたが、結局僕は少し頭が痛かったのでそのまま帰った。Advilという頭痛薬を飲んで、しばらく休んだ。夕飯は奥さんが昨日のクリームシチューをマカロニグラタンにしてくれたのと、野菜なべを出してくれて、おいしく頂く。食後は、インターネットで遊ぶ。最近HBSの友達が始めたソーシャルネットワーキングサービスに僕も加入してみたのだが、日本語を勉強したいといういろいろな国の若者たちから大量にメッセージが届く。「ねぎまって知ってる?」とか、「犬夜叉がすき!」とか、めちゃくちゃ間違った日本語で一生懸命メールくれたりとか、そういう無邪気なメッセージに返事するのはなんか癒される。カナダ人で最近日本に交換留学でいっていた女の子から届いたメール。

「カナダの文化してる?たいて日本人はカナダがさうみいでうす、笑、これだけ。私はオレゴン行ったことがありませんでした。きれいですか?いいね、私は日本に行きましたみんなは私から英語話たかった。大変だった、でもたいてアメリカ人が日本語がぜんぜんわかりませんね?それからたくさんの練習できますね?ロビン。私のまちがいえたはなんですか?」

なんか、野暮な話だけど、こういうコミュニケーションする以外の何も期待されておらず、僕がだれだかなんて興味ない人からメールをもらうと、なんか楽しい。知らない人からメールをもらうときはたいていアドバイスを求められているので答えるのもパワーがいるけど、こういうのはなんか気楽だよね。それで、誰かも知らない人に、わかりやすいように超初歩的な日本語で返事してあげたりして、またがんばって日本語で返事してもらったりするとつい返事しちゃったりして・・・。うーん、ボランティアでいろいろやっていたころを思い出してなつかしい。そういえば、ビジネスの色がまったくないコミュニケーションも、大切にしないとねぇ。

夜は映画を見た。うちの地下室はプロジェクターを使った映画ルームとなっているのだが、そこで「ムービー・ナイト」をするのがうちの夫婦のビッグ・イベント。いつもどおり、おかしやジュースを用意して、映画を壁いっぱいに映し出して楽しんだ。今日見たのは、「ビッグ・フィッシュ」という映画。二人で感動してしまいました。

さあ、そろそろ寝ようっと。特筆すべきようなことはないんだけど、とてもリフレッシュした一日だったので、楽しく書いてみました。さあ、明日は気合いれていくぞ。

Lost Baggageのキョーフ!

飛行機に乗るときは手荷物をとても少なくして一切チェックインしないようにしている。それは、航空会社の荷物の扱いをあまり信用していないから。というわけで、今回はLost Baggage(預け入れ荷物の紛失)に気をつけよう、というお話。

——————–(2008年1月6日)——————–

先のヨーロッパ・モロッコの旅行に行った時、最後のボストン行きの便で、飛行機の入り口で「その荷物はチェックインしてくれ」と言われた。「カウンターでは、チェックインしなくていいと言われたぞ」と言っても、聞いてくれない。僕たちは航空会社は荷物をなくすものだと思っているので、なくなってもいいものだけ大きなバッグに移して、あきらめて飛行機に乗り込んだ。で、予想通り荷物は大規模なLost Baggageになり、そのせいで手続きに散々時間がかかって面倒なことになったのだが、まあそれは普通なので別に驚かなかった。気付くと、近くのおばさんが、従業員に手続きの依頼をしている。

おばさん「私の荷物が3つもないの!荷物番号はこれとこれと、これよ!」
従業員「(面倒くさそうに)ああ、合ってるわ。問題ないわね」
おばさん「(キレて)問題ないわけないでしょう!私の荷物が全部ないのよ!すぐ使う予定だったのに!」
従業員「(無視・・・被害者は私だ的態度)」

僕はひそかに思った。“素人め・・・荷物がなくならないと思うほうが、負けだ!”(毒)

——————–(翌日)——————–

僕は旅行から帰った翌日からサンフランシスコに用があって出かけた。軽量のバックはしばらく返ってこないので、今回は仕方がなく、スーツケースを持っていくことにした。今回は預けざるを得ないが、荷物は少ないのでまあいいだろう。

——————–(一週間後)——————–

で、サンフランシスコから帰ってきて、ボストンで荷物を受け取ったが、3万円のスーツケースは壊れて戻ってきた。頑丈なはずのフレームは曲がり、もう閉まらなくなっている。ので中身がべろんと出ており、何がなくなったのかもわからない。きっとレッドソックスの松坂もびっくりの投げ方をされたのだろう・・・。かわいそうに、ヨシヨシ。でもこれもこんなものだろう。面倒だが、修理してもらおう。

——————–(先日)——————–

そして先日、壊れたスーツケースの修理をお願いしに、空港に戻った。修理の手続きをしていると、僕の後ろから超キレたおばさんが割り込んできた。

おばさん「私のペットが届いていない・・・私の犬を返して!!!
従業員「ええ、わかりました。落ち着いてください。」
おばさん「落ち着けるわけないでしょう!!!私の犬はどこなの!!!」
従業員「調べてみましょう。」

これはさすがに、かわいそうだ!!!みなさん、Lost Baggageには気をつけましょう!

(あの犬が生きている事を今も祈るばかりであった・・・。)

HBSに入る人のバックグラウンド

今回の投稿は、MBAに興味がない人には最高につまらないです。ごめんなさい。

「どうやったらHBSに入れるんですか?」みたいな質問をよくされる。こっちが聞きたいわ!とか、そりゃあんた次第だ!とだけいってもしょうがないので、合格しているのバックグラウンドの傾向を見てみよう。僕の主観としては、日本で仕事をしている人が受かりやすい合格バックグラウンドは、だいたい以下じゃないだろうか。(以下の中から、当てはまるものが多いと、受かりやすい、かもしれない)

■職歴
・アメリカ系プライベート・エクイティ(ベインキャピタル、リップルウッドなど)
・アメリカ系投資銀行(ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、メリルリンチ、シティバンク、UBS、など)
・アメリカ系戦略コンサルタント(マッキンゼー、BCG、ベインなど)
・商社
・日本を代表する企業のマネジメント育成コース(トヨタなど)
・アメリカ系だが日本で成功している企業の花形部署(コンシューマ製品のマーケティング部門など)
・弁護士、医者
・起業家
※組み合わせがあるとさらによい

■派遣ステータス
他のトップ校の一部では、「企業派遣は無条件受け入れ」みたいなグレーなところはけっこうあるみたいだけど、おそらくHBSでは通じないと思われる(そういう企業派遣を無条件受け入れする学校は、企業からそれなりの寄付金を受けているはずなので、調べればわかるでしょう)。ただし、企業派遣=期待された優秀なトップ人材である可能性が高いので、ややプラスでは。

■年齢
・25-32歳ぐらい。33以上になると辛くなってくる。

■学歴
→これはあまり関係ないと思う。ただし、上記の職歴では東大生が好まれる事が多いので結果的にHBSの合格者は東大生が多いが、直接の原因ではなく、東大生であることはほとんどプラスに働かないと思う。大学(学部)がハーバード、スタンフォード、プリンストンなど世界のトップ校だとプラスかもしれないけど。

■生い立ち上のメリット
・帰国子女(帰国子女でないならTOEICは1000点近く、TOEFLはIBT116・CBT283ぐらいはないときついかも)
・女である(受験者が少ないから需要が高い)
・政治的・経済的に特殊な家系(極端に言えば、首相の息子だとか御曹司等)
・その他、ものすごく特殊な生い立ち

■裏口?
ちなみに、大金を払ったら裏口で入れるみたいとかいう夢みたいなウワサもありますが、数億円などHBSにとって大した収入ではないし、金が必要なら学費を上げれば済むよ。まして、倫理を教えている学校が数億とか数十億のためにリスクを冒すメリットがほとんどない。さらに、入れたとしても、クラス内での発言の質が保てなければ放校されるシステムで、ごまかして卒業できる環境ではない。

■ご注意
ちなみに、ここに書いたバックグラウンドは、結果のまとめにすぎないので、原因ではない。結局は、どんな目標をもっているのか、その目標を実現することができると説得させるだけの行動をしてきたか、で決まる。目標を実現する力のある人と、こういうバックグラウンドであることに、相関があるだけである。そういう意味では、上記に当てはまらなくてもあきらめる必要はないし、逆にこういうバックグラウンドの人にかぎって受験する可能性が高いので落ちている人も多いだろうから安心はできない。

■博士課程について
ぼくは修士なのでよくわからないが、博士課程に入るのは普通の人間では無理!という印象があります。上場企業のCEOが個人的にアドバイスを受けに来ちゃうようなそういう人が行くところでしょう・・・僕には確実に無理です、はい。とりあえず日本の大学である必要があるなら東大を主席で卒業し、20代で成功してある程度の富を築き上げ、世界的な経済・経営関連の雑誌に論文を投稿して有名になれば入れるかも・・・。ワンダーランド・・・。

—-

という感じで、その他の条件を考慮しつつ、バックグラウンドに重複があまりないようにして、合計10名程度が一年間に選ばれる(クラスが10あるからかも)。個人的にはこんな感じだと思いますが、どうでしょう?

ターゲティング

インターネット・マーケティングを多少知っていれば、当たり前の話ではある。Mixiというソーシャルネットワーキングサイトにログインすると、トップに出る広告は明らかに僕の年齢・性別といった属性に対してターゲティングされているのがわかる。なぜ明らかだと言えるかというと、出てくる広告のメッセージがこれだから。

・「俺、3箇所で借金しているんだけどどれも限度いっぱい」(ローン系)
・「短期高収入」 「フリーターに朗報!」 (仕事のあっせん系)
・「髪を生やそう」 「鏡の前の自分を見ると・・・」 (抜け毛系)
・「体重は・・・言えません」 (ダイエット系)

クッ・・・つまりお前は、僕が「仕事がなく、借金を抱え、中年太りが始まっており、もちろん毛は抜けまくり」だと、そういいたいわけだな?勝手に決め付けやがって。しかも、腹立たしいことに、だいたい合ってるじゃないか!借金だぁ!?ああ、あるね!奥さんつれてMBAに行きゃ3000万ぐらいかかるんだから借金するに決まってるだろう!仕事ぉ?学生だと言っているだろう。ダイエットぉ?一日勉強ばかりで動く時間もなく太りますよそれは。髪・・・ぐっと髪の毛をつかんで引っ張り、手のひらを見る。

そこには・・・!? (つづく)

Messages From Harvard

というタイトルで、明治大学の学生向け雑誌でひっそりと配れていた僕の独善的エッセイの連載が終わりました。「明治ですから!」という熱いタイトルのウェブサイトにもコピーが載っているようなので、ここにひっそりとリンクを貼っておきます。バックナンバーもありますね。勉強の合間にぼちぼち書いていたものなのでくおりてぃ~は保証できませんが・・・。

僕の連載が入った雑誌は計8万部配られたそうです。僕の連絡先はどこにも公表していないのですが、どうにかして僕を探してくれた明治大学の学生の方や教職員の方から感想のメールを頂いたりもして、うれしかったです。どうもありがとう。