30年前の手紙
両親がボストンに来たとき、父親が古ぼけた封筒を僕に渡してきた。古ぼけて、まっ茶色になった封筒。表には、うちの実家の住所と父の名前が書かれている。
なんと、実家の戸棚の奥に30年以上前に僕宛に書かれた手紙が見つかったという。そんなものが存在していたということも父は忘れてしまっていたらしい。父は、「面白いものがあったぞ」という感じで封筒の中身を取り出して見せた。
「これは、お前の名前を山口喜久一郎さんがつけたときの手紙だ。」
実は、僕は自分の名前を誰がつけたのは知らなかった。名前の意味もよく知らない。子供の頃、誰かがつけた、だけど昔の人なので古臭い名前になった、その人は僕が小さいときに亡くなった、と聞いていた。その人が誰かなんて知らなかったし、母親が「自分の子供なのに名前もつけさせてもらえなかった」と嘆いていたので、僕にとってはあまり思いいれのある名前ではなかった。
それが、どうも僕の名前は祖父の兄である山口喜久一郎さんがつけた、というのだ(ちなみに、おじいさんが婿入りして古賀姓になっているが、もともとはうちは山口の家系)。彼が僕の親戚であることは知っていたが、名づけの親であったことは知らなかった。ちなみに、防衛庁長官だった中西啓介氏は、うちの家系で秘書をやっていて、うちの家系と結婚した人なので、ぼくの直接のおじさんである。
インターネットで調べればわかるが、山口のおじいさんは、国務大臣や衆議院議長などを勤めた政治家であり、本で読むかぎりは豪快な人であったようだ。会った記憶もない、そんな破天荒な祖父の兄が30年前に書いた僕への手紙が、今になって届いた。
問題は、読めないんです。
ひとつは、そもそもなんて書いてあるのかわからない。もうひとつは、読めても昔の言葉なので意味がわからない。国語力がないので・・・。
というわけで、誰か、読むのを助けてもらえませんか。というわけで、ここに載せてみます。ただ、大体わからないでもない。
どうやら、僕が活躍する世代には階級が消滅し、官僚ではなく経済力が権力に代わる実力の時代がくる。そういった新しい時代において、広い心を持ち万人に愛され幸福な人生を満喫するという事を望んで洋吉とつけたようだ。
志を高く持ち、忍べ、というのが、彼の僕へのメッセージだということだけは、わかった気がする。
山口のじいちゃん、お望みの通りなのか、毎日夜中まで勉強している「忍」の毎日です。でも、自分の「忍」耐力のなさ、未熟さを毎日のように痛感する毎日だから、まだまだこれから。
しっかりと志を高く持って、気を引き締めていこうと思うよ。
質問です
私、その手紙のこと一切聞いてないんですけどぉぉぉぉぉっ
同じ人が私の名前も付けたんじゃないのかっ!
父に問い詰めるからいいわ
まぁ、3人ともイケてる名前でないことは確かだけどそれなりに思い入れがあったということがわかっただけでもありがたや、ありがたや
プリントアウトさせてもらって、
私も一生懸命読んでます。
それにしても素敵。良いお名前ですよね、洋吉さん。
>姉
全員分あるはず、らしいが・・・微妙だねぇ。そもそも存在自体30年忘れられていたような状態だし。しっかりしろ、オヤジ。ゆうこの分も、見つかるといいねえ。何が書いてあるのだろう?
>はせがわ
おお・・・。ありがとうございます。特に後半何言っているのかよくわからないのですが、何かわかりました?
最後の紙の、ヒトイズクンゾカクサンヤというのは、孔子の言葉で、人はどうして隠すことができるだろうか、という意味らしく、行動から動機をさぐれば、人はその本質を隠すことはできない、ということだそうな。