注: ハーバードのMBAに関する相談は、僕の知人から直接の推薦があった場合のみ対応しています。
MBA受験の準備において、できればやっておきたいのが、卒業生または在校生(卒業後5年以内ぐらい)の人へのインタビューだ。
これは、エッセイを最終化する上で非常に役立つため、もしできるならやっておいたほうがいい。できればキャンパスビジットして人と知り合い、後からでも質問できる体制を作っておくのが望ましいが、できないなら国際電話をかけてでも、30分でもいいから相談すると良いだろう。
なんでこんなことが必要かというと、
- 本に書いてある一般論では情報が浅すぎて最後のツメができない
- 大学のホームページはどこを見ても「うち最高」しか書いていないので、実際の姿が見えにくい
- 自分のゴールと、大学が本当にフィットするかという部分は、文章ではなかなかわからないカルチャーに依存する面が多く、実際の声を聞かないとわからない
という現実があるからだ。
そんな皆様向けに、MBAの現役学生・卒業生に対して質問する際のコツを(ちょっときびしめに!)書きます。
コネを使うべし。
いきなりメールを送りつけても、軽くあしらわれて終わる率が高い。
受験アドバイスを欲しい人の人数に対して、アドバイスできる人の人数は圧倒的に少ない。知らない人から突然アドバイスを頼まれることも多いが、そもそも全員は相手にできない。でも、会社の後輩とかお世話になっている知り合いとかに頼まれると、ちゃんと相談に乗りたくなるものなのだ。忙しい相手に時間をもらうなら、人づてでちゃんと頼んだほうがいい。
コネがないなら、せめてキャンパスビジットして、大学に日本人学生を紹介してもらえば、日本からわざわざ来る人を暖かく迎えない日本人はそんなにいない。
勉強法など聞くのは言語道断。
「英語の勉強方法を教えてください」「GMATは何点必要ですか、どう勉強しましたか」という質問をしてはいけない。
相手は想像以上に忙しいことが多く、あなたに時間を割くということは、貴重な友人や家族との時間を差し置いてあなたと話すことになる。別の人が答えられるような質問は別の人にすべきだ。
将来トップスクールに受かるような人は、勉強に関する質問など絶対にしてこない。そういう世界ではない、というのを知っているからだ。
質問内容がはっきりしないうちにコンタクトしても無駄。
時々、「お近づきになりたいから質問しました」感満載の人がいる。具体的に何が知りたいのか、ぜんぜん伝わってこない。こういう場合、一回目の印象がかなり悪くなるので、二回目はないと思ったほうがいい。
調べられることは事前に調べるべし。
まず、あなたにはMBAをとる明確なゴールがあるはずだ。なくてもいいが、便宜上は少なくともあるはず。そうしたら、大学のホームページに行き、自分がゴールとする領域にどういうリソースがあるのか調べよう。たとえば、プライベート・エクイティ業界に興味があるなら、
- PEクラブのページで、活動内容やカンファレンスなど、どういった学生の活動があるのか。
- PE関連の授業はどういうものがあるか。その領域のプロの教授が何人ぐらいおり、どういった出版をしており、どういう経験を持っており、どのあたりに強みがあるか。
- 卒業生がPEにどれぐらい行っているか
ぐらいは調べられるはず。調べる時間がもったいないから在校生に説明させればいい、というのは乱暴である。
エッセイの中身について、具体的に質問すべし。
- 「HBSに入りたいのですが、何がHBSで勉強になりましたか?」(そんなの目標次第じゃない?)
- 「へえ、そうなんですか。じゃあ、エッセイでなんて書きました?」(人のエッセイの具体的内容を聞いてもしょうがない)
- 「へえ、なんでですか?で、結局そのとおりになったんですか?」(それ聞いて何になるの?)
- 「じゃあ、えーと、ケースメソッドって何がいいんですか?」(わからないのになぜHBSがいいの?)
- 「へえ、じゃあ、ケースメソッドのデメリットって何ですか?」(それ聞いてどうするの?)
という会話と、
「私のゴールはこうで、○○を勉強したいと思います。HBSには○○クラブとか、○○研究センターもありますし、○○先生の授業などもあるのでフィットしていると思うのですが、実際にはカルチャー、教育システム、価値観、教育リソースなど含めて、私のゴールとHBSとどういうところがフィットしますか?○○カンファレンスは世界最高レベルだと書いてありますが、ぶっちゃけどうですか?今のところ、「新しい領域でのビジネス立ち上げとなり、不確実な状況での意思決定が求められるため、ケースメソッドを通して本質に思考を導き正しい意思決定をするプロセスを身に着けたい」と書こうと思いますが、もっと深いところでHBSのメリットがあるとすればどういうところですか?また、もし、私がゴールとしているビジネス領域に詳しい学生の方や教授がいらっしゃいましたら、ご紹介していただけませんか?」
という会話と、どちらが意義ある会話になるだろうか。もちろん、後者である。在校生・卒業生から聞く言葉のひとつひとつは、エッセイに反映されなければならないと思って質問すべし。
お礼・フォローアップはしっかりすべし。
トップ10のスクールに合格する人は年に100人もいないわけで、当然狭い世間になる。もし本気で合格する気なら、どちらにせよ今後とも長い付き合いがあるという気持ちで丁寧に対応し、お礼などのフォローアップもしっかりしたほうがいい。気分を害してしまった人が先輩になったら当然よろしくない。
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