あの人を超えろ

大学生のころ、アルトビジョンというインターネットベンチャーで仕事をしていた。場所は渋谷で、毎日のように終電の12:40まで仕事をしていた。

上司はしーばさんと言って、とても優秀で自信に満ちた社長さんである。当時の僕はまだビジネスの世界に入りたてで、今より輪をかけてパッパラパーだったので、しーばさんは色々なことを僕に教えてくれた。パワーポイント、エクセル分析といった技術面だけでなく、プロとしての心構え、徹夜で働く根性など、様々なことを知らない間に叩き込まれた。一方、僕がうまくできないことも多く、彼にはしょっちゅう怒られていた。機嫌が悪くなると、「っダヨ、使えねえなァ」とか、「古賀は凡人だからな」とか、色々なことを言ってくるのである。当時は反論こそしなかったが、かなりむかついていた。僕が、2001年にアルトビジョンを離れ、しーばさんが出身であるアクセンチュアの戦略グループに入った理由のひとつには、そんな彼に負けてたまるかと思ったから、というのもあったと思う。

あれからもう7年経つ。時々、「僕はしーばさんの力を超えられただろうか?」と自分に問うてみるが、いつになってもあの人を超えられた気がしない。では、少なくとも近づいているか、もうすぐ超えられそうかと言うと、あまりそんな気もしない。

だが、今思えば、あの人を超える日なんてそもそも来ないんではないか。悔しいけれど、それは結局僕の力がどうとかいう問題ではなく、彼に教わったものに感謝している時点で最初から無理なのかもしれない。

それでも、「駄目だな、古賀は」ニヤリとする彼を思うと、必ず見返してやると言わずにはいられない。

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