総合偏差値が30台でもハーバードMBAには入れる

僕は大学受験時の総合偏差値が30台で、最終学歴はハーバードのMBAである。そんな僕から言わせてもらうと、バカは東大には入れないけど、HBSには入れるかもしれない。

バカが天才と勝負するには、ひとつの戦略しかない。それはバカのひとつ覚えだ。そして、東大に入るにはあれもこれも覚えていないと入れないが、HBSにはすごいことを一つ覚えていれば入れる。腕ききの医師でも、トップダンサーでも、プロスポーツ選手でも、すごければ入れる。他の上位校でも一緒。

ちなみに、偏差値みれば一発でわかるが僕は勉強が嫌いだ。特に暗記はやってもやってもやってもやってもできない。このブログに来てくれているほとんどの皆様より勉強ができない自信がある。皆様のような頭のいい人に僕の気持ちなんてわからんだろう、ぐらいに思っている。

僕はとにかく、嫌いなこと、納得できないこと、興味がないことはできないので、普通の人がやることの多くができない。体育会系の上下関係には一秒も耐えられない。友達でもないのに芸能人の名前など覚えられない。飲めないのに合コンで知らない人に金払いに行くなんてできない。何に使うかわからないお勉強の知識など頭にまったく入ってこない。

でもね、バカにはバカなりの生き方があるんだって思うよ。

僕は、わくわくするような話は頭に入るものだと思う。誰しもそういう分野がひとつぐらいはあるんじゃないかと思う。僕はテクノロジーがもたらす進歩とかすごく夢があって好きだから、テクノロジーの経営戦略の話とかになるとそれだけは頭に入る。僕はそこにフォーカスした。まさにバカの一つ覚えだよね。ただ、バカの一つ覚えをやるためには、フォーカスしている事以外を大胆に切り落とす覚悟が必須だ。二兎も三兎も追えない。自分にとって優先度が低ければ会社の話も上司の話もガン無視する必要がある時もあるし、優先度が高いなら、同窓会を断って徹夜しながら修羅場をくぐらなければならないこともあるが、人のアドバイスに惑わされずバッサバッサと切っていかねばならない。失うものが多くて悲しい気持ちになることもあるけど、それが集中するということだと思う。

つまらない事もやらなければならない事もあるが、それは楽しくしてしまえばいい。たとえば、僕の場合は英語。僕は単語帳から英単語を暗記するなんてできない。やってもできないからつまらなすぎる。でも、好きな映画を字幕を出しながら何度も繰り返し見ながら楽しんで勉強するならできた。当時はDVDがなかったから、アメリカからお気に入りのビデオをいっぱい輸入して、英語の字幕を表示する機械を買ってきて何度も何度もみた。そんなことばかりを何年もやっていたらそれなりに実力がついた。頭がいい人はもっと効率よくできるが僕はバカだから無理。でも、つまらないものでも楽しくすることで、遠回りでも努力しまくれば、追い越せなくても追いつくことは不可能じゃないんだ。

幸いアメリカのMBA受験では学力は足きり程度なので、強みをHBSに評価してもらえて通してもらえたのだと思う。

大好きなことをがんばること、がんばることで結果を残すこと、結果を残すことで自信をつけること、自信をつけることで勇気を失わないこと、勇気を失わないことでつらくても笑い続けること、笑い続けることでがんばる心を保つこと。それから、苦手なことも楽しくすることで、果てしない遠回りをしながらでもいいから周りに追いつくこと。これが、バカである僕に残されたたった一つのやり方だ。

勉強ができないとか、レールに乗りこねたとかぐらいで、簡単に夢をあきらめる必要はないよ。どんなバカだって、一つの事でいいから本気でがんばって、結果を残す事さえできれば、HBSに入ることもできるし、強みを活かしてやりたい仕事をすることもできるんじゃないかな。バカであればバカであるほど集中しなければならないので失うものは大きいけど、きっと見返りはあるよ。みんなそれぞれいいところがあるし得意なことがあるわけだから、それを大切にすればきっと僕たちはすごい事ができるはずだ。

僕はものすごい勢いでそう信じているのであった。

以前のエントリー: Impossible is Nothing

先日のワシントンDC出張にて。国会議事堂の土手で大はしゃぎのDC住民。

本文とは関係ありません(笑)

17 replies
  1. Yoshiaki Kurihara
    Yoshiaki Kurihara says:

    古賀さん初めまして。twitterから来ました。何か一つの仕事に全力で取り組んで評価されることが世界で評価される一歩だということを教わりました。私は日本の大学を卒業した後、フィジーに短期留学したのですが、設備の劣るフィジーでの勉強のほうが充実していました。遠くない将来、アメリカなどに留学して学位を取得することを考えています。これからも、blogerとtwitter両方訪問させて頂きます。

    Reply
  2. もちだ
    もちだ says:

    選択と集中ですね。企業において、強みを極めたアップルやサムソンやノキアが日本の総合電機を極東の片隅に追いやっているのをみるにつけ、明治以来の全員総合的な学力を伸ばすと言う教育では、もはや時代に取り残された人材づくりしかできなくなっているのではと感じます。個人でもまんべんなく成績を良くして偏差値を上げるよりも、好きなことや得意なことに特化してエネルギーを注いだ方が良いですね。

    むしろ、国や地域をあげて、日本人ならではのこととか、その地域ならではのことを徹底して教えた方がいいと思うようになりました。国語、算数、理科、社会、音楽、図工、体育うんぬんよりも、習字とか着付けとか茶道とか剣道とか論語とか伝統料理とかを小さい頃から徹底して身につけた方が、集中力とか持続力とか精神力、さらには国際舞台で活躍するための日本人としての下地がつくられて、偏差値を上げるための今の制度よりもよっぽど将来役に立つのではという気がしています。そのうえで、個人が興味を持ったことをとことん極め、日本一や世界一が目指せるような仕組みを周囲でつくったらいいのではと思います。

    日本では、出る杭は打たれますが、日本の外に出ると出る杭はどんどん歓迎されますよね。日本の教育は出る杭をつくらないようにしているのに対して、特にアメリカでは出る杭をのばすような機運があり、それがゆくゆくは国力の底力になっていると思います。

    Reply
  3. pawn
    pawn says:

    才能よりも継続できる努力のが大事だということですね。
    残念ながら、典型的な人間はそれほどモチベーションや情熱を維持するのが得意ではないように思います・・・
    ダイエットや英会話の広告がいつまでも雑誌の紙面にあったりするように。
    自分にとっては、長期的なモチベーションの維持こそが人生の目標だというぐらい重視しているのですが、やっぱり何をやっても途中で飽きたり冷めたりしてしまうのです。

    Reply
  4. yuki yamashita
    yuki yamashita says:

    自分は分散思考型で、二兎も三兎も四兎も追っかけてしまうのですよ。
    何かしながら作業をするっていう「ながら作業」があるけど、自分はながら作業をしながら、違う事を考え、違うながらをするみたいな。

    長期の場合もそうで、目標にしても何兎も追っかける。
    一つに絞ればいいのは分かっているが、どうも性分みたいでうまくいかない。

    馬鹿+分散思考型の人間はどうすればいいのだろうか。
    ジレンマの毎日です;

    Reply
  5. yokichi
    yokichi says:

    Yoshiaki Kurihara さん

    一転集中がいいのか全方位型がいいのかは人しだいですが、いろいろな生き方があってよいですよね。これからもよろしくお願いします。

    もっちーさん

    おっしゃるとおりこれは選択と集中ですね。日本の教育はこれを許さないように設計されていますが、そういう事実も日本にいる限りは気づかないですね。別に今まではそれでよかったのですが、このままにしておくとそのまま競争力を失っていくことになるでしょう。

    Pawnさん

    モチベーションの管理はきわめて重要なトピックですね・・・。しかしこれは人によって違うので一般論では語れません。僕の場合は一夜漬けをしてきたタイプなので、モチベーションを管理するコツは、自分の心理状態を分析して、いかに一夜漬けと同じ精神状態に自分を持っていくかに苦心しています。僕の場合、いちばん効くのはアクションプランを細かく作って、「逆算してみると、いまやらないともう間に合わない」という事実をものすごく現実的に認識するようにしています。締め切り、恐怖、怖い人の外圧を利用したり、先にお金を払って「もったいないから授業を受ける」などの強制を自分にすることもよくあります。これは楽ではないですね・・・。

    yuki yamashitaさん

    僕も思考は分散しがちな気がします。ただ、いつもゴールから逆算するので、逆算して不可能だと判断したことはあきらめる気がします。このへんはコンサルタントとしてプロジェクト管理をしてきたというスキル面のトレーニングが役に立っているとは思います。

    Reply
  6. Sotaro
    Sotaro says:

    初めまして。
    「明治大学卒 ハーバードMBA」で検索してたら辿り着きました。

    私も明治大学卒で、現在は某広告代理店に勤めており
    国際的なビジネスマンになりたく、MBA取得を考えてます。

    最近GMATの勉強を初めたばかりですが
    私も頑張ってTOP SCHOOLに行けるよう頑張ります。
    (ちなみに私は受験勉強を始めた時、偏差値20台でした。笑)

    それにしても明治卒でハーバードMBA行ったのは古賀さんだけなんですね。
    ちょっとびっくりしました。もう少し居ると思ったんですが。
    受ける人も少ないんですかね。

    それでは。

    創太郎

    Reply
  7. yokichi
    yokichi says:

    創太郎さん

    そうですねー、ぜひ明治からハーバードに入ってください!不可能ではないはず(笑)

    Reply
  8. shoichi ogasawara
    shoichi ogasawara says:

    はじめまして、MBAで検索から訪問させて頂きました。私は高校中退から24歳で働きながら定時制高校に編入学し卒業、その後も働きながら慶應義塾大学の通信教育課程で大学を卒業した者です。

    yokichiさんの「総合偏差値が30台でもハーバードMBAには入れる」にはとても勇気を貰えました。これからも訪問して参考にさせて頂きます。

    貴重な経験を教えて頂き、ありがとうございました!

    Reply
  9. レフスキ
    レフスキ says:

    僕はコテコテの体育会系大学卒業生ですが、ずっとケネディースクールねらっています。スポーツを通じた世界平和への貢献ができないか、考えています。
    ときどき、というより、しょっちゅうやっぱり無理かな、と思うことも多い中、元気になる記事をありがとう。

    Reply
  10. りょう
    りょう says:

    自分を含めた全国の落ちこぼれ同士に、夢と希望をすご~く与えてくださるコラムだと思います!
    とても前向きで、自分の人生を一生懸命生きている古賀さんを是非見習いたいです。
    バカはバカなりに、頑張りたいと思います。
    これからも応援しています。

    Reply
  11. julyly
    julyly says:

    ツイッターから来ました。
    自分は就職ができなくてわざわざ大学を留年した身なんですが、そのときめちゃくちゃ自己嫌悪に陥ったんです。自分何もできないくそ野郎だって。結局就職はできたんですが、今思うとなんで悩んでたのかなーって思います。

    古賀さんのように自分には他の人と同じようなことはできない。けど自分にしかできないことだってあるって今になってすごく思うんです。

    そしてこの記事をよんで衝撃的でした。世の中こんな人もいるんだ―って!!あらためて勇気づけられました。ありがとうございました。

    Reply
  12. Hiro
    Hiro says:

    突然のコメント失礼致します。

    私も今年で創立130周年の明治大学2008年卒業生のHiro(27歳)と申します。

    偏差値30からのハーバードMBAに驚嘆致しました。

    私事ですが、先月、4年勤めた某内資系企業をとても悩んだ結果、退職し、
    (ブログにありました、日本企業・大企業のしがらみ・縦社会・体育会系・古いシステム)

    (内資系企業は、学歴が高くても、本当に優秀な人は少なかったように感じております。
    周りは、上も同期も下も、現職に安住し、皆向上心を失い、革新といいつつも、ボトムアップで組織を創造する環境を整備するには時間がかかりました)

    全てを捨て去り、0から現在、海外MBAに向けて勉強しています。

    偶然、インターネットで見つけたため、驚いております。

    ブログを読ませて頂き、大変共感し、尊敬しております。

    とても孤独な戦い、葛藤があったため、ブログを見つけて感動してしましました。

    最難関の道ですが、明治大学卒業で、2番目に歴史をつくれるように精進致します。
    (昔から頭が悪くコツコツの努力型です。バカの一つ覚えでいきます。)

    高い志を持って『前へ』進みます。

    Reply
  13. r.k
    r.k says:

    偶然MBAに関して調べていたらたどり着きました
    自分も漠然とそれこそノリでMBAを海外で取得したいと思っています
    もちろんその考えの基にはマネージメントに関心があり、本や色々な方とお会いしてお話を聞かせていただいたり、学生起業に携わったりなどした経験から自分に一番いい方法だと思ったからですが
    そこで質問があるのですが、大学のGPAが低いとやはり人気校の合格は難しいのでしょうか?

    Reply
  14. yokichi
    yokichi says:

    r.kさん、

    「入るのが難しい学校」=「人気校」と定義されているのであれば、GPAが低いと難しいと思います。

    ただ、「他人にとって人気な学校に入れてもらえるか」よりも、「自分に合っている学校とはどんなものか」が正しい悩みだとは思いますけれども。

    Reply
  15. j.s
    j.s says:

    古賀さんの体験や話をブログで見て、希望がわきました。
    私は沖縄に住む高校生なので、語学力というのでしょうか、話す力や論理立った話を作る力がないに等しいです。(沖縄だからというのは、一種のいいわけですw)
    ですが、私はずっと戦略コンサルタントという仕事にあこがれて、その仕事にいつか自分がなることを夢見てます。むしろ、なってみせます。という、考えで私は勉強頑張ってきました。(そんな頭がいいわけではない)
    ですから、古賀さんのブログを見て、「こんな自分でも、もしかしたら、ひょっとしたら。」っていう、小さな可能性に賭けてみようかと思いました。
    また、東大なんて無理に等しいので、古賀さんが通ってた明大か法政、関西学院、青学
    の1つに絞って進路を決めようと思ってます。
    このブログの記事を受験勉強の糧、将来の糧にしようと思っています。
    本当にありがとうございました。

    Reply
  16. TheCriminal
    TheCriminal says:

    はじめまして。
    41歳、関西学院大学3年です。
    飛び級で卒業(確定)して、関学のアカスク(確定)から、公認会計士試験合格を目指しています。

    ブログは刑務所から学歴社会のへの挑戦です。

    2度の刑務所にはじまり、定時制高校へ行き、大学を飛び級で卒業しました、

    大原簿記ではAクラス特待生(授業料・入学金免除)です。

    ハーバード、名前だけで痺れます。
    スタンフォード、身体が震えます。

    めっちゃ参考になりました。
    1600万ないですけど、頑張ります。

    GPAや成績にはこだわっていきます。
    本当にためになりました。

    俺も人生変えます。
    下向いてばっかりで生きてられるかって思います。

    刑務所ぐらいなんべんでもいったるし、怖くもないけど、でも、今ここで勝ちたいのです。

    誰もが驚嘆する結果が欲しい。

    勉強させてもらいます。
    ありがとうございました。

    Written by TheCriminal.

    Reply

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