久々のブログ更新なわけだが、久々に更新する時にはなぜか奥さんネタを書きたくなる。そう、すし太郎の時のように。
今回は、世にも不思議な豆のお話です。事情があり、クソ忙しいのに、挿絵も描いてみました。
8月の後半、家族みんなでロンドンに行ってきた。
僕たちは今回、「世界級ライフスタイルのつくり方」で有名な、くろーでん葉子さんの家に泊めてもらいました。それに関するブログも書いていただきました。ちなみに、彼女とは、ツイッターで話しているものの、直接会ったことはないです。今回ようやくお会いできるかな?と思ったら、ちょうどクロアチアに行っているというので、「んじゃ泊めて」と言ったら本当に泊めてもらえたと言う、何その神展開。本当にありがとう。
そんなこんなで、出発当日。行きの空港で、奥さんが「売店で前から欲しかった靴下を見つけた!買いに行きたい」と言い出した。
「急いでいるから早く行ってきてね」
奥さんは走って売店に行き、息を切らせてギリギリに戻ってきた。
奥さんはなぜか靴下を買ったつもりで「ひざあて」を買ってきた。奥さんは間違え方のスケールがいつもでかい。ちなみに、人間としては相当小さい。
しかし奥さんは転んでもただでは転ばない。ついでに何か買ってきた。目をキラキラとさせて。
「すっごく面白いものを見つけたの!」もったいぶりながら、嬉しそうに茶色の紙袋を開くと、そこには透明のプラスチックケースに収められた豆っぽいモノが入っていた。
「・・・ナニコレ?」
「Jumping Beans(飛ぶマメ)だって!そこの売店で売ってたの!すごいんだよ!動くんだよ!」と興奮する奥さん。
見てみると・・・確かにカタカタと動いている!!!ナンダコレ!
↓動画はこちらをどうぞ
なんか不思議な形の豆が、透明のプラスチックケースの中で動き回り、ケースに当たっては、カチャカチャと音を立てている。
「すげー。これ、どうやって動いてるの?」僕が聞くと、
「知らないの。Jumping Beansって何?って売店の人に聞いたら、Jumping BeansはJumping Beansだって言われた。これ、すごくない?不思議じゃない?」
この不思議な存在によって、奥さんの中の「メルヘンスイッチ(仮称)」がオンになったらしく、奥さんはこのビーンズ君たちを異常にかわいがり始めた。
僕が、「こいつが何で動いているのか調べようよ」というと、「あなたはすぐそういう夢の無いことをしようとするのよね。わかんないのが楽しいんじゃない。静電気かな~磁石の力かもな~不思議~♪」と、取り合おうとしない。
そして、古賀家とビーンズ君たちのロンドンでの共同生活が始まったのだった。
朝を迎えるたびに、ビーンズ君たちはカチャカチャと音を立てて僕たちを迎えてくれた。奥さんは家を出るたびビーンズ君たちに挨拶し、観光から帰って家に着くと、カチャカチャと出迎えるビーンズ君たちに喜んでいた。「新しい家族だ」そう言って、奥さんはビーンズ君たちを日に日に愛でるようになっていた。
・・・だが。
僕は知りたかった。こいつは一体、何なわけ?大体、永遠に動くはずがないし、一家の主として、奥さんが家族とまで言って愛している彼らの正体を知らずにはおれん。
すまん、妻よ・・・僕はこっそりと調べるッ!
ウィキペディア先生・・・・カモン!
そして、奥さんの知らないところで・・・彼らの正体が判明してしまった・・・
Wikipedia より:
メキシコトビマメとは、蛾の幼虫に寄生された種子が生きているように動き回るメキシコ原産の植物である。
これは、ヤバイ。
生き物が入っていた。それはいいとしよう。なんとなく予想通りだし。それが幼虫だった。まあ、それもいいとしよう。
問題は、このヒトである。
なんでかっつーと、世の中に奥さんが死ぬほど嫌いなものが二種類あり、それは、
だからである。
まあ、ゴキブリが嫌いな女性というのは多いだろうが、それと同じレベルで嫌いであるということは、まあ多くの女性にとってゴキブリが中に入っていたのと同じと考えて頂きたい。ちなみに今回、写真ではなく挿絵なのは、本物の写真を入れたら奥さんが倒れるからである。
僕は秘密を知ってしまったわけだが・・・奥さんは相変わらずビーンズ君に愛情を惜しみなく注ぎ続けている。
「おはよう♪ビーンズくぅん」
お前それ、蛾だぞ。
「家族が増えた!」
お前それ、蛾だぞ。
おでこに乗せている。
お前それ、蛾なんだぞ。
かくして、僕は奥さんの「正体を調べるな」と望みもあって真実を言うこともできないまま、アメリカに帰国する前日を迎えた。
僕は聞いた。「君、それアメリカに持って帰るつもりなわけ?」
奥さんは、「当然じゃない。」と気にも留めない。
「君、それ、いつまでも動き続けているわけじゃないぞ。どうするつもりなんだ。」
「何、その言い方。あなた調べちゃったのね!なんでそんなつまんないことするの!あなたってほんと、そうよね~」
「本当に正体を知らなくていいんだな?本当に持って帰るんだな?」
「うん。家族だもん。」
・・・待てと。・・・ここで持って帰るということは、このヒト、そのうち、豆から出てくるわけですよ。マジで。そうなったらたぶん地球は崩壊する。
僕は、渾身の力を込めて言った。
「知らんぞ。」
知らんぞ・・・知らんぞ・・・知らんぞ・・・
僕がそういった瞬間、奥さんの中で何かが一気につながったらしい。
→知らんぞ
→いつも面白がるだけの夫が異常に警戒中
→何かがおかしい
→危険
→地球上で危険といえばゴキブリか蛾の二つ
→ゴキブリが入っているはずはない
→蛾が入っている
その瞬間、奥さんは
・・・投げた。
何の罪も無いビーンズ君は、壁に打ち付けられ、部屋の床に落ちて、さびしそうにカタカタ言っていた。
それを見た奥さんは、
「そんなの、家族じゃない・・・」
と、震えながらつぶやいた。
お前が一方的に家族って言ってたくせに何と言う勝手な・・・
「どうするんだよ、これ。逃がそうか」と僕は尋ねた。
「外のゴミ箱に捨ててきて。外来種をイギリスに蔓延させるのはイギリスにとって良くないから。じゃ、あなたお願いね。」
・・・こうして、何の罪も無いJumping Beans君たちは、家族ばりのステータスを手に入れた後、哀れな末路を辿ったのでした・・・
くろーでん葉子様。今まで言っていませんでしたが、捨ててもらったであろう家の外のゴミの中には、大西洋を渡ってまでやってきた、ビーンズ君たちが入っていました。後になって考えてみると、その処理、何にも関係無い君にしてもらいました。アイ・アム・ソー・ソーリー・・・
敬具