小学校のころの同級生であり、高校以来ずっとアメリカに在住しているというMikaさんというマイミクがいる。そんなアメリカ文化にかなり影響を受けている彼女の日記はしばしばエキセントリックであり、僕の中ではかなり楽しいわけだが、、そんな彼女の本日の日記のタイトルは「ハゲ」。うーん、人によっては非常にセンシティブなトピックに、あっけらかんと正面から切り込むこのタイトルに感服。
内容は、「男性が何故こんなにハゲを気にするのか良くわからない。別に髪の量が少なくなるのは自然な事なんだし、私は良いのではないかと思う」という主張である。ふむふむ、それは事実としてはそうだ。そこで別のマイミクちいこさんからまた秀逸なコメント。「女性が胸の大きさを気にするのと同じ感じなのかしら?」。確かに、異性が気にするから自分も気にせざるを得ない。
理想的には、日本人女性が全てMikaさんみたいに許容性があればいいのだが、現実には「○○さんって急にふけたよね」とか「ハゲてる人とは結婚したくない」みたいな女性が少なからずいるのである。しかも、日本人は白人とちがいハゲる率が低い事と、日本の「ほかの人と同じであるべき」という文化があいまって、頭髪が薄くなるという事実の精神的ショックは計り知れない。
というわけで、そんな日本文化を踏まえ、アメリカンなMikaさんに、「ハゲと軽率に発言するのがいかに日本では許されないか」について、私の貴重な経験を通じ、肌で感じていただきたいと思う。
~~~~~時は遡り、1989年・・・
これは中学校のときの話です。子供のころからの僕のことを知っている人はわかると思いますが、僕は相当なイタズラ好きでした。おかげでよく職員室に呼ばれたりしていました。校長室に親と呼ばれて色々な先生にしぼられたこともございます。
これは、美術の授業のときの事です。僕は美術がかなり得意で、授業をまじめに聞くなんてことはありませんでしたし、実習中も自分の席にいることなど殆どありませんでした。そんな僕がひまつぶしに窓から外を見ていると、浮浪者が校庭をうろついているじゃありませんか。中学校に、なんて恐ろしい・・・。そして、しばらくして、そのとき授業の担当がなかったであろう校長先生、教頭先生と、もう一人(確か体育の先生)が、その浮浪者を必死に追い出しはじめました。
でも、校舎からその光景を見下ろしていると・・その・・・まるいハゲ頭が3つきれいに見えていて、ああ、なんか心が洗われる光景だなーと思いました。いや、正確に言うとちょっと面白かったのです。だから思わず、校庭に向かって大きな声でこう叫びました。
ハゲ! ・・・・と。
僕の友人O畑君は爆笑していました。
その日はそのまま家に帰ったのですが、翌日学校に来て見ると大変なことになっていたのです。朝の先生の話。「昨日の授業中に、ハゲと叫んだ生徒がいる。校舎の西側なので、そのとき授業があったのは君たちのクラスか○年×組だ。叫んだやつは、今すぐ出て来い!」と。僕のいたずらはO畑君しか知らないので、とりあえずイタズラのプロとしては知らん振りをしてみました。O畑君は休み時間に、「ねえ、大丈夫かな・・・」ととても不安そうにしていました。
しかし、ハゲ問題は僕が想像していたよりも深刻らしく、どんどん話が大きくなっていったのです。ついに先生が「コラァ!誰も名乗りあげないなら、お前ら全員ビンタだぁ!!!」と言ってきました。
友人をダシにつかうとは、なんと卑怯な・・・(お前が言うな、という話ですが・・・)。そこで、僕は仕方なく名乗り出ました。「先生、僕がやりました。申し訳ありませんでした。」
ひと悶着あったあと、僕はまず3人の先生に、謝罪して回ることになりました。「ハゲと言ってごめんなさい、ハゲは悪いことではありません、今後はこのような事は一切いたしません・・・」と。しかし、なぜか僕は、そこにいなかったハゲ(かけ)ている先生にも謝罪しに行け、と言われたのです。怒られている僕は逆らうすべもなく、ハゲていると言えそうな先生を適当に選んで謝罪しに行きました。僕は、特に、音楽のN里先生(怖い)との間にあった微妙な空気を今も忘れません。
僕 「先生、僕は頭髪が薄くなっている先生に謝罪しろといわれて来ました。僕はこれから、人にハゲと言ったりはしません。軽率な行動をして、申し訳ありませんでした」
N里先生 「え?あ、ああ・・・うん、いいよ・・・」(なぜ、俺んとこに来たんだお前は・・・俺がハゲているからか・・・)
ちなみに、別に気分を害していなかった人が、謝られた事で気分を害しているのを見たのはあの時だけです。
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Mikaさん、というわけで、ハゲと軽率に発言するのがいかに日本では許されないかがわかって頂けたら幸いです。もし僕がこの時、先生に対して「ハゲているなんて気にすることないよ!」と、君のようにさわやかに主張していたなら、動かなくなるまで殴られていたと思います。