Back to Boston

さすがに引越しの当日はばたついたが、出発の1時間前にはパロアルトで初めて、空に大きな虹がかかっているのが見えた。うーん、いいことが起こりそうな予感!

前々日に来るはずだった引越し業者が、僕がサンフランシスコ国際空港に向かって出発する30分前にようやく来る、というアメリカらしいトラブルがあったが、全体的には意外とスムーズなMove Outであった気がする。トラブル慣れしているせいか?

空港では、豚インフルエンザが日本で大騒ぎなのに、空港でも飛行機の中でも、一人もマスクをしている人を見かけなかった気がする。日本の知り合いはアメリカ出張をガンガンキャンセルしているのに、すごい温度差だねえ。かくいう僕も6ヶ月のちぇん太が感染しないかは少し心配だったが、まだ死者が出まくっているわけでもないし、もしこれから被害が拡大するならむしろとっととボストンに逃げたほうがいいわけで、そんなことを考えてもまあボストンに行くのもいいかもしれない。

約1年ぶりに、ボストンのローガン国際空港に到着。3年前に初めてHBSに入学するために来たときには不安もあったが、今では故郷の一つなので、「帰ってきた」という感じ。空港の曲がり角や坂道も懐かしい感じがするし、アクセンチュアの広告(タイガーウッズ)も見慣れたものだ。

タクシーをつかまえて、仮住まいとなるダウンタウン近くの家具つきアパートにころがりこみ、すぐに眠った。

朝起きてすぐに家を出て、Globespanのボストンオフィスへ。高層ビルが立ち並ぶところにあるのでiPhoneのGPSがあまりちゃんと働かず迷ったが、なんとか仕事場に到着。これまた高層ビルの28階で窓が大きくとってあり明るいオフィスだ。

僕たちファンドメンバーは月曜に週次ミーティング(ボストン・パロアルトが参加するビデオ会議)があるので、さっそく僕も「ボストンについたよ~」などとみんなに報告しつつ、投資案件の評価や既存案件の状態などをアップデート。(僕はまだ観察モード)

ヘッジファンドで働いた経験と比べると、ベンチャーキャピタルの会議は全く雰囲気が違う。外から一般情報をもとに投資してリターンをあげるヘッジファンドのパートナーと、自分が中に入って経営しながらリターンをあげるベンチャーキャピタルのパートナーは明らかに人種が違うし、意思決定のプロセスも違う。僕個人としては、ベンチャーキャピタルのほうがはるかに面白い。

ヘッジファンドの仕事は「見抜く」ことなので、財務データ分析が緻密に行われる。分析は得意だしやりゃできるような気がするのだが、個人的にはどうも不毛感があるんだよね・・・。データというものはデータになった時点で過ぎ去った過去の情報であり、それを元に将来を予測するのはそもそも間違いであって、基本的にCAPMの理論(特にベータ)を将来に適用するのは気持ちが悪い。もちろん、与えられた情報の中でのベスト・エフォートで最大限客観的に意思決定する為にはほかに方法がないので、必然的に極限まで入手可能なデータを使って企業価値を分析することになる。こういう意思決定プロセスなので、きっちりした人が多い気がするが、ぼくはあまりきっちりしていないんだろうね・・・。アクティビストファンドも、結局は経営陣とまともな議論をするとインサイダーになって取引不能になるから、口で言うほどアクティブなことはできないので、超敵対的なファンドでない限り、あくまでおとなしい。会議は少人数のパートナー(えらい人)がいて、大人数のアソシエイトが報告するというスタイルで、ディスカッションはあまり活発ではない。

一方、ベンチャーキャピタルの仕事は「創造する」ことなので、戦略の分析が緻密に行われる。誰もやったことがないことをしたときのマーケットサイズのデータなんていくらリサーチしてもでてこない。そんなことをするよりちゃんとした経営陣、ビジネスモデル、潜在ニーズがあることのほうが重要だし、マーケットが今後どうなるか心配する前に自分でマーケットを創造するのが仕事である。リターンの計算もどんぶり勘定で、会社を10倍以上の価値で売るか、つぶすか、みたいな話なので、そもそもCAPMみたいな細かい計算がどうという話にはなりにくい。そういうこともあって、会議では基本的にリターンがどうのとか割安がどうのという話より、経営戦略、チームの質、ディールの構成、資本効率、EXIT(売却・IPO)への道筋などに重きが置かれる、となるわけだ。人種としては、もちろん人によるが、経営経験が豊富なベンチャーキャピタルの人のほうがアグレッシブで、リーダーシップがある人が多い気がする。会議出席者は半数以上がパートナーなのもあって、議論が活発に行われる。

ファンド、という意味では同じカテゴリーになると思うが、中からみるとかなり違うものだ。僕のような戦略コンサルティグ経験者はベンチャーキャピタルのほうが面白いと思うが、投資銀行出身者などはヘッジファンドのほうが面白いんだろうと思う。そんなわけで僕としては、ベンチャーキャピタルの仕事はかなり面白そうなので、これからが楽しみ!

とはいえ、新しい業界で、今回もオフィスに非・アメリカ人は僕一人。しかも今回はちゃんとした仕事なので大丈夫だろーか。。。会議の英語とか、ぶっちゃけぼちぼちわかんなかったりするんですけど、そんなこと言っていられないのでがんばって切り抜けます。応援よろしくお願いしまーす。

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