お知らせ

こちらは、2007年に明治大学の社内広報誌 M STYLEに連載した「MESSAGES FROM HARVARD」からの再掲になります。

社会に旅立つ皆様へ

この連載も最終回。今回は僕と同時に卒業を控えた4年生の皆さんに、少し先に社会人になった僕から、自分への戒めも込め、僕が今まで社会人として学んだことをお伝えできればと思う。

まずは、失敗について。自信に満ちた社会人一年生の多くが、予想外の社会の厳しさに「こんなはずでは」とショックを受ける。でも、これは柔道みたいなものだ。地道に「投げられる」受身の練習をして初めて、格好良く一本背負いを決められるようになるのだ。だからたくさん失敗して、色々な受身の方法を学ぼう。失敗を恐れて立ち止まるよりも、どうかすぐに立ち直る強さを持って欲しい。

次は、成功について。成功するためには、自分の心の声を強く信じなければならない。論理的に意味を説明できなくても、やりたかったらやればいい。成功を語る時、他人に勝とうとしてはいけない。自分が他人より優秀か、価値があるか、すごいことをしているか、とかいう考えはあなたの目を曇らせるだろう。でも、自分には勝とうとしなければならない。誰だって晴れた穏やかな日には優しい。でも、恐怖や欲望と向き合った時に本当に自分と戦う時がやってくる。そんな時こそ心を強く持ち、信念を優先して欲しい。

あとは、夢について。楽しい夢を持って、ぜひそれを叶えて欲しい。夢を実現するために必要な行動を細かく書き、細かく達成期限を決め、一枚の紙にまとめることができたら、どんな大きな夢でも「計画」に変わる。そうしたら、簡単にあきらめないで。どうせあなたに簡単にできないのなら、多くの人にも簡単にはできない。もし目の前が真っ暗になったら、今度は失敗時の計画も立てて、寝よう。

最後に、夢もいいけど、身近な人を大切にしよう。家族や恋人や友人すら大切にできない人が他の人を幸せにできるとは思えない。だから自分が良いと思うことを、たくさん身近な人にして、その思いを伝えよう。もし次の世代の子供たちが少しでも幸せになるような
メッセージを残せれば、体が死んでも僕たちが良いと信じた信念は生き続ける。そうしたら、十分に生きた意味があると思う。

卒業おめでとう。皆さんの活躍を心より楽しみにしています。