状況報告その1:Japan Trip
帰国しました・・・という日記を書いてから色々あったわけですが、恥ずかしながらすっかり更新せずにおりました。現在は、インターン(仕事)でモントレーというカリフォルニアの港町におります。海と山に囲まれた、小さな半島にある町です。インターネット環境が家にないので今外でこれを書いていますが、セーターを着ても寒いです。仕事も環境も楽しく、充実した日々を送っています。
ということで、いまさらって感じですが、順を追って簡単に状況報告をしましょう。
・Japan Trip 5/26-6/3
・結婚パーティ 6/9
・モントレー到着、仕事開始 7/1
こんな感じで過ごしていました。というわけで、まずはJapan Tripの話からしてみましょう。
一年目の期末試験直後に、日本人学生10人ぐらいが、HBSの学生を140人ぐらいつれて東京、名古屋、京都、広島をまわるというビッグイベント。コンセプトとしては、日本の文化と日本のビジネスを学びましょう、ということ。
Japan TripはHBS最大のトリップだ。多くの学生たちが、日本のすごさを授業で学び、実際に尋ねてみたくなるのだろう。また、色々な国へのTripがある中、Japan Tripの「質」の前評判もトップであり、ボランティアとして参加する僕達10人の日本人に科された使命は大きい。
参加申し込みはオンラインで受け付けるのだが、140人の定員が開始17秒で締め切った。それだけ、人気のTripなのだ。参加費は飛行機代を入れて約30万円。けっこう高いが、コンサルティング会社や投資銀行、留学予備校などの協賛企業からスポンサーして頂いているので、これでも安くなっているのだ。
もちろん日本語を話せない、しかも言う事をきかないガイジン総勢140人をつれた旅行ともなると、何から何まで大変だ。到着前から、早く遅く入国するとか帰国するとかどのオプショナルツアーに参加するとか何が食べられないとか全員の個人の事情に合わせて計画を立てる。ホテルとレストランをぽんととって終わりならいいのだが、そうはいかない。例えば、食事ひとつとっても、ベジタリアンにも色々ある。「牛肉はだめだが豚肉は食べたい」とか「シーフードだけはいい」とか、「鶏肉とシーフードがいい」とか色々面倒くさい。彼らは宗教上の信念に基づいて行動しているのであって、彼らにとってはとても大切なことだから、ないがしろにはできない。一方で、食べものもすごく期待して大金をはたいて日本までやってきているのだから、野菜サンドイッチ与えとけばいいということもない。
いざ自分でこういう細かい対応をしていると、日本人には多様性がないけど、それが普通ではないんだなぁと、しみじみ思う。何でも残さず食べなさい、まわりと一緒であることが大事だ、という日本人の一様性が染み付いている僕には、こういう大変さもすごく勉強になった。
ツアー中は、朝から晩まで学生をつれてまわることになる。担当になっていなくても、クラスメイトがどこどこに連れて行ってくれ、日本にいる間にすごく行きたいんだ、と言われればやっぱり助けてあげたくなってしまうものだ。こうして睡眠時間もついついなくなってくる。まあ、睡眠時間が足りなかった最大の要因は、ルームメイトであったイッチー氏の強烈なイビキで眠れなかったからという可能性もあるが。。。睡眠不足の中で30分おきに起こされたときにはそっと殺そうかと思った。壁をガンガン叩くと彼の眠りが浅くなりイビキが止まるのでそれを頻繁に繰り返した。後ほど、彼は一人部屋に左遷された。
とまあそういう話はおいておいて、Tripの中身について話をしてみよう。
東京では六本木ヒルズ、皇居周辺、国会議事堂、渋谷、原宿、浅草、大相撲、屋形船、築地の朝市、ソニーのVIP向けショールーム、新生銀行本社などをまわった。僕は大相撲や築地の朝市が初めてだったのでかなり楽しかった。大相撲などに行くと、あまり僕もルールに詳しくないのだが、どっちが勝ったんだとか、東と西ってなぜあるのかとか、試合開始前に会社名ののれんがぐるぐるまわるのは何かとか、どうやったら横綱になれるんだとか、あらゆる質問が日本人である僕に殺到する。Japan Tripでは、こうして日本に関するあらゆる質問に答えねばならないので、むしろ日本について僕もよく勉強になりました。築地の朝市は参加者のみんなも楽しんだようで、色とりどりの海産物が見渡す限りに並ぶ姿や、マグロがズラリと並ぶ姿は印象的だっただろう。市場を見た後は、もちろんお寿司を食べて解散。そういえば、このとき会ったマット君は身長208センチ。バスケの名門Duke大学の優勝チームにフォワードとしていたことがあり(やっぱり208センチだとセンターには小さいのか・・・)、NBAにはいろうか悩んだが、怪我もあったのでMBAに来ているらしい。笑える。ちなみに彼は世界的に有名なビジネスの教授のクレイトン・クリステンセンの息子とのこと。ほんと、HBSにはいろんな人がいるワ・・・。
名古屋では、トヨタの工場を見学させてもらった。たぶん誰でも入れるんじゃないかな。ロボット達がボディパーツにウワッと集まって火花を散らしながら精密な作業をする姿は圧巻。みんな「スターウォーズのロボット軍団みたいだ」と興奮していた。名古屋から新幹線に乗るときに、そのへんにいた女子高生達が何歳かでクラスメイト達が議論を始める。クラスメイトのクリス(女好き)は、「いや、この子達はぜったい12歳ぐらいだ」と言う。僕は女子高生だと思うので「17-18歳ぐらいっしょ」と言うが、信じてくれない。仕方がないので聞いてあげると、やはり皆17歳。クリスは日本人が若く見えることにショックを覚えていた模様。白人からすると、アジア人は信じられないくらい若く見えるようだ。
京都では、お寺まわりだ。金閣寺、清水寺などメジャーなところをまわる。前述のマット君と歩いていると修学旅行の子供達が一緒に写真をとってくれと寄ってくる(でかいから)。僕の事もガイジンだと思って、「ハロー!」とうれしそうに声をかけてきてくれる子供もけっこういて、なんか夢を壊さないように「ハロー!」とか笑顔で返してみちゃったりするが、騙しているような罪悪感もあったりする。京都では温泉に入ったのだが、やはり人前で裸になるのは皆抵抗があるらしく、結局入らなかった人たちもそれなりにいた気がする。みながお風呂を出た後は、つかった桶もタオルもめちゃめちゃにちらかっていて、こういうことをしちゃ駄目だよと今更教育しても無駄なので僕が後で入って片付ける。
広島では、原爆についてのお勉強をしてもらう。資料館見学や被爆者の方のお話では、みなちゃんと真面目に原爆について学んでいたようだ。うむうむ。
とまあ、そういったJapan Tripだった。全体を通して、皆いろいろな事を学んでくれたようだ。皆、人がすごく親切なこと、街にはごみがなくすごくきれいなこと、トイレのウォシュレッとが意外といいこと、サービスの質が極めて高いこと、食事やお菓子などなんでもおいしいこと、トヨタ工場の機械化、日本の文化・芸術・建築、原爆の歴史などなど、日々学んでくれたと思う。みながすごく僕達に感謝してくれて、お礼のメールもたくさんもらった。試験の時期に計画する大変さや試験後の疲れた状態でみんなを引率して夜中まで回る大変さもあったけど、みんなの喜ぶ姿を見れば意外とこっちも楽しくなるものだった。
トリップもつつがなく終わり、さあ、次は、6月9日の結婚パーティにむけての準備が始まる。というわけで、続きます。長々と、お疲れ様でした。
試験の時期に計画か・・・。
さぞ大変だったでしょうなぁ。
でも、意外と勉強と計画とが気分転換になっていたりして!?
ともかく、お疲れ様でした~!
yokichi-san
こんにちは。ブログ、楽しく読ませてもらっています。
私は現在NYで金融関連の仕事をしています。来年度入学に向けて現在ビジネススクール出願準備をしています。
yokichiさんはUOに交換留学されていたんですね。実は私も同様にUOに交換留学していました(2000-2001年です)!なので、なぜかやたら親近感を覚えてしまっています。
HBSについて、色々とお話を聞くことができたら・・と思っています。もしよろしければ上記のEmailにメールいただけますでしょうか。
よろしくおねがいします。
> しのじい
気分転換というか、戦場でマシンガンを時々ライフルに持ち替えて戦うという感じだったと思います。ふはは。
>Emiさん
メール送りましたよ!
ブログ読者のみなさま。たくさんの人からご相談を頂いていて、皆さんのお役に立てるのはとってもうれしい限りです。だから、ぼくもできるだけ、お返事しています。
実は、「まだ英語の勉強もちゃんとしたことがないのですが、どうすればHBSに入れますか」とか、「HBSに入るにはGREの試験は何点必要ですか」(そもそもGREは受けない)、みたいな質問も多いのですよ。
そんな感じですので、質問をいただけるみなさま、「質問があるので連絡くれ」というのもいいですが、せめて名前や、具体的な質問を書いてもらえると、とても、うれしいな・・・。
>今更教育しても無駄
ここで笑わせていただきましたw
楽しく有意義な旅だったのだろうなあと想像します。。。
>ハロー!
日本で外人のフリ、僕もやりました(笑)
けっこう楽しいですよね。