Drivemode設立経緯その2

2013年7月 中河さんに会いに日本に行く

とりあえず会ったことないので、HKと一緒に中河さんに会いに日本に行ってみる。話がテクニカルすぎて何をいっているのかわからない事が多いのだけれどもきっと大事なことを言っているに違いない、程度にはお互いを理解する。とりあえず何を聞いても答えが返ってくるのでこの人すげえ。あと、顔が濃い。

ついでに、「日本に来たので挨拶に来ました!」と知人に回っていたら、「お金要る?」とものすごく聞かれるので、資金調達とかはしなくていいという恵まれた環境であることを理解する。

2013年8月 秘密プロジェクトがスタート

この時点では会社になるかどうかすらもわからない謎のプロジェクトだがとりあえず「なんかすごい事をしたい」という人がたくさん集まってプロジェクトが開始。みんなで楽しくいろいろな夢を語ったりして非常に楽しい時間。このプロジェクトメンバーに関しては言って欲しい人も言わないで欲しい人もいるだろうからとりあえずここでは言わないでおいたほうがいいんだろう、たぶん。

誰もチームメンバーに入る事を強制されていないのに、チームとして見事に回った。普段は会えないようなすごいチームメンバーがそろっていて、毎日学びがある。違う分野の人たちがお互いに教えあい、お互いが学ぼうとするからものすごい相乗効果だった。

会社になるのかも、何もわからない。でも、「楽しい」から、「すごいものを作りたい」から、「学びたい」から、みんな週末を潰してプロジェクトに打ち込む。夜9時に集まって12時まで考え抜く。とにかくみんなで考え抜いた。

2013年8月末 大事にしていた子がプロジェクトから抜ける

唯一残念だったのは、ボストンにいたときからずっと可愛がってきた若いメンバーが倫理的に問題のある行動を起こして、即時プロジェクトから追放しなければならない事態になった事かな。

彼は車のことはあまり知らないだろうけど(運転しているのすら見たことが無いし・・・)、僕は彼のことをとても信頼していて、このプロジェクトからたくさん学んで欲しいと思っていた。同様のバックグランドの人はみんなお断りしたけど、彼は「シリコンバレーに行く用事があるのでちょっとだけでも入れて欲しい」(用事があるというのは嘘だったのだが)というので、まあいいか、育ててあげようという思いから入れてあげたのだった。でも、みんなが一生懸命考えてきたプロジェクトの内容を見て興奮し、盛り上がってしまい、日本で自分でやると言い出した。それは倫理的にも問題あるし、みんなでやってきた事に対する冒涜だし、こうなったら彼には出て行ってもらうしかないよね。そこからは、本当にひどい対応をされ続けて、正直とても嫌な思いをした。彼のあまりの豹変ぶりに、自分の見る目の無さを恥じるしかなかった。

「どうしても競合したいなら残念だけどいいよ、でもせめて人間として最低限、守秘義務ぐらいは守れ」と言って契約書を見せたら、「僕がそんなことをする必要はありません」と言われた。君は契約書を見てビビっていたようだが、君のために、どれだけ優しい条件になっていたかすらも、ビジネスを知らない君には知る由もないだろう。それでも僕が穏便に済ませてあげようと色々説得してみたところ、最終的には「問題なくサインします、契約書は送ります」といったまま、その後はメールへの返信すらない。まあ、ベンチャーの世界でアイディア盗む盗まないなんて大したことじゃないんだけど、契約書にサインするという確約をメールでもらっているのでそれで十分勝てるということで、投資家にはいつでも訴訟できるように準備を指示されてます。まあ、当たり前だし、彼も僕と競合関係になってかまわないと言い残してたしね。

ちなみに、最近彼は投資家からお金を集めて起業したみたいで、心配してくれている皆さんからものすごい勢いで僕のところに情報が来るからいろいろ筒抜けです。まあ内容はいいんだけど、どうも「会社設立にかける思い」まで僕の言葉を使っているようで、せめて会社のビジョンぐらいは自分の言葉で語って欲しかったよ。投資家や他のメンバーは君のビジョンを信じて、君にかけているんだから。

2013年9月末 JeffがCo-founderに勝手になった感じ

秘密プロジェクトは形式的には一旦終了するが、プロダクトに熱中してしまってどうしようもなくなり、ほかの仕事をしなくなってしまったメンバーなどが出てきたため、そういう「プロダクト感染者」は、なんかもう会社に入るしかあるまい的な感じになった。

その最たるメンバーがJeffだ。プロダクトのモックなどを見てはキラキラと目を輝かせているKellogg MBA卒の彼はもはや勝手にFounderになってしまった感じであった。僕はそういう「目」みたいな、嘘が絶対つけないやつをすごく信じているんだよね。

トップスクールのMBAぞろいだとむしろアホちゃうかと思われるのは嫌なんだけど、彼の人格やコミュニケーション能力の圧倒的高さは尋常ではなく、なんかもうお前とりあえずプロダクトやっとけと言わざるを得ない状況となった。

2013年10月 弁護士と契約

いろいろ人づてでトップクラスの弁護士たちと会っていた中、自然と二人の弁護士に絞られていった。

一人は、訴訟されまくっているUberというシリコンバレーのスタートアップの顧問をしているFenwickという事務所の弁護士。だから頼りになるかなと思っていたんだけど、色々聞いた上で結局WSGRのYokumに決めた。これは単純にフィットの問題で、僕もわりとファイナンスは知っているんだけど、ファウンダーの株式の種別や、資金調達の投資アセットの種類とかを迷っていて相談した結果、Yokumが詳しいファイナンス分野がうちにフィットしそうだったから、というだけなんですけど。

それから再び、Zipcarの元CEOや、General Motors OnStarの元CEOとかとボストンで色々議論する。

2013年10月 株式クラスなどを最終化して登記手続き

ここはちょっとファイナンスや法務の細かい話なんで読み飛ばしてもらっていいです。

ファウンダーの株式にはただのcommon stock、restricted stock、FF Sharesとかいろいろある。FF Sharesはちょっと小手先くさくてあんまり好きじゃないし、最近ダウントレンドなので一応スタンダードのrestricted stockにしといた。Commonのほうがファウンダーにはいいように見えて炎上する種になるからねえ。契約書については、基本は面倒だからClerkyというところが出してるrestricted stock purchase agreementのテンプレでいいんだけど、よく読むとdouble triggerのときにファウンダーの保護が弱いから自分で修正しといた。

おかげで、うちのCap Tableは最終的にはメチャクチャシンプルな形式になってます。Convertible Equityだけはまだあんまり使われてないけどそこはまあいいかなと。日本の恩師とかが投資家に入っているんだけど、Convertible Noteだと非米国滞在の人にWithholding taxかかるのが面倒っぽいというのもあるし、単にConvertible Noteは利子の計算面倒くさいわりに特に誰も求めてないわけですよ。

さて、登記です。アメリカで登記とか謎だらけなのですが、登記自体はそんなに面倒でもない感じです。LLCとかだとLegal Zoomとかそういうのを使うとよいですが、VCからの資金調達の可能性があるならC Corpになり、その場合はClerkyというサービスを使うとアホみたいに簡単に登記できます。全部で1000ドルぐらいかな。

基本的にはテンプレートに沿った法務書類作成サービスで、いくつかの情報を入れると勝手に書類を作ってくれるのでそれで終わりです。法務書類は一応全部読みましたが、後続の皆さまのためにお伝えしますとわりと見るだけ無駄です。

例えば、定款的なものとか、目次がズラーっと並んで、色々な詳細が書いてあるのですが、ぜーーーんぶ、「株主総会の時期:必要なときに適宜行う。株式総会の場所:必要な場所で行う。・・・適宜決める、適宜決める、適宜決める、適宜決める、適宜決める、適宜決める、とだけ延々と書いてあるという完全なる茶番劇となっております。これでいいのかよ!いいみたいです。

次回: 2013年11月 Y Combinatorに落ちる!

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