シリコンバレーへ

前述のように、期末試験は終わり、家を片付けています。20日に両親と一緒にロサンゼルスからアメリカ大陸ドライブ旅行に出るという約束をしているので、それまでは時間がある。

奥さんは日本に帰っていて、いない。同級生たちは卒業旅行に出かけていて、いない。学生生活で借金をかかえている身分で、かつ子供ができそうだというのに仕事を断ったぼくは、もちろん卒業旅行なんて行けるはずもないのであった・・・。

で、これからどうするのか?

そんなに難しい話ではない。元から、やっぱりテクノロジーオタクとしては、シリコンバレーで仕事をしたいと、もともと思っていたのだ。シリコンバレーというのは、日本にもっと近い西海岸の、サンフランシスコの南のほうに広がるハイテクベンチャーがたくさんあるエリアだ。Google、Yahoo、Appleなどの企業はすべてそこに本社があるという、最先端のテクノロジーが集まるエリアだ。年中すがすがしく晴れていて、夏は涼しく、冬は暖かい、住むには最高の場所だ。

8年ぐらい前だが、僕も大学生のころ仕事の出張でシリコンバレーに来たことがあった。そして、このすばらしい環境で、テクノロジーのベンチャーで働いてみたいと思った。でも、どうやって?まだ20歳ちょいの僕には、当時、道が2つあった。

ひとつは、ゼロからはじめるパターン。英語が話せないままとりあえずシリコンバレーでできる仕事を探して、させてもらえることをしながら成長する、という道だ。

もうひとつは、マネジメントポジションで入るパターン。まず、日本でビジネススキルを確立してから、強みを活かして一気にマネジメントポジションで入ることで、英語ができないとか関係なくするパターン。

そして、僕が選んだのは後者のパターンだ。理由は、前者の場合、英語ができない人を雇うような企業では自分の成長が見込めない。だから、まず学生当時やっていたベンチャーでのエンジニアの仕事をやめて経営コンサルタントになり、MBAをシリコンバレーに引っ越すための橋に使おうと思った。そしてこの8年は、地道にその実行をしてきた。8年もかかったが、ようやく近づいてきたのだ。

では、なぜボストンの会社を考えたのか

それは、正直言って、子供ができたからだ。仕事の理念も大事だが、家族にリスクを負わせるほどのリスクはとってはいけない。仕事はしょせん仕事なんだし、なるようになるでしょう。

シリコンバレーでの就職活動はボストンからでは遠すぎて難しい。授業があるので面接にいくこともできない。しかし、卒業後に就職先がないと健康保険がなくなる。ボストンでの仕事は給料もそれなりによかったのだが、中期的にはどちらにせよシリコンバレーでの仕事につなげるためのものでしかなかった。だから、安定のために、直近で確実なものを考慮したのだ。仕事など所詮仕事だし、転職などいつでもできる。夢など、あきらめなければかならず実現するものだ・・・8年も待ったのだから、家族のためにもう少し待つことなどたやすいことだ、というのが僕の考えだった。

とかいってみたものの、なんかムカっときてやめてしまった。アホだと思うかもしれないが、ムカッとしたらやらないのは大事だと思う。ムカっとしたら、自分が環境を変えるか、自分を変えるかしかない。環境という意味ではなんか親会社と子会社のごたごたは僕が努力して変えたいような話ではないし、会社のために自分を変えるほどまだ打ち込んでいない。単純に無理だったのでやめた。

そこで僕が確認した点はただ1つ。7月末まではハーバードの健康保険は切れない・・・つまりそれまでに仕事が見つかれば家族へのリスクはゼロではないがほとんどない、ということだ。

子供のために保険があって、食べ物が食べられて、住むところがあれば、何とでもなるだろう。

では、今後の予定は?

とりあえず予定もへったくれもないので、すぐにシリコンバレーに旅立つことにした。泊まるところがないので友達の家の部屋を借りることに。去年の夏にCarmel By The
Seaというモントレー(インターンしていたヘッジファンドの場所)の近くの町で、レストランでたまたま出会ったTomだ。彼はPeerMeというインスタント・メッセンジャー&VoIPビジネスの
Founder CEOだ。持つべきものは友達だ!

で、行ってからどうするか・・・

それは、行ってから考えればいいんじゃないの?

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