Drivemode設立経緯その3

2013年11月 Y Combinatorに落ちる!

Y Combinatorという、アメリカで有名なインキュベータ(投資もしてくれるスタートアップの学校みたいなもの)がある。何かのついでにウェブサイトをたまたま見たところ、「3時間後が本日の締め切り」って書いてあった。Y Combinatorが具体的に何をしてくれるのか正直あんまりわかっていなかったのだが、調べている時間もないので1時間ぐらいで質問に穴埋めして適当に書いて出す。Co-founderのビデオとかないのでごまかし、穴埋めもよくわかんないので「わかりません」と書いて、さくっと出したら面接に呼ばれる。

うーむ、呼び出されてしまった以上、「なんでY Combinatorに入る必要があるのか」を考える必要がある。そこで、みんなでYC卒業生とかの話を聞いたりして、クイックにメリットとデメリットを考えてみた。

メリット:
  • 投資家ネットワークがない人にはいい
  • 業界ネットワークがない人にはいい
  • 資金がない人は資金をもらえる
  • スタートアップのやり方を知らない人はYCのスタートアップ流儀を学べる
  • Amazon Web Servicesなどのインフラがタダで使えるなど特典がある
  • マーケティングになる
  • プレゼンの練習になる
  • 旅費1000ドルもらえる
  • ネタ的に面白い
デメリット:
  • 投資条件が悪い(ので、僕の周りに申し込む人はほとんどいない)
  • VCから見ると、YCに入ったからポジティブとは限らない
という、以上の分析の結果、「入ったほうがいいのかどうかよくわからない」という結論になった。ネットワークや資金などは困っておらず、YC流のやり方はちょっと知ってるけど使わないと思うし、AmazonのUS本社には「Drivemodeは特別にインキュベータに入らなくても100万円分は無料にする」とか言ってもらえるし・・・。あと、僕はVC側の世界の人間だったので、YC卒のスタートアップの評価もそこそこしたが、YCに入ったからどうかという現実に関しては裏情報ばっかり持っているのでちょっと世間と違う印象なのかもしれない。

そんなこんなで、1000ドルの旅費を出してもらえるので、とりあえず面接にはいく事にした。方針は以下:

  • 優先すべきはプロダクトなので、YCの面接の準備は基本的にしない
  • よほどいい条件で投資されるとか言われないかぎりたぶんどちらにせよ入らない
ということで、軽いノリで行ってみた。

落ちるとも知らずに記念写真を撮るわたしたち。ぷぷぷ、ダッセー。

人数多いと嫌がられるらしいけど、みんな記念に行ってみたいだろうからゾロゾロ連れて行く。会場につくと、周りのみんなはものすごい準備していて、なんかいろいろ傾向と対策的なものがあるらしく、みんな熱く合格セオリーを話していてびびった。あと、なんかどこの欄で申し込むと面接官が誰になるらしいみたいな常識がいろいろ存在するらしい。そんなわけで、面接に行ったらポールという短パンでサンダルの人と話がかみ合わなかったようで、あとからメールが来て落ちた(笑)。でも感じいい人たちだったよ。話がかみ合わなかったのは、僕のプレゼンが悪かったの一言に尽きます。ただ面接の当日まで、ファウンダーの誰も入りたいと言っていなかったので、なんか別によかったのかなと・・・。とりあえず1000ドルくれたし!

ちなみに、本気で準備して入ろうとすべきだったのかどうかは、やっぱりいまだによくわからない。必要だったら考え直すと思う。そのうち後悔する日がきたら、そのときはそのときだろうな。一言で総括すると、よくわかってないのに行っている時点で、場違いであった。

でも面白かったから何でもいいのだ。

2013年12月 そろそろ僕のお金が尽きるので資金調達準備

さて、無給状態のまま、自腹でドメイン買ったり経費払っていたら古賀家の家計が本気でやばくなってきた。当たり前なんだけど。本質的には起業なのか起業じゃないのかとかはどっちでもいいのだが、さすがに給料がないと維持可能なプロジェクトではないので、なし崩し的にちゃんとした会社にしなければならなくなってきたという感じである。

ということで、激烈シンプル、小細工一切なしの4ページのConvertible Equityのテンプレ契約書(タームシートすらない)を仲良しのみなさんにお送りした。資金調達の所要時間は3分ぐらいか(笑)。

2014年1月1日~ オフィス開設(空っぽ→最高のオフィスに!)

資金調達はみなさんのおかげでさらりと終わりました。みなさん投資に慣れているのもあって質問も何も来ず。スムーズに行ったのはもう本当に信頼してくれている投資家の皆さまのおかげです。元から、「出資金は、成功したら儲かり、失敗したらチャラでいいよ」「応援したいという想いだけ」「いきなり大企業に殺されたらそれはそれでいい、一緒にやりたい」「明日にでも振り込むよ、契約書もいらない」といった感じの皆さんの言葉は、投資家と投資先というよりも、お父さんと息子みたいです(笑)。(なお、特にニュースリリースとかは何もする気ございません。僕たちごときがメディアの皆さんのお時間取らせるのはまだ申し訳ないです。)

ただ、あえてそんなに調達しなかったので、経費は極限まで下げねばならない。

とりあえず、Walmartで買ったプラスチックの机と、お借りしたパイプいすで仕事を開始。何にもないけど全く問題ない。

しかし、素敵なオフィスにしたいという思いはある。けど問題があるわけじゃないので我慢できるなら我慢したほうがいい。うーむ。

そこで、使ってない家具を寄付でいただき始めました。

そしたらまあ皆さんどんどん寄付してくれます。ひええ。

あまりに色々頂けるので、もうこの際AmazonのWish Listでお願いしてみたらどうなるんだろうと思って、ためしに公開してみたら、400ドルを超えるものですら飛ぶように買われていくというお祭りに発展いたしまして、知り合いから存じ上げない方までにも支援して頂きました。Co-founderたちもこの瞬時にオフィスにモノが揃っていく、しかも全部が頂きものという夢みたいな光景に衝撃を受け、この謎の状況は「KOGA MAGIC」と呼ばれるようになりました。

「なぜこんなことになるんだ」と聞かれても「わからんけどこうなった」としか答えようがございません。わははは。

こうして、皆さんが作ってくれた会社で僕たちは元気に働いています。

世界一愛されてるスタートアップである気がして、とても誇り高いです。

2014年2月 エンジニア募集開始

会社の設立事務もなんとなく終わりました。会社設立の法務も僕は契約書とかわりと自分で書くので超安くできました。英語あってるのかわかんないけど(笑)。

そして、エンジニアの募集です。Wantedlyというサービスの評判がよかったので申し込みを出してみました。これはソーシャルネットワークで応援して頂けるとなんか順位が上がってみんなに見えるようになるらしいという求人告知サービス。

求人を出したら一瞬で900件以上ある募集のうちランキングが1位になりました(何のランキングなのかわかってないですけど 笑)。Drivemodeは多くの人に支えられているので、「誰かに助けてもらうとうまく行く」ことに関しては最強!もちろん、まだ出したばかりなので、すぐには決まらないと思いますが、きっとうまくいくと思います。これについても、御礼申し上げます。

まとめ

というわけで、いままでの僕たちの冒険のスタートの経緯は以上です。ぜんぶ書いてみました。

まとめると、「うお~起業するぜ~」という勢いがあったわけではなく、「一発当ててやる!」という思いがあったわけでもない。現実はこれです。

  • 「こんなプロダクトをつくりたい」という思いがあった。
  • 僕は「助けて」と言った。
  • ビジョンが勝手にいろいろな人を巻き込み続けて雪だるま式に巨大化していった。
  • 転がるビジョンが壊れないようになし崩し的にDrivemode社が設立された。
プロセスのほとんど全てが雪だるま式・なし崩し的だったので、僕はどこか特定のポイントで大きな意思決定をしている気がしません。

たぶん、振り返ると、僕が行った唯一の主体的な意思決定は、

「僕にはできないから助けて」

と最初から一貫して言い続けているということです。

僕のポリシーは「無理そうな事からやる」です。そもそも、僕みたいな、高校の偏差値30台、日本で普通の大学を出て、30過ぎまで普通に日本で過ごしてきた日本人がシリコンバレーで成功するなんて僕の中ではほとんど夢物語です。

だからやるのだ。

怖いが、それが冒険というものだ。僕には仲間が要るのだ。だから助けてと言うと決めた。

無理っぽい事をやっているだから、僕はうまくいくかもしれないし、討ち死にするかもしれない。でもそれも含めて是非見て下さい。

成功したら応援したことを誇りに思ってもらえるようにがんばります。

失敗したとしても、応援してくれた皆さんに「応援したことは無駄ではなかった」と思ってもらえるにがんばります。

ただ最終的にはぐるっと一番最初に戻って、奥さんにかっこいい夫だと思ってもらえるようにがんばります(笑)。

以上、設立経緯でありました。またね~

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