がんばろう!

週末には、ボストンキャリアフォーラムに集まった MBA Class of 2011 の皆さんの多くとお会いすることができた。先日立ち上げたJALUM (The Japanese Association of Leading US MBA programs) のボストン会をHBSのglobetrotterちゃんが企画してくれた(ありがとう!)から。

せっかくなのでアメリカでの就職やベンチャーキャピタルについても色々紹介できたらと思っていたのだけど、僕が風邪で声が全然でないという状況で全く無理でした。すみません・・・。でも話すとバカがばれるので、静かに笑顔を振りまいてきただけであったことがむしろ良かったのかもしれません。

みんなに消え入るような声で「今日はどうだった?」って聞いてみたら、けっこうみんな投資銀行を中心に内定をもらったみたい(現実的にボストンキャリアフォーラムでトップMBAを採用する会社はファイナンス系しかないのだが)。この不景気の中にも関わらず、すばらしい会社から内定が順調に出ているみたいで、とてもほっとした。もちろん、みんながずば抜けて優秀だという事もあるけど、景気も少しよくなってきたのだろうか。

ところで、僕のところにはベンチャーに関してはさまざまな情報が入ってくるのだが、ここ一月ぐらいの業界の動きを総合的に見てみると、急にポジティブなニュースが増えてきた気がする。アメリカの株式市場も一気に下げた3月以降、ずっと回復しているし、全体的には上向きだと思う。このままアメリカ経済が踏みとどまってくれるといいなー。

でも日本の株式市場は相変わらずで、TOPIXも日経平均も9月以降は落ち込んでおり元気がなく非常に悩ましいね。最近は、「ではどうするか」という話をJETROの人とすることが多い(JETROは海外のベンチャーを日本に誘致することで日本のイノベーションを促進して産業効率を高め、日本の雇用を生み出すことがミッションの一つなので、うちと非常に思想が近い)。どうやって組むのがいいだろうか。

景気の問題になると財政政策や金融政策の話ばかりで企業が何をすべきかという話は当たり前すぎてあまり議論されないのだが、僕は資源の無い日本が競争力を確保するには長期的には企業のイノベーション力が必要だと思っているので、僕は僕なりの貢献をしていきたい。

そもそも日本人は資本主義にもイノベーションにも向いていないので簡単ではないのだけど、外から見ていると日本の状況は構造的にかなり終わっているので、日本のよさを活かしつつ、海外のものの考え方をうまく融合して日本が成功できるアプローチを模索していかないといけない。最終的には、非正社員の若い人や、これから生まれてくる子供たちが夢を持てる社会を作らなきゃだめだよね。

MBA生の皆さんからパワーももらってそんなことを考えつつ、今週は風邪をバッチリ治してがんばります。

8 replies
  1. Noriyuki
    Noriyuki says:

    はじめまして!早稲田大学学部生で、現在就職活動を開始したばかりの伊藤と申します。渡辺千賀さんのブログで紹介されて以来、更新ごとに拝見しています。

    →外から見ていると日本の状況は構造的にかなり終わっている

    ということに驚いてしまったのですが、どんな風に終わっているのかよかったら教えていただけますか?これから働く企業を選ぶ身として、構造的に終わってしまっていない業界や企業を選ぶ参考にさせていただきたいです!

    またそれに関連して、古賀さんが今大学生なら、こんな仕事・企業選ぶな~(あるいは日本での就職は勧めないよ!という選択肢も含めて)ということについて、なにかアドバイスいただけないでしょうか?

    宜しくお願いします!!

    Reply
  2. 証券マン
    証券マン says:

    ご無沙汰しております。

    >でも日本の株式市場は相変わらずで、TOPIXも日経平均も9月以降は落ち込んでおり元気がなく非常に悩ましいね。

    アメリカは分かりませんが、日本では二番底が来ることを想定しておりますので、ポートフォリオ先には資金繰りを最重要に掲げ、かつ研究開発や事業開発を行ってもらっています。事業開発では一緒に議論を重ねていますが、いいビジネスアイディアがありニーズがあっても、デリバリできる人が多くないことが、現在の日本VBの課題なのかなと感じています。

    >僕は資源の無い日本が競争力を確保するには長期的には企業のイノベーション力が必要だと思っているので

    同感です。直感ですが、クリーンテック分野では若い力よりも40代以上の元気ある方々が、日本では主役になりそうな気がしています。
    長年、研究や構想を練ってきた思考力と高度なビジネスセンスが問われる分野な気がするので。

    微力ながらも、そんな方々をサポートし、イノベーションを促進させるほうに一役になりたいと僕も考えております。

    >そもそも日本人は資本主義にもイノベーションにも向いていないので

    そうなんですかね?
    資本主義を活用し、イノベーションを発揮し続けることができたからこそ、今があると思っているのですが、外にいくとそのように見えるのですか?

    P.S.先日、御社が日本で行ったパーティに弊社の者も何人か参加させていただいていたようです。いつか、ご一緒するかもですね。

    Reply
  3. yokichi
    yokichi says:

    >伊藤さん

    「日本はもう駄目だと思う」と思い切り言っているちかさんのブログからいらしているなら、驚いてはいけません(笑)。

    その質問にここでこたえるのは深すぎて無理なのですが、一言で言うと、過去成功したがもう役に立たない老朽化した政治と経済のシステムの中において既得権益をもった老人たちが自分のために意思決定するという構造を変えない限り日本は沈むからです。若い世代が規制のメカニズムを本気でぶっ壊せない限り状況は変わりませんから。

    僕が学生なら土下座されても航空業界には入りませんし、レコード会社や出版業界またその流通など、デジタル化により確実に死滅する産業には絶対入りませんが、就職先がどこがいいかというのは誰と結婚したらいいかというのと一緒でフィット次第だと思いますよ。

    就職活動、楽しんでください。

    Reply
  4. yokichi
    yokichi says:

    >証券マンさん

    ひさしぶりです。

    そうですねー、日本のクリーンテックの経営者は、確かにR&Dの強みはありますね。ただ、クリーンテックのビジネスは最初からグローバルな面があって、なかなかデリバリーできるビジネス側のマネジメントがいないのが悩みではあります。

    「そもそも日本人は資本主義にもイノベーションにも向いていない」というのは一言では説明できませんが・・・。実際、成長中だった昔はいいですけど、もうここ20年日本は打つ手なしという感じですね。

    文化的に、株主資本主義にも向いていないし、金持ちが社会をデザインするのが嫌い。思考が内向きで色々な面でグローバルな競争に向いていないし、文化が関係ない製造業とかを除いて海外マーケットの理解が求められた瞬間にお手上げなのでサービスの海外展開とか成功したためしがない。ソニーのトランジスタラジオみたいな例外を除いて、イノベーションといっても既存の枠組みを取り壊すような多様性が求めらる思想が嫌いなので、自動車とか半導体みたいなプロセス改善以外に強みが生み出せないが、プロセス改善による勝ちパターンはもう通じなくなってきている、とか、山ほど思うところはあります。こういったことが悪い事だといっているわけではないのですが、単に、日本人のよいところは、資本主義とかイノベーションと相性が悪いと思います。

    Reply
  5. Noriyuki
    Noriyuki says:

    親切に教えて下さり、有難うございました!

    渡辺さんはじめ、一定期間外国にでて働かれた方の多くがなぜ日本に構造の問題点を指摘されるのだろうと(旅行以外で国外に滞在したことのないため特に)疑問に思っていたので、質問させていただきました。スッパリとした一言、とてもわかりやすかったです。自分の今後の決定に生かしたいと思います!

    結婚と同じですか!成長性があって、国外にも目が向いていて、年功序列でなくて、、、、とグルグル考えていたのですが、やはり自分がフィットするかどうかで決めるのが一番なのですね。

    相手をよく知るにはとにかくデートしてみるのが一番ということで(笑、会社や人にどんどん会って、就職活動楽しんでみようと思います。

    ありがとうございました!

    Reply
  6. yokichi
    yokichi says:

    >伊藤さん

    なぜ僕たちがネガティブかについて。

    ちかさんをはじめ、海外に住んでいる人は実は日本のことを日本にいる人より考えていて、飲み会のネタは大体「日本をどうするか」ばかりです。マジです。

    これは海外に住んでいる人が海外のほうがいいと思っているからではなく、毎日自分が「日本人である」ということの意味合いを認識しながら生きることを強制されているので、「日本とは何か」をいつもいつも考えているからです。

    いろんな視点で日本を分析し続けている間に、日本は既に少子化など異常に深刻かつ手遅れな問題を多く抱えており、50年後に向けて目に見えないところで地盤沈下していることに気づきます。しかし、既得権益のある人たちはどうせ日本が変わるころには死んでいるので自分に都合のいい年金・税金システムを維持しようとして赤字国債でつけを将来に回し、改革を行うことはなく、倒産寸前まで問題を後送りしてきます。となると、こうした負の遺産のつけを払うのは若者になりますが、国内で普通に生活している多くの若者にはこういう構造がわからないので反逆も起こりません。ただ、がんばっても報われないという事実になんとなく気づきはじめると希望を失いますが、こうしたものは出生率や経済の効率に長期的に影響を与え、日本はゆっくり沈没していきます。

    それで、僕たちは色々日本を変える方法を真剣に模索しているのですが、日本の上層にある「日本の改善より自己保身を考える既得権益にすがる人」の壁がかなり高い。

    こうなると、若者の危機感をあおって将来の負債のために割りをくいまくる予定の若者がキレて革命を起こすようにするか、優秀な人がみんな海外に早く出て行って日本を一旦つぶすかぐらいしかできることがありません(日本では、「日本はもう駄目だ」という考えが「主流」になり「誰でも同意する事実」になった時点で、すごい力で立ち直るパワーがありますが、そこまで到達する方法が難しい)。

    ただ。少なくとも誰かが「もう日本はだめだ」といわない限り変化のための危機感をあおれないため、「日本はもうおしまい、捨てたほうがいい」というしかない言います。本当におしまいにしたいと思ってはいませんが、僕たちにはそう発言する必要があるから言わざるをえない、と思って下さい。

    ところで、就職先がどこがいいのかというのは、伊藤さんが誰で、何がしたいか、次第なので、人気就職先ランキングを上から受けていくような事をすることだけはやめたほうがいいと思いまーす。

    Reply
  7. Noriyuki
    Noriyuki says:

    自分のように見ず知らずの学生に、時間を割いて詳細に書いてくださり、重ね重ねありがとうございます。ブログのタイトルどおり、古賀さんの日本への「愛」をビンビン感じました笑

    実際に海外で本格的にご活躍されている方から、このように深い思い・考察を語っていただいたことが初めてだったので、大げさかもしれませんがものすごい感銘を受けました!

    大前研一さんはじめ、多くの方の書籍やネット上の情報から、「日本はだんだんダメな方に向かっている」という事実はわかっているつもりだったのですが、今回古賀さんのコメントを拝見するまで、その問題を自分に関係する身近なこと、自分にリアルに影響を及ぼすこととして捉えられていなかったように感じます。

    古賀さんの文章を繰り返し読み、もう一度「日本はもう終わりだと思うので、海外で勉強して働こう」「国や組織はどういうときに悪くなるか」という千賀さんの記事、それに関連するコメントを熟読してみた結果、日本には古賀さんがおっしゃるような大きな閉塞感、暗い未来があることが自分の中でよく理解できたように思います。

    さらに、(大まかに見て)実際に国外で働いている・いた人がそのような見方に賛成する一方、日本ですでに働いていると思われる方のコメントには反対するものが多数であるという事実が、「内にいては問題がみえにくい」ということを顕著に示していて、「内」しか知らずに「そうはいっても日本のなかに閉じこもっていても、割と楽しい人生が過ごせるのでは?」と安気にとらえていた自分が間違っていることに気づけました!

    大学に入って日常会話程度の英語ができるようになって、「仕事をするなら国外に行けるチャンスがあるものにトライしてみたいなー」とぼんやりと考えていたのですが、まだまだ柔軟な20代の今のうちに、なんとしてでも出てみるべきだと考えが変わりました!

    就職活動の、自分が誰で、何がしたいかということは、学部で経済学をうっすら勉強しただけの自分は、まだまだとても希薄だなと切に感じています。夏休み以降、現にいろいろな業界を見ているのですが、1日のセミナーや、2,3日のインターンだと仕事の理解にも限度があり、この仕事やってみたいな!というものにまだ出会えないでいます。

    ただ今回いただいたアドバイスで、ひとつ外せない「国内で閉じない仕事」という選択基準を持てたので、興味のある会社にしぼって長期間インターンを頼んでみるなど、もっと仕事をしる手段を探してみようと思っています。

    貴重なアドバイス、本当にありがとうございました!オバマさんのノーベル賞ではありませんが、古賀さんの本気のアドバイスを”call to action”と受けとめて自分の行動につなげたいと思います。

    Reply
  8. yokichi
    yokichi says:

    伊藤さん

    確かに「日本は駄目だ」とかいうと国内の人にものすごく怒られますよね。日本を捨てたお前に何がわかると売国奴扱いです。大前さんの空気の読めなさとかも半端ではないですが、ちかさんも空気を読まずばっさり切り込むタイプの人ですから反論は多いですが、空気読みながら改革とか絶対無理ですからね。変化を起こした人で、空気を読める人とか知らないし。

    インターンやアルバイトを幅広くするのはとてもお勧めです。僕も自分が何になりたいのかとかよくわかりませんが、学生時代に自分の軸が定まるまでもっと沢山いろんなバイトやインターンをしておけばよかったと思っています。もちろん、機会を見つけて海外に出るのもお勧めです。

    学生のみなさん向けのメッセージは沢山コラムを書いたので、ヒマならぜひ読んでください。
    http://yokichi.com/essay.html

    特に、自分で決める勇気が仕事を選ぶ上では大切だと思います。

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