Harvard Community

マゾヒスティックになるつもりはないのだけれど、現実としてハーバードより厳しいMBAは世界にほとんど無いか、無いんじゃないかな。そんな中でぼくがなんとかやっているのは、僕が優秀だからではなくて、助けてくれる多くの皆様のおかげだと思う。今日はそんなハーバードのみんなの間のチームワークへの感謝のお話。

「ハーバードは個人プレイヤーの集団で、チームワークがない」 -これは、多くの人がハーバードに持つ一般的な印象だ。僕も外から見ていたときはそう思っていたし、それが嫌で、ハーバードへの入学を迷った程だ。確かに、一部の人にはそういう部分があるかもしれないが、それは他校だって同じだ。だけど、あくまで一般論で言えば、ハーバードの学生は、つらい状況だからこそ、外から見たよりも遥かに助け合いの精神を大切にしていると思う。

・セクションでの協力

僕は英語もできないから、セクション(クラス)の皆と同じように発言したり、コミュニケーションを取る事はできない。でも、皆はそんな僕をとても尊重してくれていると思う。僕が下手な英語で何かを発言している時は、みんな僕の顔を見てうんうんと頷きながら、ものすごくよく僕の話を聞いてくれる。大したことを言っていないのに、よいコメントだったよと、声をかけてくれる。難しい英単語が出てくると、隣のティファニーが意味を耳打ちしてくれる。授業が終わってわからないことがあれば、セクションメイトに質問するとすごく丁寧に教えてくれる。

授業中にわからないことがあれば、率先して質問することを推奨されている。例えば学部から直接MBAに来た人や、軍隊出身の人などは、特にファイナンスの難解な理論にキャッチアップするのは難しいだろうと思う。彼らに合わせていたら授業のレベルが下がるわけだ。しかし結論からいうと、レベルを下げるような質問をすることは推奨されている。「全ての授業の内容がわからなくてもいい。他にもわからない人がきっといるんだから、質問することが他の人を救うことになる。」よく、そう言われている。

・ラーニングチームでの協力

学生は、6人程度の別のセクションメイトから構成されるラーニングチームに割り当てられる。大抵は毎朝授業前に集まって、当日の授業内容をディスカッションしてケース(教材)の理解を深める。うちのラーニングチームは、Write-upと言われる準備(宿題への回答をまとめた資料を作る事)を6人で分担でしているのだが、これによって準備が間に合わないときも、人の答えを参考にして授業に挑むことができるので、非常に助かる。

しかし僕はみんなと違って週に2~3回Write-upをやっていたら担当外のケースを読むことが時間的にできない。みんなに貢献したいのは山々だが、無理なのだ。そこで、みんなで議論した結果、僕だけ月曜に一回Write-upでよいことにして、本来の僕の他の担当分は他のみんなが分担してくれることになった。そこまでしてもらっても、僕はケースを読み終わらない事が良くあって、朝になって「ごめん、今日はケースが読み終わっていないから、今朝は行けない」とメールを書いたりした。そんな時も、「もし君がケースを読み終わっていないなら、中身を説明してあげるから、いつでも気軽に来てよ」と言ってくれたりして、勇気付けられている。

・日本人同士での協力

就職活動や、インターナショナルウィークでの日本での出し物準備などで、日本人全員がすごく忙しくなることがある。そういう時は、皆がお互いのWrite-upを事前に日本人のメーリングリスト送り始める。本来は自分でやるかラーニングチームでやることなのだが、つらいときは固いこと言わずにお互い助け合うというわけ。投資銀行出身者がファイナンスのWrite-upを送り、コンサルティング出身者がオペレーションのWrite-upを送り、事業会社のマーケティング経験者がマーケティングのWrite-upを送る。これで、お互い相当助けられていると思う。

・奥様方のすばらしい貢献

これは協力という話ではなく、学生たちが一方的に奥さん達に支えられているという話ですね・・・。奥様方は、日々学生である旦那の生活を支え、勉強での疲れを癒す極めて重要な存在だ。日本食を自分で作れない独身学生を家に招いて料理してくれるというのも何気に重要。この前我が家で牛タンと鍋の会なるものを開いたのだが、奥さん達が率先して料理を分担して、てきぱきと仕事を片付ける様はほとんど神々しいものがあった。

僕の奥様も、毎日日本食を作ってくれるし、毎日大学への送り迎えを車でしてくれるし、お弁当をわざわざ届けに大学に来てくれたりもするし、アメリカの広い家の掃除も一人でやってくれています。完全に頼りっきりですね・・・。

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留学準備してきた頃から、家族や友人に支えられてなんとか無理な受験プロセスを乗り切ることができたけど、留学が始まってからはもうほとんど支えられる一方。今は素直に、ハーバード・コミュニティの皆に支えてもらいますが、卒業してからはこの借りを返し、皆の役に立てる人間になるために、感謝の気持ちを忘れないようにしていきたいと思うよ。

そんな感謝にあふれた今日は、サンクス・ギビング!今日はもう授業は休みで、多くのアメリカ人の友人達は家族と過ごすために実家に帰りました。

Section Retreat

Section Retreat、いわゆる、セクション(クラス)の遠足に奥さんと一緒に行ってきました。勉強ばかりのHBSライフじゃないぞ!ということで。とても楽しかったよ。

ビジネススクール前の駐車場エリアにみんなで集まって、それぞれ車に乗り込む様子。みんなうきうき。

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うちの夫妻と仲良しのやさしいドイツ人、キャロリンもにっこり。

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車で約4時間進むと、バーモント州のロッジに到着。

今夜のパーティのために”正装”する僕達。

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夜になって、パーティが始まる。まずはセクションに関するクイズ大会。事前にセクションに配られたアンケートの集計結果をクイズにしたもので、「一晩、手錠でつながれていてもいいと思うセクションメイトは誰?」「一番自分の事をえらそうに話すのは誰?」といった様々な質問に対して、誰が上位になったかを当てるわけだ。

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ちなみに僕は、「砂漠の孤島に二人きりになるとしたら、誰と一緒がいいか?」で、美人のレズリーの次の第二位を獲得いたしました。なぜかは、わかりませんが・・・。

そしてその夜は、ひたすら、ゲームをしたり飲んだりしながら過ごした。

次の日は昼ごろ起きて、山の中をハイキングしてから、お昼ごはんのバーベキュー。

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あんぐりとハンバーガーを食べているフィル。

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ご飯を食べたら、ドッヂボール大会。ルールを説明するクリス。「ボールを敵にキャッチされた人はアウトだから、枠の外に出る事ー!」日本のドッヂボールのルールとちょっとルールが違うね。

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8人ぐらいのチームに分かれて、ゲームスタート。写っていませんが古賀夫妻はこのチーム。成績は、勝ったり負けたりということでまあまあ。

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最後のゲームは、セクションを2つに分けたビッグ・ゲームだった。僕は何人かやっつけた後、やられてしまった。そして、われらがチームで最後まで生き残ったのがうちの奥さんだった。敵は多数の、大ピンチ。もうこれは負けたか・・・と思いつつ、全てのセクションメイトがわが奥さんの動きに固唾を呑む。チームのメンバーたちは、大きな声で奥さんを応援する。そこでわが妻は果敢にも敵のボールをがっちりキャッチし、一人になっても敵をやっつける根性を見せた。結局最後にはやられてしまったんだけど、ゲームが終わるやいなやチームメイトが奥さんにかけよって、「すごい!よくやった!」と奥さんを胴上げ。さすが我が妻・・・存在感を見せるなぁ!

その日の夜は、殺人事件推理ゲーム。みんながそれぞれ役割を割り当てられて、その役になりきりつつ、誰が犯人なのかを捜していく。僕らはカンジ悪い数学クラブのメンバーの役割。結局犯人にはたどり着かなかったけど、名探偵コナン好きの奥さんにはたまらないイベントだった様子です。

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そんなわけで、とても楽しい週末でした!